寄り添うと温かい
まるで美しい花を扱うように
指先が少し触れて
ためらうように静かに離れて
やっと大きな手のひらが頬に当てられたとき
涙が出そうな切なさが胸をよぎった
「暖かい」
手のひらがゆっくりと首筋を降りて、背中に回る
「寄り添えばあたたかいんですよ、人間は」
不意に優しく引き寄せられると、心地良い温もりに包まれた
「愛してます」
「...ん」
この柔らかい温もりも、心を溶かす言葉も、どこまでが本当なのだろうか
ちゃんと温かいなら、もうどっちでもいい
「もっと、あっためてよ」
いずれ消えゆくぬくもりが、少しでも長く残るように...
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