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夏とかいう季節、本当にあるんか?(詩)

『気づいたら夏、終焉ってた』


とくとくと  時計が歩み

この丸い 蒼明な和に

浮かぶ  空島の影

こうこうと   ゆらめいて

またひとつ  流れていった

一夏の 静けさと 喧騒とが    

どこまでも小さく  遠いところへ

うずうず うずうず

溶けて  流れた

さいごの さいご        

曖昧な 地平面へ

わたしの叫びを 響かせて

一夏の 終わりの 汽笛は

愛しみつつも

その彼方へと 注ぎ込まれた

静かな 或りし夏の夜 

夏を欲し

あいすくりぃむを ひとかじり

夏の冷たさに わたしは ひとつ

涼しい吐息を 響かせて

自業の焦りが

しとしと しとしと 

降りつけ 降りつけ

幾分か あたたまった

この身体を

いつぶりだろうか  冷たくさせた 

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