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定光寺駅近くにある民家の廃墟~なぜ廃墟化したのかを辿る

訪問日:2019/11/24
JR中央線。名古屋を出発し、岐阜県を通過するこの路線には愛知県と岐阜県の県境にほど近い場所に定光寺駅という駅が存在する。この駅は名古屋から電車で30分程度の場所にあるのにも関わらず、山々に囲まれ自然豊かであることから「秘境駅」と呼ばれている。本駅周辺はかつては名古屋の奥座敷として有名で、駅前には(小規模ながら)土産物店などの商店が立ち並び、多くの人々が観光で訪れていたそうだ。しかしながら、昭和40年代に道路事情の変化などで観光客が飛騨や信州に流れるようになると状況は一変。定光寺周辺は観光客が激減し、衰退の一途を辿ることとなった。今日では駅前にある旧老舗旅館「千歳楼」の廃墟が仰々しく存在感を主張し、駅前商店の多くはシャッターが閉まっている。本稿では千歳楼と川を挟んだ対岸にある民家の廃墟に主眼をおいて記述していく。

1.定光寺駅周辺

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JR中央線定光寺駅より撮影
写真左側が定光寺駅のホームだ。定光寺駅は崖の上に作られた駅で、駅に上がるには画像中央の長い長い階段を登らなければいけない。近年ではバリアフリーの概念が浸透し、駅などの公共施設にエレベーターを設置する動きが盛んだ。しかし、この駅にアクセスする手段は写真に写っている階段のみでエレベーター等は一切ない、バリアフリーとは全くもって無縁な駅構造だ。
尚、階段下の通路や駅のプラットホームにはたくさんの人がいることが確認できる。これは写真撮影日が愛岐トンネル郡の公開日(※)と重なったためだ。普段はこの駅の周辺は人がほとんどおらず閑散としている。
※愛岐トンネル郡の公開日・・・定光寺駅の近くにJR中央線の旧トンネルがあり、春と秋に2回公開される。このトンネルは明治時代に作られた文化的価値の高いもので公開日には沢山の人々が訪れる。

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駅から階段下の道路を撮影
見ろ・・・人がごみのようだっっ!!(言ってみたかっただけ)

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下の道路から駅を見上げた様子
駅のホームは崖から微妙にせり出している・・・地震が来たら・・・と考えると少し怖い。それにしてもよくこんな場所に駅を作ろうと考えたものだ。この場所を切り開いた先人に脱帽。

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駅前商店(跡)
駅前には商店の跡地がならんでいる。駅前商店で営業しているのは今日では喫茶店一店舗のみだ。

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喫茶 玉川屋
駅前商店の中で唯一現在も営業している「喫茶 玉川屋」。600円でカレーライスを、650円でハヤシライスを食べさせてもらえる。定光寺駅で降車する時には是非利用したいお店である。2つのテーブル席とカウンター席が少々あるだけの小さなお店だが、テーブルの上に栄えていたころの定光寺駅周辺の写真が貼られていて、廃墟好きの私としては居心地が良かった。

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定光寺駅より撮影
画像右側の大きな建物が廃墟・心霊スポットとして有名になっている元老舗旅館千歳楼だ。そして、千歳楼と川を挟んだ対岸にある茶色い民家、これが今回のメインディッシュの民家の廃墟だ。ちなみに千歳楼がある位置は愛知県春日井市だが画像左端に写っている橋を渡ると同県瀬戸市である。

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旧千歳楼と電車のコラボ
2003年に廃業した千歳楼は2006年ごろから破壊行為や放火によって荒廃が進んでいったという。2012年には建物内から白骨死体が見つかり、廃墟として一層有名になると共に愛知県有数の心霊スポットとしても知られるようになった。現在では建物は侵入者を防ぐために高い鉄製のフェンスで囲まれ、かつ防犯カメラも設置されている。数年前には侵入を試みた高校生が書類送検されるという事件も起こっている。

2.対岸の民家の廃墟へ

本題に入る前に定光寺駅周辺の建物の位置関係が分かりづらくなっているので簡潔な地図を掲載しておく。

定光寺マップ

定光寺駅周辺マップ
上記のマップから定光寺駅周辺の建物の位置関係がご理解いただければ幸いである。ちなみに駅名にもなっている定光寺は駅から徒歩20分位の場所にある。
それでは、定光寺対岸の廃墟を見て行こう。

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こちらがその廃屋である。この廃屋は愛岐道路という愛知県と岐阜県を結ぶ比較的交通量の多い道路の目の前に建っている。
一体どのような人物がここに家を建て、そして、何故廃墟化してしまったのか?インターネット上ではこの民家もかつては旅館であったとか、千歳楼の関連物件であったとか様々な情報が錯綜している。果たして真相はーーー??

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2016年頃から廃墟に関心を寄せる。2018年、実際に廃墟へと趣き、廃墟訪問にハマる。現在はその廃墟がかつてどのように使われていたのか、いつ頃廃墟になったのかを特定することに力を注ぐ。 地域・店舗限定のエナジードリンクを見つけることにもハマっている。自他共に認めるエナドリ中毒者。