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廃墟訪問集

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日本には沢山の廃墟や廃れた場所があります。このマガジンはそんな場所を集めたものです。
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ミニレポ④主を失い崩れ落ちゆく廃民家

とある交差点の信号待ちで、ふと少し遠くにある民家を眺めた時。何か違和感を感じた。最初はその違和感の正体がよくわからなかった。だが、すぐに違和感の正体は判明した。よく目を凝らして観てみると民家の屋根に大きな穴が空いていたのである。 「これは、もしかして、民家の廃墟なのでは!?」 私は胸が高まるのを感じた。 信号が青になったのを見て、私は一目散にその民家へと向かう。その家は誰がどう見ても廃民家であった。屋根には大きな穴が2つ開いており、壁も一部が崩れ落ちて家の中が丸見えになっ

明治の先人の傑作「旧伊勢神トンネル」

国道153号。愛知県名古屋市から長野県塩尻市を結ぶこの国道は場所によって大きく印象が変わる。名古屋市内の国道153号線は片道2車線以上ある非常に立派な道路である。しかし、名古屋市を出て、日進市、東郷町、みよし市を通過し、豊田市に入ると異なった表情が見えてくる。豊田市街地を走っている間はごく普通の道路なのだが、豊田市街地を抜け、山地に入ると車線数は片道2車線になる。そして、観光地として知られる足助を抜けると本格的な登り坂とカーブの連続が続く区間に入る。 今回、私が赴いたのはその

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大都市名古屋の廃墟 松風寮

※本記事中の画像は2019年11月及び2020年5月、12月に撮影したものです。 愛知県名古屋市。日本で生活している人でこの都市の名前を知らない人はいないだろう。名古屋市は人口約230万人の都市で、中部地方最大の都市である。 皆さんは「名古屋市」というと何を思い浮かべるだろうか?私は名古屋の大都市圏の人間なので、名古屋駅近辺のビル群が思い浮かぶ。恐らく「名古屋=都会」というイメージの人も多いのではないだろうか?(名古屋を示す言葉として「大きな田舎」と言われることもあるが、この

【再訪】愛知の大廃墟、千歳楼

関連記事紹介 本記事は下記記事の続編ないし、外伝のような位置づけである。 2018年6月。私は思いつきから愛知有数の廃墟である千歳楼を訪問した。今までもインターネットで廃墟の情報を読んだことはあったが、自分の足で廃墟に行ったのはこれが始めてであった。インターネットで見ていた景色が目の前に現れた時の感動は今でもよく覚えている。千歳楼は私が廃墟に興味を持つきっかけ・・原点だったのだ。 訪問日:2020年5月8日 愛知・岐阜県道15号。この県道は瀬戸市から多治見市にかけての区

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定光寺駅近くにある民家の廃墟~なぜ廃墟化したのかを辿る

訪問日:2019/11/24 JR中央線。名古屋を出発し、岐阜県を通過するこの路線には愛知県と岐阜県の県境にほど近い場所に定光寺駅という駅が存在する。この駅は名古屋から電車で30分程度の場所にあるのにも関わらず、山々に囲まれ自然豊かであることから「秘境駅」と呼ばれている。本駅周辺はかつては名古屋の奥座敷として有名で、駅前には(小規模ながら)土産物店などの商店が立ち並び、多くの人々が観光で訪れていたそうだ。しかしながら、昭和40年代に道路事情の変化などで観光客が飛騨や信州に流れ

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名古屋の忘却の区画「新今池ビル西飲食店街」

0.はしがき 新今池ビル外観 愛知県名古屋市に存在する新今池ビルを私は何度も訪問して来ました。2019年内にビルの全テナントが撤退し、間もなく解体されるであろう新今池ビル。そのビルの地下には名古屋市営地下鉄今池駅と直結している「新今池ビル地下飲食店街」があります。 新今池ビル地下飲食店街の様子 地下飲食店街はこのようにシャッター通りと化しています。しかし、これはこの地下街の一部の姿に過ぎません。多くの人々はその存在に気が付きませんが、新今池ビルの地下には「西飲食店街」なる

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名古屋の廃棄された区画「新今池ビル」

2019年2月27日重要な加筆→新今池ビルが解体決定!?詳細はコチラ ※本記事の情報は2019年5月現在の情報です。(「蛇足資料」を除く) 皆さんは愛知県名古屋市にどのようなイメージを持っていますか?「中部地方最大の都市」「大きな田舎」「名古屋飯」など様々なイメージがあると思います。一般的に名古屋市内でも人気なのは名古屋駅周辺や栄、大須付近でしょう。現在では衰退していますが、今池(いまいけ)や千種(ちくさ)も昔は地下街があり、発展していた時期がありました。 今日は、かつて栄

【閉鎖決定】余命僅かな『新今池ビル』~新今池ビル網羅図鑑~

緊急訪問:2019年2月14日 最終更新:2019年7月12日 ※本記事に使われている画像は注意書き等があるものを除けば2019年2月14日に撮影したものです。 2014年ごろから閉鎖され、立ち入ることが出来なくなっている新今池ビル西飲食店街。この度私はそこに足を踏み入れることを許された。詳細は上記リンクからお読みいただけます。 0.序皆さんは名古屋市千種区今池にある新今池ビルを知っていますか?新今池ビルは名古屋市営地下鉄今池駅の駅前にありながらテナントがほとんど入ってい

廃映画館のある商店街:末広町商店街

訪問日:2018年11月23日 こんにちは、富岡荒迫です。先日は愛知県瀬戸市にある銀座通り商店街についての記事を執筆しました。今回はその銀座通り商店街のそばにある「末広町商店街」についての記事です。 目次 1.末広町商店街 1.1廃パチンコ店 1.2廃映画館 1.3廃パチンコ店2 2.まとめ 1.末広町商店街 こちらの商店街も銀座通り商店街と同様シャッター通りというほどは寂れていませんが、シャッターが閉まっている場所もちらほらと見られるという感じでした。 こちらは夜の

名古屋近郊の異境の地「五色園」の廃墟

いきなりだが、皆様は愛知県日進市を知っているだろうか?日進市は名古屋市の東隣に位置する人口9万人程度の街で、名古屋市のベットタウンになっている。街の規模などで言えばどこにでもあるような規模の町なのだがこの「日進市」には他の市町村には無いものがある。それは「五色園」だ。「五色園」はなんと日本唯一の宗教公園なのである。今回は、その園内にある、「廃墟」が目的だったのだが・・・。 いざ、五色園へ これが「異境の地」への入口だ。道路中央に有料の駐車場などで見られる、料金所のような建

野生化した建物の生息地 古虎渓廃墟郡

愛知県瀬戸市から岐阜県多治見市を結ぶ道路がある。通称愛岐道路と呼ばれる道路だ。庄内川(岐阜県内では土岐川)やJR中央線と並行するように走るこの道路の沿線には沢山の廃墟があることが知られている。岐阜県側から愛知県方面に走っていると、愛知県に入った直後にJR中央線定光寺駅付近を通ることになるがそこには「千歳楼」という2003年に廃業し、荒廃が進む旅館の廃墟がある。「千歳楼」に関しては今年の6月に訪問済みなので下記から見て頂きたい。 この道路を愛知県側から岐阜県側に向けて走ると岐

愛知最強の廃墟「千歳楼」を観る

本記事の公開・加筆修正にあたり,現地に赴くのは勿論,図書館に足を運んだり,インターネット上に存在する貴重な資料を探したりしています。本記事があなたにとって有益なものであれば幸いです。この記事に「価値」がある,そう感じて下さった方は本ページ下部より「サポート」をして頂けると嬉しいです。 【2020/06/14追記】当記事の続編ないし外伝的な位置付けの記事を公開いたしました!詳しくはこちら!! 0.序章2018年6月某日。私の思いつきで行動をする習性はこの日も顕現した。 皆さ