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#1 the diary | "区分"

そこでの日々は地獄だった。障がい者はいじめられる。これは当たり前の事実である。健常者と障がい者。明確な区分がある。僕が障がい者になったのは最近のことである。診断名は広汎性発達障害。学生の頃に障害を患い、卒業後は福祉サービスを受けている。福祉とは本来、人々に幸福を与えるツールである。しかしながら、障がい者の中にも優劣が存在する。当然のことだ。健常者の間に区分があるように、障がい者の間にも区分があるのだ。

僕は劣等生だ。僕が今通っている福祉サービスでは、午前中に講座が実施される。講座ではグループワークが実施されるが、僕はそれが苦手である。思考を言語化する。それが出来ないのである。午後には疑似就労が実施されるが、僕はPC作業が苦手である。詰んでいる。そう思う。

そんな福祉サービスを受け始めてから1年が経過した。日々自分を責めるばかり。こんなに就活が苦しいなんて、思いもしなかった。僕は過去に虐待を受けている。何度も何度も母親に蹴られた。妹は不登校。父親は蒸発。そんな毎日。祖母は自殺し、頼れる者はいない。そんな毎日。僕は気付けば障がい者になっていた。

苦しい。そんな言葉が漏れる。最近は専らストレスケアの本を読んでいる。読書は苦手である。しかしながら、知識が無いと対処できないこともある。苦手ではあるが、克服したい。僕はそう思う。