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#① monogatary | "しろくま商社"

こんにちは。しろくま商社です!

今回は#① "the monogatary"を紹介していきたいと思います。


01 | the monogatary | #01 "あえて歩く"

【プロローグ】

この道は果てしない…。それでも。

【第1章】

<1-1>

学生でいられる期間は短い。ゆえに。日々を大切に生きる。それが私の教訓である。些細な事実。けれど。その積み重ねが未来の自分を形作る。人生100年時代。社会人として生きる時間の方が。学生として過ごせる時間より遥かに長い。モラトリアム。活かすも殺すも。僕次第。

<1-2>

ストレス・パラドックスという概念がある。曰く。適度なストレスは良いパフォーマンスに繋がる。何事も。バランスが肝心である。神奈川県。とてもほのぼのとしている。最寄り駅からバスに乗って通学する。バスは2種類。普通のバス。そして。ツインライナーである。

ツインライナーは途中。南大山駅にで停車する。ここは文化祭の聖地。文化祭の時期になると。私たちは南大山まで移動し。そして。大量の段ボールと共に。学校へと戻るのである。

文化祭。それは文字通り。お祭りである。私が通う学校は。中高一貫校。学年ごとに催しものが異なる。1年の頃は主に装飾を担当し。そして。6年生は演劇を行う。道中は色々と楽しむ。それが我が校のセオリーである。

私のお気に入りはツインライナー。とにかくデカい。そしてカッコ良い。どのバスに乗ることが出来るのか。それは私次第。きっと朝早く通学した方が選択肢は増えるのだろう。しかしながら。つい。私は楽な道を選んでしまう。

友と共に。ギリギリの登校。

他愛ない会話。話題はくだらないことだらけ。時には野球ゲームに熱中して乗り過ごす。あぁ。実に充実している。

そんな毎日。それは普通の日々。学生らしい日々。それが僕にとっては愛おしい。あぁ。世界はなんて素晴らしいのだろう。

<1-3>

カクテル・パーティ効果という概念がある。人が集まれば。会話は弾む。そのような中でも。自分の名前が呼ばれると。つい。反応してしまう。そんな現象である。ビッグデータ時代。私たちはいとも容易く。ネットにアクセスすることが出来る。ゆえに大切なこと。それは緩急である。集中する時間。リラックスする時間。その配分が大切である。

<1-4>

ストレス社会。どんなステージにいたとしても。何かしらの責任が付き纏う。それでも。大切なこと。それは諦めないこと。継続すること。3年間。1,000日。1つの目安である。上手く行けば。今度は5年間と期間を伸ばしていく。私は凡人である。ゆえに。当たり前の努力をコツコツと積み重ねる。


02 | the monogatary | #01 "僕の弱さ"

【プロローグ】

この日々はいつまで続くのか。

アーニャ

【第1章】

<1-1>

あれからどれだけの年月が過ぎたのだろう。私は1人前の大人になれたのだろうか。盗んでは売る。その繰り返し。この富は一体何なのだろうか。分からない。何もかも。何が善で。何が悪なのか。あぁ。どうして私はこんなにも。中途半端なのだろうか…。

<1-2>

母親はいない。私を産む際に亡くなった。父親は知らない。物心ついたとき。私は孤児院にいた。同じ境遇を持った子供たち。そこでの日々は競争だった。たまに現れるお客さん相手に対して。媚びを売る。その結果。引き取られるもの。残されるもの。あぁ。世界はなんて。残酷なのだろう…。

★★★

『進撃の巨人』。完結済みの作品である。本作の主人公はエレン・イェーガー。彼の穏やかな日々。それは鎧の巨人と超大型巨人の襲来によって。突然として木端微塵に破壊される。そして母親は彼の目前で。巨人に喰われてしまう。

この世の何もかもを恨むエレン。そんな彼はミカサと共に立ち上がる。巨人を駆逐するために。ミカサもまた。エレンに窮地を救われた1人。ゆえに。彼女は彼の為に。尽くすのである。

<1-3>

どうやら世間では『スパイ・ファミリー』が流行しているらしい。彼らは皆。自身の素性を隠している。アーニャ。彼女にまつわる謎は多い。孤児院で暮らすアーニャ。彼女は人の思考を読むことが出来る。しかしながら。その能力を他者に隠している。

アーニャは精神科医(本職はスパイ)のロイド・フォージャーに拾われる。彼女をイーデン校に入学させる為。ロイドは公務員(本職は殺し屋)のヨルと疑似結婚を行う。そうして。3人の物語は始まるのである。

★★★

私の境遇はアーニャと似ている。彼女は劇中において。人生を謳歌している。勉学に励む日々。それは辛いことなのかもしれない。しかしながら。彼女にはその頑張りを支える仲間がいる。アドラー曰く。人の悩みの大半は人間関係。それでも。幸せの種もまた人間関係にある。ヨル氏とロイド氏がいる限り。彼女の人生はきっと幸福なのだろう。

それに対して。私はどうだろう。アーニャが笑うように。私も笑って良いのだろうか。否。私は笑うことを禁じられている。お代わりを要求すれば。当然のように非難され。きっと私はまた孤児院を追い出されるのであろう。パンの耳。それこそが私にとっての支えである。毎朝。この食事の為に。私は労働するのである。


03 | the monogatary | #01 "寒い朝のこと"

【プロローグ】

人は繰り返す。その先に栄光があると信じて。

大学


【第一章】

<1-1>

古い記憶を呼び起こす。私が大学生だった頃の話。大学生としての日々。それは苦難の連続だった。本来。高校で蓄積されるべき知識。私はそれを持ち合わせていなかった。ゆえに。ただひたすらに。勉学(理系)に打ち込む日々。ありとあらゆる娯楽を捨て。そのような毎日の連続。遂に。私は壊れた。

<1-2>

人は簡単に壊れる。そして。1度壊れると。中々どうして。元の状態まで戻すことが。かなり難しくなる。不可逆。それが心の病である。
春学期を終える。成績は悲惨。心もズタボロ。私は救いを求めた。インドネシアに。6週間の滞在。それは案外。悪くなかった。それでも。私の傷は永遠と残り続ける。消えない傷跡。あぁ。私はこのスカーと。きっと。人生を共にするのだろう。
人は苦しんだ分だけ。強くなれる。それはある意味では正しく。またある意味では間違いである。作用・反作用の法則。これが成り立つ苦しみであれば問題ない。しかしながら。この法則が成り立たない程の苦痛。それを味わえば味わうほど。人は荒んでいく。ゆえに。大切な観点。それは自身の弾力性。すなわち。キャパシティである。

<1-3>

秋学期が始まる。留年回避のため。私は春学期以上に。自身を追い込んでいく。その先に待っていたのは。不登校という現実である。
不登校。大学生にこの概念が適用されるのかどうか。それは分からない。しかしながら。当時の私はその状態に限りなく近い。思考と行動の不一致。それが私の主たる症状であった。大学に行きたい…。それでも。私は動けずにいた。その行動が意味することを分かっていながら。私は自宅にて。悶々とした日々を送っていた。趣味に逃げる毎日。何が正解なのか。必死に自問自答する。そのような中で。私のストレスは加速する。「このままではいけない」。その結果。私は家出を決意する。

<1-4>

日中の過ごし方。それはいくらでもあった。ゆえに。困ることは無かった。例えば。それは大学の図書館。そこでただひたすらに。自身を追い込む。足りない知識を習得するべく。理系の科目を猛勉強する。1つの問題。それは夜中の過ごし方。大学は勿論。定時に閉まる仕様。

「どこで寝るべきなのか」。"自宅"は選択肢から外れていた。それ以外。お金がかからない範囲で。その結果。私が導き出した答え。それは。"バス停"であった…。


04 | the monogatary | #02 "寒い朝のこと"

【第二章】

衣食住それは生活の基本。

大谷

★★★

<2-1>

人は誰しも。幸福を追い求める。一筋の幸福。それを掴み取るのは難しい。それでも。人は追い求める。たとえそれが茨の道であったとしても…。

(寒い…。やはり夜は冷え込む。)

時刻は2時。多くの者が就寝しているこの時刻。私は日吉のバス停に佇んでいた。孤独な夜。それも悪くない。

<2-2>

思えば苦難ばかりの人生。死と隣り合わせの人生。誰だって。そんな人生を送りたいとは思わないだろう。しかしながら。私には選択肢など無かった。

ただ生きる。それが私に与えられた使命であった。一人で泣くことなど当たり前。それでも。諦めない事。それが私の強みであり。また弱みでもあった。違う道があったのかもしれない。しかしながら。当時の私が持つ力など。微々たるもの。どう足掻いても。結末は同じなのかもしれない。

あぁ…。きっとこれは言い訳 | 傲慢なのだろう…。

<2-3>

「視野が狭い!」

そのように。私は何度も注意を受けた。それもそのはず。とうに。私は限界を迎えていた。毎日。苦痛の水をこぼしながら。それでも。私は歩み続け。その結果が今である。あぁ。なんて。惨めな人生なのだろう。

私の人生に幸福など存在しない。あるのは苦悶の日々。ただひたすらに耐える。私にはそれしか出来なかった。耐えること。それは簡単なように見えて。意外と難しい。私たちは誰しも。心のどこかで癒しを求めている。それほどまでに。この現代はストレスに満ち溢れている。

<2-4>

ストレスを感じること。それは良くも悪くも。大切なことである。程良いストレスは良いパフォーマンスを発揮するためのスパイスである。大谷選手が良い例だ。彼ほど重圧を感じながらプレーする選手は珍しい。1,000億円という大金を手にしてもなお。彼の野球に対する姿勢は揺るがない。

<2-5>

「誰よりも一生懸命に生きて | 笑って。そして…人生を楽しむ」。それが。当時の私の信念。あぁ。実に無様である。もしも。私に2度目の人生があるのなら。私は今と異なる道を歩むのだろう。多くの仲間と共に切磋琢磨し。夢を追いかけ。静かに息を引き取る。それが私にとって。理想の人生。

<2-6>

夢を成し遂げること。それは出来ないかもしれない。それでも。1度きりの人生。ありとあらゆることに挑戦していきたい。多くの失敗を積み重ね。栄光を勝ち取りたい。この欲望こそが。私の生きる指針であるのだから。


05 | the monogatary | #03 "寒い朝のこと"

【第3章】

苦しみ

<3-1>

チャールズ・ディケンズによる『オリヴァー・ツイスト』。100ページ程。読み終えた。冒頭。彼の母は息子を出産すると同時に亡くなる。孤児院での生活を余儀なくされたオリヴァー。そこでの生活は悲惨そのもの。お代わりを要求すれば。たちまち非難される。肥満が問題となっている米国と比べて。その差は凄まじい。

<3-2>

彼の境遇に比べれば。きっと私の人生なんて。大したことないのだろう。そのように考えると。生きる活力が湧いてくる。たとえ。今が辛かろうと。未来は明るい。そう信じてみよう。たったそれだけで。私たちは前向きになれるのだから。

<3-3>

娯楽で溢れたこの世界で。何を求められるのか。順風満帆な人生。そのような世界とは程遠い。多くのものを失い。それでも。私はなぜ生きることに縋るのか。分からない。きっと。その答えを見つける為に。私は悶えているのだろう。自問自答の日々。それでも。天気が晴れれば嬉しい。単純明快。それが人類の良さである。

<3-4>

物事には限度というものが存在する。私たちはそのギリギリを攻め続ける。その積み重ねが。未来の姿を形成する。成長曲線。成長は一瞬。その一瞬の為に。私たちは鍛錬する。努力を積み重ねる。たとえ道中が辛かろうと。そのゴール地点から見える景色は絶景である。

<3-5>

苦しんでばかりの人生。隠すこと。その1点に全神経を注いできた。その選択は間違いだったのかもしれない。結局。人生に正解なんて存在しない。それでも。私たちは努力する。学生という身分を離れてもなお。出来る範囲で自らを磨き上げるのである。

<3-6>

社会が求める資質。きっとそれは。学生に求められるものとは異なるのだろう。学生で得たものが。100%生きる職場は無いのかもしれない。それでも。きっと意味はある。そう信じてみよう。努力すれば必ず報われる社会では無いのかもしれない。長い人生。理不尽を味わうこともあるだろう。そのような中で。大切なこと。それは『葬送のフリーレン』における戦士シュタルクのように。何度でも立ち上がること。この1点に尽きる。立ち続ければ。私たちが真に敗北することは無い。敗北しない限り。私たちは何度でも挑戦することが出来る。綺麗ごとかもしれない。それでも。私たちは皆。何かに縋りながら生きているのである。ある人にとって。それはお酒なのかもしれない。その対象は何でも可である。


06 | the monogatary | #01 "ビーチで太陽浴びたいドラキュラ"

【プロローグ】

ピンチョン。それは我が与えられし名前。「この名前に相応しいドラキュラになること」。それは我が生きる目的。しかしながら。どうやらその道のりは平坦なものではないらしい…。

ビーチ

【第1章】

<1-1>

ドラキュラとしての日々。それは想像を絶するものである。基本的に。我は夜型である。日が沈むと同時に。我の一日が始まる…。

幕開け。今宵の天気を一言で表すのであれば。このような言葉が適しているのだろう。成人式。それが本日の一大イベント。ドラキュラとして生を受け。20年が経過した。20年間。多くの経験と共に。我は今生きている。

~「この役立たずめ!お前なんて産まなければ良かった!」~

幻聴が聞こえる。あぁ。本当に。改めて。我の人生は壮絶なのだと振り返る。それでも。我の心臓は鼓動する。「人は苦しみの分だけ強くなれる」。かつて我の師はこのような言葉をよく発していた。正直。我はその言葉の意味を充分に理解していない。それでも。いつか師の言葉が血肉となるように。我は今日も呼吸を繰り返すのである。

<1-2>

「ドラキュラたるもの、スキルを磨くべし」。それが我が師の口癖であった。スキル…。それは千差万別。ドラキュラの数だけ、多種多様なスキルが存在する。例えば火を扱うドラキュラ。火のスキルは3種類。初級・中級・上級。大抵のドラキュラが持っている火のスキルは初級~中級。火の上級スキルは限られしドラキュラしか扱うことが出来ない。ゆえに。一般的なドラキュラは中級スキルの獲得を目指して精進する。

~~~

「大変申し上げにくいのですが…。この子は生まれつきスキルを持っておりません。"ディスオーダー"。私たちの世界ではそのような子供をこのように定義いたします。」

「スキルが無いですって….。ありえない…!だって次男以外は皆何かしらのスキルを所持しているのに!どうして!?」

~~~

あぁ…。頭痛がする。いつものこと。昔はこのような記憶を思い起こすたび一人で永遠と泣いていた。それでも。今は違う。我には仲間がいる。我の家臣と共に歩むドラキュラ・ライフ。それが我にとっての普通であり。また。日常でもあるのだ。

<1-3>

我には夢がある。「ビーチで太陽を浴びる」。それが我の夢である。その為に。我はこの20年間。同志と共に。日々研究に没頭した。成人式。それは。日頃の成果を示す場である。1人前のドラキュラとして。自らを誇ることが出来るように。我は努力する。「失敗の数だけ成長することが出来る」と。そんな師の言葉を信じて…。


07 | the monogatary | #02 "ビーチで太陽浴びたいドラキュラ"

【第二章】

心理学

<2-1>

この時が来た。多くの困難と共に。我は二十を迎える。

「ピンチョン!久しぶり!」

「ダーチョン!久しぶり!元気してた?」

「もちろん!まあワテは田舎出身やからな~。都会と比べると毎日が穏やかよ。それでも。ワテが育った場所やし…。やっぱ恩返しせんと。」

ダーチョン。我と同じドラキュラ(女性)である。天真爛漫。そんな言葉がぴったり。我はいつも彼女に振り回されている。一見。何も考えていないような表情をしていることが多い彼女。しかしながら。彼女の洞察は鋭い。彼女の話は核心を突くことが多い。それはきっと。日頃の行いが関係しているのだろう…。

<2-2>

我の青春時代。一言で表すならば。それは地獄の日々であった。いじめや体罰など当たり前。そのような教育機関で我は育ってきた。

~~~

「あいつ。また一人でこそこそと弁当食べてるよ。」

「ほんっと。懲りないね~。」

「しかしまぁ。よくもスキルなしでこの学校に入れたよな~。」

~~~

頭が疼く。過去は過去。今は今。「今の行いが未来を形作る」。師の言葉を反芻する。偏見…。ドラキュラの数だけ人生がある。自身の行いが他者から認められない。その程度のことで。くよくよしてはいけない。たとえ1歩下がったとしても。2歩進む。そして。それを繰り返す。我の人生。当然。その物語の主人公は我である。我が亡くなる時。胸を張って「楽しかった」と言えるように。我は己の道を刻んでいくのである。

<2-3>

旧友との再会。心が躍る。我の友人は少ない。それでも。アドラー曰く。悩みの大半は人間関係。しかしながら。幸福の種もまた。人間関係にある。ゆえに。我は縁というものを大切にする。

ダーチョン。彼女は我の救世主である。スキルの未所持を理由として。我は親だけではなく。兄弟姉妹からも。迫害を受けた…。

~~~

「ピンチョン。あなたは勇敢な子。ゆえに。旅をしなさい。世界は広い。たとえこの村があなたを受け入れなくとも。きっと。この世界のどこかに。あなたの居場所がある。」

~~~

師匠の言葉が蘇る。師匠には本当に頭が上がらない。辛いとき。苦しいとき。師匠はいつだって我に寄り添ってくれた。師匠のおかげで。我は今の環境に身を置くことが出来た。ゆえに。我はダーチョンと同様。師匠に恩を返す必要がある。

もう師匠はこの世にはいない。それでも。我の声はきっと届く。「信じる心」。それは時に「魔法」となる。我はスキルを持たない。しかしながら。我には武器がある。どんな状況であろうとも。「諦めない心」。その魔法が我を突き動かす。


08 | the monogatary | #03 "ビーチで太陽浴びたいドラキュラ"

【第三章】

ドラキュラ

<3-1>

ダーチョン「遂にこの日が来ました!皆来るかな~?」

ピンチョン「ね!誰が来るかな~?」

ダーチョン「ドゥルカーあたりは来るだろうね!神出鬼没だけど(笑)」

ピンチョン「たしかに(笑)」

ドゥルカー(男性)。我武者羅。猪突猛進。そんな言葉がぴったり。基本的に。我の人生を彩ってくれたのは…。ダーチョン。そしてドゥルカー。この2人である。いじめから守ってくれたダーチョン。この世界の素晴らしさを伝えてくれたドゥルカー。この2人に出逢えたこと。それは我が人生における最大の幸運なのかもしれない。

<3-2>

~~~

「え~。それでは皆さんには。自己紹介をしていただきたいと思います。このクラスは少人数。少数精鋭。それが我が校のポリシーです。」

~~~

古の記憶が蘇る。我が校は定期的にホームルームという授業が存在する。初顔合わせにて。我は2人の存在を知る。

我の武器とは一体何なのか。他者の場合。それは往々にしてスキルである。基本的に。ドラキュラであれば。10歳の時点で何かしらのスキルを有することになる。初級スキルを身に付けるものが6割。中級スキルが3割。上級スキルが1割といった具合である。上級スキルを所持している者。彼らには特別な権限が与えられる。しかしながら。その詳細は極秘とされている。

ダーチョンとドゥルカー。彼らのスキルは共に中級である。ダーチョンは水のスキル、ドゥルカーは風のスキルを扱う。同じ中級スキルでも。階級というものが存在する。彼らは見習い・弟子・達人という形でカテゴライズされる。我が校に所属する中級プレイヤーは大体。見習いという風に分類される。我が校を卒業するまでの間に。生徒は弟子もしくは達人となれるように。研鑽を重ねていくのである。

<3-3>

ディスオーダーとしての人生。我はその開拓者となりたい。たとえスキルがなくとも。「この世界はこんなにも素晴らしい」と。後輩たちに伝えたい。「ドラキュラ」であること。それだけで特別なのだと…。

~~~

我の家族は裕福であった。父親は上級スキルを所持していた。ゆえに。父親には特別な権限が与えられていた。その内容は。家族でさえ知らない。それでも。産まれたばかりの我は幸せな人生を送っていたと思う。母親は専業主婦として父親を支え。長女は生け花の教室で生計を立て。長男は大工の仕事で身銭を稼ぐ。幼少期の我は傍観者として。ただひたすらに眺めていた。きっといつか。我も彼らと同じように暮らしていくのだと。そう信じて…。


09 | the monogatary | #04 "ビーチで太陽浴びたいドラキュラ"

【第四章】

カーネギー


<4-1>

静寂が辺りを包む。我らの時間が今。目の前に広がっている。
深夜0時を境にして。我らの成人式は始まる。それまでの間。我はダーチョンやドゥルカーとの交流を楽しむ。

忙しさに身を埋没させよう。さすれば悩みなど簡単に蹴散らすことが出来る

カーネギー

我は彼の言葉を信じ。ただひたすらに。自らを追い込んだ。幸いにも。ドラキュラに関する文献は多い。「何かに困ったのなら。その時は。知識を付けなさい。」師匠の言葉である。ゆえに。我は学ぶ。いつの日か。我の知識を知恵として消化することが出来るように。

<4-2>

時は満ちた。成人式の時間である。多種多様なスキルを持つドラキュラたちが次々と集まってくる。今年は豊作なのかもしれない。見るからに強そうな屈強なドラキュラから。美に対する執着が凄そうなドラキュラまで。その外見は実に様々である。
議長(男性)が登壇する。ドゥランダル。それが彼が与えられし名である。多くの伝説と共に。彼は現存する。かつて。我らドラキュラと人類との間には。大きな溝があった。生命として。あまりにも異なる両者。ゆえに。相容れない。それが世界の常識であった。そのような中で。その常識に対して。疑問を抱いたドラキュラがいた。それがドゥランダルである。

~~~

「私には夢がある。いつの日か。私たちドラキュラと。人類との間にある。この大きな溝を。私の力で。必ず。埋めてみせよう。」

~~~

ドゥランダルの言葉である。実際。彼はこの公言を。物の見事に。叶えてみせる。現在。我々ドラキュラと人類は共存して生きている。人類が朝から昼にかけて。ある者は学び。ある者は仕事するのであれば。我々ドラキュラは。彼らが寝ている間に活動する。このようなサイクルのもと。我々ドラキュラと人類は歩み寄っている。

<4-3>

「諸君。成人おめでとう。ドラキュラとして生きる日々。きっとそこには。大きな苦悩が付随しているように思う。それでも。今。この瞬間まで。諸君らが生きているということが。諸君の弛まぬ研鑽を証明している。私たちと人類。そこには依然として。軋轢が存在する。それでも。その距離は。確実に縮まっている。諦めない心。それが私たちの魔法である。たとえ今は実感がなくとも。いつの日か。私たちの歩みは。後輩たちへと引き継がれる。より良い社会。その道のりは茨の道かもしれない。それでも。少しずつ。前進していこう。そこに道はあるのだから。」


10 | the monogatary | #05 "ビーチで太陽浴びたいドラキュラ"

【第五章】

旅は続く。我が生きている限り。

大学

★★★

<5-1>

さて…。これからどうしようか…。

ドラキュラとして生きる日々。多くの挫折を経験してきた。それでも。我は立ち上がることが出来た。そのような意味では。きっと我は恵まれているのだろう。

あぁ…。まもなく夜が明ける。夜が明ければ。人類の活動が始まる。ゆえに。我は偽装する。ドラキュラは睡眠を必要としない生命である。ゆえに。24時間。この時間をフルに活用することが出来る。我はスキルを持たない。しかしながら。我の唯一の取柄。それがこの変身技術である。

大学生として生きる日々。それも案外悪くない。思えば。この国の受験戦争は苛烈である。それでも。勉学こそが。我を繋ぐ唯一の光。ゆえに。我は没頭した。ドラキュラとして身銭を稼ぎつつ。そのお金を受験資金として運用する。それが我の日課である。

~~~

「ピンチョン。時には息抜きも大切ですよ。」

~~~

師匠の言葉が蘇る。息抜き。ドラキュラにとって。これほど難しい課題は存在しない。人類にとっては簡単な事だとしても。我にとっては難しかったりする。息抜きをするために。我は文献を漁った。しかしながら。中々有効な資料が見つからない。悩む日々。それでも。希望はあるのだと。もがく日々。そんな毎日が愛おしい…。

物事には終着点が存在する。永遠など。この世には存在しない。ゆえに。「今を全力で楽しむ」。この思考こそが。幸せへの近道である。今を蔑ろにしてはいけない。なぜなら。この瞬間の積み重ねが未来を形作るのだから。

~~~

「健康を疎かにしてはいけません。衣食住。基礎が固まっているからこそ。私たちは物事を応用することが出来るのです。」

~~~

師匠の言葉はいつだって我を救ってくれる。師匠はもうこの世にはいない。それでも。天国で再会する際に。土産話をたくさん話すことが出来るように。我は今日も謳歌する。多くの時間を要するかもしれない。それでも。上を向いて歩むことが出来るのなら。きっといつの日か…。

<5-2>

大学とは。学びの宝庫である。モラトリアム。ある者はその期間をこのように評する。社会人として。社会に貢献するために大切なこと。その1つが学生時代の過ごし方である。もちろん。勉学に励むことも大事である。ドラキュラであれば。己のスキルを磨くこと。それは至上命題である。しかしながら。我はスキルを持たない。ゆえに。我はスキル以外の武器を身に付ける必要がある。我は生きて良いのだと。証明するために…。


まとめ。


・"あえて歩く"
・"僕の弱さ"
・"寒い朝"
・"ドラキュラ"

4つぐらいの構成だね(笑)
今回の記事は10個の記事を1つにまとめた総集編。

実学の精神。
何事も"トライ&エラー"さ。

★★★

日進月歩。
塵も積もれば山となる。

好きなことに終わりなんて存在しない。
好奇心は無限大。

次回もこんな感じで。日々のインプットを大切に。
適度にアウトプットしていこう。

それでは、また次回!