【連載】IT系の資格ホルダーになる! ~ベンダー資格~ #3
こんにちは。株式会社PlusWordの志築です。
前回はIT系資格の国家試験、情報処理技術者試験について取り上げました。
今回はベンダー試験について、どういった種類のものなのか、取得することでのメリットなども交えて解説していきます。
◇ベンダー試験とは?
ベンダーというのはソフトウェアの供給者、いわゆるメーカーのことを指します。パソコン・スマホを利用しているときには、必ず何らかのソフトウェアを使用していることになります。
インターネットでホームページを見ているときはChromeなどのブラウザというソフトを使用していますし、SNSではLINEやX(旧twitter)、仕事ではExcelといわれる表計算ソフトを使用しています。
それらソフトウェアを開発・販売しているベンダーが、そのソフトウェアの普及を目的として独自の資格を作り運営、合格者に対して「この人はうちの製品の知識を有しています」と証明を行っているわけです。
なので、難易度や範囲、ランク、受験形式、費用などはベンダーが独自に決めているため、かなりばらつきがあるのが特徴です。
前回取り上げた情報処理技術者試験は国家試験という性質上、試験内容に特定の製品・ソフトウェア名が出てくることはありません。そのため、「種まき・水やり」のように即効性がないとお伝えしましたが、今回のベンダー試験は対照的に特定の製品の使い方・知識を対象にしているので、勉強することですぐに役立つ即効性がある資格といえます。
◇MOS◇ ~学生・事務系で人気の資格~
Windowsで有名なMicrosoft Office Specialistの略で「モス」と呼ばれている資格で、ビジネスでもよく使用されている「EXCEL」、「Word」、「PowerPoint」のソフトウェアごと、バージョンごとに資格がわかれています。
この資格を保有していることで、「EXCELなどのオフィス系のソフトウェアをある一定レベルで使える」ということになり、一般的な業務を行う上で問題ない、と判断されることになると思います。
エンジニア向けの資格、というわけではありませんが、今やどういった業種でもオフィス系のソフトを使用しているのでビジネスパーソンとしての必要性は高いといえます。
特に使用場面が多いEXCELとWORDは一般レベルとエキスパートレベルに分かれています。
以下MOS試験の特徴です。
費用は約10,000円~13,000円程度(学割制度あり)
試験は記述・選択式ではなく、パソコンを使用して操作を行う形式
全体での試験も行えるが、自分で日時・場所を選択するCBT形式が一般的
一番の特徴は試験形式ですね。
画面に表示される指示に従い、実際のソフトウェアを操作していく形式です。試験を終了するとその操作結果が自動で判定され、スコアが採点される形式です。(途中で違う余計な操作などをしてしまうと間違いになってしまう可能性があり、ちょっと操作で緊張します)
勉強方法はひたすらソフトを触って、操作感を覚えこむこととなるのでソフトウェアの操作スキルが身につくのが実感しやすいのも人気の理由のひとつかと思います。
また有名な資格で受験できる場所も多く、年間通して受験しやすいです。
◇プログラム系◇ ~言語ごとの資格~
プログラムと一言で表現することが多いですが、ソフトウェアを構築するために使用されるプログラム言語はその性質により、数多く存在します。
最近の有名どころでは、Python(パイソン)が挙げられます。AIを実装するための計算処理と相性がよく注目度が年々高まっている印象です。
それ以外にも代表的なものとしてJAVA(ジャヴァ)、PHP(ピーエイチピー)、C言語(シー)などなど。
これらの言語ごとに様々な種類の認定資格があるので、自分自身のこのあとのプランや配属されるプロジェクトに応じて取得することが多いです。
「今後自分はJAVAを使用するプロジェクトに関わっていきたいので、アサインされやすいように自主的に資格を取っておこう」
「近々PHPを使用するプロジェクトに関わることが予定されているので、事前に資格を取っておいたほう良い」
といった事情から取得しようと取り組むことが多いです。
プログラム系の資格全般に言われることですが、細かい文法の正誤を問われる(見方を変えると重箱の隅と表現ともいえます)傾向が多く、普段プログラミングを行うだけでは身につかない正しい知識が身につきます。
◇その他ベンダー系◇
そのほか、各分野・機器に特化した資格が様々あります。
Cisco技術者認定試験
・・・ネットワーク機器などで大きなシェアを誇るCisco(シスコ)の認定資格です。大きく分類してネットワーク機器や関連設備関連を扱うインフラエンジニアに人気の資格です。オラクルマスター
・・・データベースの分野で大きなシェアを誇るOracle社の認定資格です。Bronze/Silver/Gold/Platinumとグレードが分かれており、Oracle Databaseを扱うエンジニアが積極的に取得している資格です。LPIC
・・・Linuxといわれるサーバー分野でよく使用されるOS(windowsのような基本となるソフトウェア)の認定資格です。Linuxの特徴としてはCUIといわれるコマンド操作がベースとなっており、マウス・アイコンなどを使用せず文字だけの操作となるため、難易度が高めです。(よく映画などで見る文字だけの画面にカタカタ入力しているアレです)。
上記はベンダー資格の一例で、分野・メーカーごとに数多く存在します。
なので、情報処理技術者試験とは異なり、これさえ取っておけば幅広く評価される、という効果は見込みにくいのが正直なところです。
自分自身のキャリアの方向性や業務での必要性を考え、取得プランを立ててみることをおすすめします。