『世界で一番大きな花』ジョゼ・サラマーゴ
虹色で良い香りの花が丘に咲きました。それは男の子が救って、生き返った花でした。
とっても優しさにあふれた心温まるお話で、でも詩的でリズミカルな素敵な1冊でした。♡🌼
ジョゼ・サラマーゴ (1922-2010)はポルトガルの代表的な作家ですが、子ども向けの本も書いたのですね。
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「僕は子供向けの話をどうやって書けばよいのか分からない。昔作ったお話を書く能力があったらな、、。書きたかったけど書かなかったその物語には、小さな村がある。そして1ページ目では男の子が木から木へと飛び移り、、、」という具合に頭の中にある物語を語るという形式でお話が進むという面白い構成。
好奇心に満ちた男の子は村を出て大冒険を始めた。川を越えて、ずっと遠くに歩いていくとそこには小さな丘が。そこに元気のない花を見つけた男の子。
僕よりももっとうまくこの話を書ける人がいるかな。という語りかけでこの本はおわりになる。
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とっても短い1冊だけれど綺麗で優しくて詞的な文章でした。「こども向けの本をどう書けばよいのか分からない」という設定の筆者が本の中でナレーターとして終始登場するのも面白いです。
歩けるようになって色々な事が面白くなるとつい、見たものを追いながら道を知りもしないのにどんどん進んでいってしまうような子供時代。主人公の男の子と違って、自分は知らない道には行かないタイプでした。好奇心の現れはきっとこどもそれぞれ。
元気いっぱいな男の子が見せる素直で勇敢で相手想いな姿は、美しいな、、と。
La Flor Más Grande del Mundoという題名で、スペイン語でアニメーション化もされているみたい。
残念ながら今現在は日本語訳の本は出ていないです。
題名訳:筆者・原題:A maior flor do mundo (2001年初版)
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