分かりやすくユニークな記事で政策への共感を集める。神戸市のnote活用術
noteの担当者に回答いただいたアンケートを元に、自治体がどのようにnoteを運用しているのか、事例をご紹介しています。
今回ご紹介するのは神戸市です。
神戸市は自治体の公式ホームページでは書けないことをnoteで記事にして伝えることで、読者との距離を縮めようと、noteの運用をはじめました。
2022年9月の開設以来、毎月6本前後、多い時は13本の記事を公開しています。どの記事もわかりやすい文章・内容にあった画像の配置・改行のバランスが整った読みやすい記事で、たくさんの人に読まれています。
記事のテーマ設定がユニークな点も、神戸市公式noteの特徴です。
例えば政策について伝える記事では、市民にとって身近で関心を持ちやすいテーマを切り口にしながら、なぜ・どのように取り組んだのかという具体的な背景を語っています。
筆者である職員の個人的な思いも書かれているので、読者が共感しやすい内容になっています。
「地下鉄の駅を丸洗いするところ」のように、普段は見ることができない様子を伝えるテーマの記事も公開しています。ここでしか見られない希少性が、読んでみたいという読者の気持ちを引き出しています。
災害支援の様子もスピーディに記事化し、現地の様子を伝えています。支援で行った事実を伝えるだけでなく、現地に派遣された職員の視点で描かれたストーリーになっているのも、noteならではの記事です。
神戸市公式noteを運用する、市長室広報戦略部の方にアンケートに回答いただきました。
noteを管理・運用している部署名
市長室 広報戦略部です。
noteを活用する目的(運用目的・達成したいこと)
神戸市の公式ホームページでは書けないことを書き、読者との距離を縮めることです。
具体的には、以下の2点を意識しています。
神戸市の施策がうまくいっているのか、そうでないのかをしっかりお知らせする
読んだ人が身近に感じられる文章で、画像や動画も使い、わかりやすいページをつくる
noteをはじめてよかったこと
2022年9月からnoteの運用を開始して、約200本の記事を公開してきました。2024年10月時点で、1記事あたりの平均PV数は7000になっています。
noteは「読んでもらえる文章を書く」スキル習得の場になっています。note proのアナリティクス(β)でPV数を確認できるので、記事を書いた職員の成功体験にも繋がっています。
伸びる記事のテーマ、地域、トピックがどのようなものか、数字で把握し分析できるのもよかった点です。
noteの運用を続けることで、記事を書くために必要な工数やスキル、どのくらいのPV数が取れるのかなど、メディア運営に関する知見がたまってきています。
その結果、記事制作などの受託事業者の提案に対して、価値や見積の妥当性が判断できるようになりました。
今後のnote活用の展望
具体的な予定があるわけではありませんが、自治体同士でコラボレーションしても面白いのではないかと考えています。
noteを運用するうえで大切だと思うこと
職員には無理に書いてもらうのではなく、書きたいテーマを書いてもらったほうがいいと思っています。
その人やその組織しか知らない、深い知識・伝えたい熱量で書いてもらうことが大切だと実感しています。
ぜひ読んでほしい記事
Xで拡散されたこともあり(397万imp)、これまで公開した記事の中で最も見られた記事です。メディアにも取り上げられなかった「神戸の経験は役立たない」というフレーズを全面に出して、好評をいただきました。
神戸市は都心・三宮を中心にタワーマンション規制を実施しています。この決断の裏側にある神戸市の考えを紹介しています。人口減少に向き合う施策として、もっと多くの方に知ってほしい想いで、職員が記事にまとめました。