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蝉の声

夏の日差しの強い日だった。天気が良い昼間。うるさいくらいの蝉の声。

ふしぎだ。だんだんと静かになっていく。周りの音が消えていく中、蝉の声だけがフォーカスされたように少し遠く聞こえてくる。ふと浮かんできた祖父の顔。おじいちゃん、もう疲れたよ。

戻された。なぜだかそう感じた。

ふと気付けば周りの音が戻ってきている。まだ駄目なのか。諦めにも似た感情がわいてくる。心地良い風が髪を揺らした。



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