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『保護者からの質問に自信を持って答える!吃音Q&A』note連載にあたり


吃音臨床の第一人者である菊池良和先生(九州大学病院耳鼻咽喉科)による連載がスタートとなります!

図1

菊池 良和(きくち よしかず)先生
九州大学病院耳鼻咽喉科 助教
(twitterアカウント:https://twitter.com/kiku618

1978年山口県生まれ。耳鼻咽喉科専門医。
鹿児島ラ・サール高校卒業。九州大学医学部卒業。
九州大学大学院医学研究院臨床神経生理学教室で博士号を取得。

現在は九州大学病院耳鼻咽喉科 助教として,日本でも数少ない吃音外来も行っている。全国各地の講演会に招待され,吃音の啓発に努めており,医師の立場で吃音の臨床,教育,研究を精力的に行っている。

著書に『ボクは吃音ドクターです』(毎日新聞社),『エビデンスに基づいた吃音支援入門』,『子どもの吃音 ママ応援BOOK』,『吃音の合理的配慮』(いずれも学苑社),『吃音の世界』(光文社新書)など,吃音に関する書籍12冊。


この連載では菊池先生が吃音症の子どもをもつ保護者に外来で質問を受けるシチュエーションで,2010年〜2020年における50~60本の吃音症に関する海外の新しい論文を交えて,わかりやすく解説していただきます!また,本書を通して吃音研究の指標などもご紹介いただきます。

吃音症を診る機会のある医師や言語聴覚士などの医療従事者,そして吃音の研究者や保護者も読者ターゲットとなっております。

更新頻度は週に1度の予定です。


菊池先生に本連載についてメッセージを頂戴しました!

吃音を診る機会のある医療者が「正しく」診療ができるように,また,「私のクラスに吃音の子がいる」と思っている園・学校の先生や,わが子に吃音がある保護者の方にも「正しい」知識がわかるように,エビデンスに基づいた内容をテンポよくお伝えしていきたいと思います。

この連載では,堅苦しい専門用語ばかりの説明ではなく,私と母親との会話形式で話が進んでいきます。準備に2年ほどかけていますが,まだまだ足りない部分があるかもしれません。大目に見ていただき,分からない箇所などがありましたら,コメント欄に記載していただけると嬉しいです。

これから,よろしくお願いします。


本連載の構成

エントリー編(9の質問)
ベーシック編(21の質問)
アドバンス編(29の質問)
上記の3部構成となります。
このうち「エントリー編」を無料マガジンにて公開いたします。
エントリー編
0:はじめに
1:吃音の始まる時期
2:利き手矯正と吃音の波
3:吃音の自然回復と気づき
4:吃音の3症状,ほどよい緊張と吃音の関係
5:小中高校で困る場面
6:電話ピラミッド,吃音軽減法
7:「ゆっくり話して」という大人,オペラント学習
8:社交不安症とその解決策
9:吃音の自然経過と合理的配慮
ベーシック編
1:吃音の原因は生まれ持った体質が大きいのでしょうか?
2:吃音は遺伝が関係すると聞いたのですが,家族親戚に一人も吃音がいないことはあるのでしょうか?
3:2歳ごろ,育児が大変で母親が精神的に不安定だったから,吃音が始まったのでしょうか?
4:母親が日本語,父親が英語の2言語環境だったから,吃音が始まりやすかったのでしょうか?
5:4歳未満で,吃音の初回診察で軽度ならば治るのでしょうか?重度であれば,必ず治療しないと軽減しないのでしょうか?
6:4歳の時に吃音がある子は,7歳までにどの要因があると治りやすいのか?
7:吃音が治りにくいと判断される年齢はあるのでしょうか?
8:10代まで吃音が続いていると,治ることはないのでしょうか?
9:本人が感じる「治る」・「再発」の定義はあるのでしょうか?
10:本格的ないじめに発展する前に,早期に吃音にともなう不利益を把握する方法はありますか?
11:吃音のある子のいじめ予防の授業の効果を測る指標はありますか?
12:吃音者がカミングアウトをすることで,メリットとリスクはどんなことがあるのでしょうか?
13:カミングアウトをすると,吃音者のQOLが向上する可能性はあるのですか?
14:何歳から吃音を啓発することができるのでしょうか?
15:クラスに吃音の児童・生徒がいる場合,教師はどのように配慮すればいいのでしょうか?
16:16歳で吃音があると,その後の学業,仕事の面で負の影響があるのでしょうか?
17:アメリカでは吃音児・思春期・青年の集まるFRENDSという2泊3日の集まりがありますが,どんな効果があるのでしょうか?
18:吃音のある子は知的に劣っているのでしょうか?
19:うちの子不器用なのですが,タイミング障害といわれている吃音と関係ありますか?
20:吃音児に対して,親の心配度に性別差はありますか?
21:吃音に効く食べ物はないのでしょうか?
アドバンス編
1:成人の吃音者は,訓練前後では脳のどこが変化するでしょうか?
2:なぜ,女児は男児よりも自然回復しやすいのでしょうか?
3:自然回復する脳の変化は見つけられているでしょうか?
4:吃音の原因遺伝子はどこまでわかっているのでしょうか?
5 :吃音遺伝子が関与する脳神経細胞の変化は見つかったのでしょうか?
6 :吃音の動物研究ってあるのですか?
7 :吃音マウスの脳研究はあるのですか?
8:なぜ,吃音は男の子が多いのでしょうか?
9 :外国での吃音治療のガイドラインはあるのでしょうか?
10:リッカムプログラムをする母親の共通する体験について知りたいです。
11 :オンラインビデオ通話診療でのリッカムプログラムは,対面診療と比べて同等の効果があるのですか?
12 :リッカムプログラムができる言語聴覚士が少ないのであれば,グループLPを試してみては?
13 :リッカムプログラム以外の幼児吃音の「間接法」はあるでしょうか?
14 :リッカムプログラム以外の幼児吃音の「直接法」はあるでしょうか?
15:直接法,間接法以外に,吃音に良いと考えられている子育て法はありますか?
16:小学生に有効なエビデンスのある吃音軽減法はあるでしょうか?
17:中高校生に行う引き伸ばし発声のエビデンスはあるのでしょうか?
18:(成人)セラピストとの信頼関係は,治療効果に影響を与えますか?
19:遺伝子の違いで,吃音治療効果の違いを示した研究はあるのですか?
20:脳研究が進んだことにより,脳を刺激して吃音を軽減した研究はありますか?
21:VRを使った吃音研究は始まっているのでしょうか?
22:日本の吃音自助団体「言友会」は吃音者の社交不安の改善に役立っていますか?
23:吃音者の役に立たない考え66項目をまとめたUTBAS問診票の短縮版はありますか?
24:社交不安症の認知行動療法はどうするのですか?
25:社交不安症の治療にインターネットを使ったものがありますか?
26:吃音に対して,海外で承認されている薬はないのですか?
27:吃音に対して薬物療法はありますか?
28:リッカムプログラムとRESTART-DCMでは,費用対効果はどちらの方がいいのでしょうか?
29:吃音者は就職後の収入に差があるでしょうか?


本連載の第0回(はじめに)はこちら



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