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発達障害に気付いてから約1年で障害年金1級&障害者手帳1級を取得してみた(6/28加筆)

忙しい皆様向けの要約

・病院選びとお医者様選びから勝負は始まっている
(担当医との良好な関係の構築に執心すること)
・各種申請は先回りして準備を進める
・病歴・就労状況等申立書の作成時は、「客観性」「具体性」を意識する
・少なくとも半年以上の長期戦になるのは間違いないため、生活資金だけは確保できるようにしておく

はじめに

私は、本当にツイていました。
ついこの前までバリバリに働いていたわけですし、急に身体を壊したわけでもなかったので、働こうと思えばいくらでもできたのだと思います。
ただ今回に限っては、妻と娘との生活の兼ね合いで「このルート(年金取得)が一番都合がいい」と判断しただけなのです。
その結果、たまたま通っただけなのです。

別の見方としては、こんなものもあります。
私の他の記事を読まれている方ならお分かりだと思いますが…。
私にゅららは、論理型&激情型の人間でして。
やるからには戦略的に、そして徹底的に。

目的達成のためなら手段は選びませんし、必要であれば自身の命くらい平気で捨てる人間なのです。
そういった気質が、今回の結果に繋がっているのでは…とも今更ながら思ったりもします。

本記事では、私が具体的に何をやったかについてご紹介いたします。
皆様の参考になれば嬉しいです。

なお、下図は主に職歴、通院歴、及び各種手続きの実行日についての、約10年間のまとめになります。

以降はこちらをベースに解説を進めていきます。

⓪ 発達障害発覚前の話

発達障害が見つかる前については、こちらの記事も参考にしてみてください。

簡単に説明しますと
・一浪の末に島根大学に入学
 ⇒うつ状態により初めての通院
・大学卒業後、就職するも翌年明けに休職状態に
・離職~再就職後、約2年間の安定期間
・転職後、コロナ禍を機にAPD(聴覚情報処理障害)を自覚
 ⇒2021年3月に正式に診断
・APD診断後、背景要因である発達障害を自覚
 ⇒2021年9月に正式に診断

また、先述したルートの話ですが、単純に妻の仕事の都合で娘の世話をする人がおらず、私が仕事のために外出するのが難しかったという話です(保育所も枠が埋まってて厳しかった)。
働くのが難しかったので、この作戦を決行したという背景がありました。

次項から、各種手続きに関する具体的な動きを解説していきます。

① 病院&お医者様選び

発達障害に関しては、前々からAPD当事者同士の会話で頻発していたこともあり、ある程度の調査は済んでいました。
色々と考えてはいましたが、要約するとこんな感じです。

・発達障害ベースで障害年金が通るケースが間違いなく存在する
 ⇒理論上は自分も通るはずだが確定とは言えない
・医者によっては、障害年金や障害者手帳のための手続きを嫌う人もいる
 ⇒win-winで良好な関係を築くための戦略が必要
・申請にはかなりの時間を要する
 ⇒最短ルートで決着をつけないと生活資金が底をつく

ここにおいて、私は各方面に話を聞いて回り、やはり大学病院の精神科は比較的安定しているという結論に至りました。
もちろん、100%当たりではないのですが…。
確率論なので、ここは割り切りました。

まず私は、発達障害支援センターに面談の予約を入れました。
そして、8月末に実際に相談に赴きました。
これの真の狙いは、同施設が主催する医師定期相談会でした。
実際に、翌日の定期相談会の予約まで漕ぎつけました。
(もちろんその場では偶然を装って)

翌日、相談会にて支援センターの方の同席のもと、後に担当医となるA先生(仮)にお会いしました。

・簡単な経歴~相談会に至るまでの経緯
・幼少期~社会人までの具体的な生きにくさ及び対策
・「指示には従う」「各種手続きは自ら行う」という意思表示

相手も人ですから、好きになれない相手の支援はしたくないはずです。
そのため、会社の面接を受ける感覚で周到に準備してきました。
狙いは、自己開示と従順さの提示による好感度の獲得です。
あくまで「必要な分だけ助けていただく」というスタンスを示しました。

これが功を奏したかは分かりませんが、以降A先生にお世話になることになりました。
私としても、第一印象としてはこれ以上ないくらい狙い通りの先生だったので、このルートで話を進めていく決心をいたしました。

② 障害年金の申請

担当医が決まり、以降は月1ペースで診察を受けることになりました。
その月1の診察時の会話で探りを入れた結果、A先生は基本的に障害者手帳・障害年金には協力的な方でした。
この辺りは幸運でした(仮に非協力的なら別の動きをする予定だった)。

満を持して、11月のタイミングで既定の3ヶ月(=障害年金申請の解禁)がもうすぐ来ることを先生に仄めかしました。
そして、来月改めて診断書をお願いすること、また各種手続きは自ら進めることを丁寧にお話ししました。
この辺りはかなり慎重に事を進めていたと思います。

同時期にインターネット(特に下記サイト様)で情報収集を進める中で、やや状況が悪いことを認識していました。
というのも、私は障害認定日の時点で病院に通院していなかったため、遡及請求が難しかったのです。
ここにおいて、私は事後重症請求を本筋に置きつつ、実際に障害年金が通った後に改めて遡及請求に挑む方針を立てました。
(と言いつつこの時点では諦め切れませんでした)

そして、11月にA先生、島大病院のソーシャルワーカーさん、初診の病院、市役所にそれぞれ掛け合い、手続きを進めていきました。
この際、『病歴・就労状況等申立書』というものを作成いたしました。
(私は作成に際し下記サイト様を参考にさせていただきました)

最終的に全ての書類が揃ったのは12月末…つまり、本格的な手続き開始から1ヶ月半後のことでした。
その際、役所の方からも遡及請求は不可と言われ、事後重症請求を行う旨を伝えました。

備考:病歴・就労状況等申立書

結果論ではありますが、私はこの申立書をかなり細かく書いたからこそ1級を頂けたのでは?と考えております。
役所の方では、状況説明の欄は一枠につき3〜5年スパンで記入してくれれば良いと言われました。
単純計算で6〜10枠分になります。
が、私は容赦なく19枠+備考1枠分を記入させていただきました。

記入内容にもかなり気をつけました。
客観性・具体性を意識しつつ、実際に抱えている諸症状や生じた各種トラブルがいかに発達障害由来であるかを論述しました。

※実際の申立書の記入データですが、もし需要がありそうなら、有料(缶ジュース1本分…130円くらい?)で解説付きで載せようかなと考えております。
まだ計画段階なのですが、もしよろしければコメント欄でご意見いただけるとありがたいです。

後日談ではありますが、申立書に関して1つ確信したことがあります。
障害年金の等級は、その人が持つ障害の重さはもちろんのこと、それを正確かつ緻密に表現する文章構成もカギになるということです。

世の中には、私よりも遥かに苦しい思いをしているにもかかわらず、等級が2級以下の方が数多くおられます。
私とその方々に差があるとすれば、それは「どれだけ状況を客観的・具体的に描写出来たか」という点に他ならないでしょう。
表現の差…残酷ではありますが、システムの都合上致し方ないことなのかもしれません。
それでも、納得できないことも多々あったりはしますが。

③ 障害者手帳の申請

年が明けた2022年3月、今度は既定の6ヶ月(=障害者手帳申請の解禁)が経過したので、こちらの申請手続きも進めていきました。
ただし障害者手帳は、障害年金と比べて準備する書類も少なく(実質的には診断書くらい)、担当医のGoサインさえ貰えれば申請できるというハードルの低さになります。
そのため、特段話すこともありません。

強いて言えば、申請直後に障害年金1級の通知が届いたので、手帳の方も1級相当になることだけは分かっていました。
また、仮に手帳だけ2級だったとしても、年金での等級を用いて再申請することも可能であると役所の方から説明していただきました。
ということで、実はこの段階でほぼ決着はついていたのです。

④ 障害年金の支給&障害者手帳の取得

2022年4月に、障害年金の初支給がありました。
また、同年5月には障害者手帳を受け取りました。

プライベートな話になるのですが、初支給までの半年間は生活にかなり困窮し(貯金はあったが、妻方の実家にデカイ金を貸すという想定外の事件があった)、本当に命を対価にしようとすら考えておりました。
本当にそうならなくて良かったです。
文字通り、紙一重の戦いでした。

おわりに

私の計算ミスがなければ、理論上最速のペースで全ての行程を終わらせることが出来たはずです。
戦略的に、かつ徹底的に詰めていった&人生で使える運を全てここで使った賜物でしょう。

もちろん、もっと早く発達障害を診断してもらって、各手続きの申請解禁日を早めれば良かったという見方もあると思います。
しかし、当時の仕事やその他諸々の関係で、離職するまでそれらを行うことが出来なかったのです。
まあ世の中には色々闇が深くてかつ口に出せないこともあるので、お察しいただけると幸いです。

間違いなく、私はツイていました。
最善手を打ち続けるだけでここまで来れたのですから、これを僥倖と言わずして何と表現出来ましょうか?
こんなトントン拍子に行くことはないと思っていただけた方が、精神衛生上良いかと思われます。

今回の体験記が、新たに障害年金及び障害者手帳の申請を目指す皆様の助けになれば幸いです。

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