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2024年11月期 第2四半期決算を発表しました

こんにちは、note(5243)CFOの鹿島です。
このたび、当社は2024年11月期 第2四半期の決算発表を行いましたので、その概要をお伝えさせていただきます。


2024年11月期第2四半期 決算概要

決算ハイライト

FY24-2Qの決算のハイライトは、なんといっても四半期黒字化です。上場以来、売上成長とコストマネジメント強化により段階的に赤字幅を縮小させてきましたが、今回2Qの営業利益が19百万円と、ついに黒字化を達成させることができました。ちなみに1Qと2Qを合わせた上期でも12百万円の黒字で、現時点の数字で通期の計画を超過する水準となっています。

営業利益・EBITDAの推移(FY24-2Q決算説明資料p.5)

売上も主力のnote、法人向けのnote proが堅調に推移し、2Qの売上811百万円(YoY+17.0%)は四半期ベースで過去最高となっています。

業績サマリー(FY24-2Q決算説明資料p.7)

黒字化の要因

黒字化の要因はなにか?一言で言うと売上が伸び、コストがリーンになったことが原因ですが、これでは当たり前ですね笑。

もう少し具体的に説明しますと、noteは元々上場前から一貫して売上は伸びていましたが、費用はそれ以上のペースで増えて(増やして)いました(下図のFY21-22にかけてのあたりです)。noteのコアな価値はプロダクトであり、そのプロダクトを開発する人員を先行投資として積極採用していたのが費用増加の主な要因でした。これは、その当時の事業計画もそのようになっていましたので、赤字自体がある意味で計画に沿ったものでした。

業績サマリー(FY24-2Q決算説明資料p.10)
業績サマリー(FY24-2Q決算説明資料p.13)

将来の成長を見越して良い人材を先に確保しておくという当時の考え方自体は必ずしも間違いではなかったと思いますが、その間にアメリカの利上げ・それに伴う株式市場(特にグロース市場)の下落などのマーケット環境の変化があり、先行投資を理由とした赤字が許容されにくい外部環境となりました。

この環境変化を受け、当社も上場後のFY23にコストマネジメント強化を掲げ、採用の抑制、人件費以外の費目も含めたコストの合理化に取り組んできました。これによってリーンなコスト構造となり、また先行投資で確保していたコストの規模に売上が追いついてきたこともあり、このたび黒字を実現することができました。

なお、現在は成長投資のため採用を再開しておりますが、収益性を重視する意識は変わっておりませんので、売上高に対する人件費率を睨みながら当社のサービス向上・企業価値向上に寄与する優秀な人材を厳選して採用をしていく方針です。

主要KPIの推移

主力のnoteのGMVは4,175百万円(YoY+25.9%)。1Qと比べると僅かに下がっているのが気になるかもしれませんが、元々noteは毎年1QにGMVが伸びやすく、それに比べて2Qは1Q対比で微増もしくは微減の年もありますので、例年どおりの傾向と考えております。今年は1Qに大規模なポイントキャンペーン(1Q決算説明資料でお伝えしている24百万円のnoteポイントキャンペーン)があったことを踏まえると、そのような大規模キャンペーンがなくなっても2Qに同水準のGMVを達成できたことは、悪くない推移と考えています。

GMVの推移(FY24-2Q決算説明資料p.15)

法人向けのnote proは、ARRが初の5億円超となる505百万円(YoY+21.5%)、有料契約件数も1Qから16件の純増となる739件となりました。契約件数は1Qは一過性要因で減ってしまったのですが、2Qで再び増加に転じ、今後もしっかりと積み上げていきたいと思います。

直近の取り組み

直近の取り組みとして、3つご紹介させてください。

クリエイターの創作活動を支援する子会社 "Tales & Co." の設立

子会社 "Tales & Co."の設立(FY24-2Q決算説明資料p.32)

5月に昨年のAIに続き2社目となる子会社 "Tales & Co." を設立しました(「テイルズアンドコー」と読みます)。noteからはこれまで確認できるだけで280以上の作品が書籍化されたり、さらにはテレビドラマや映画化された作品も生まれています。noteと連携している出版社やテレビ局などのメディア、コンテンツ会社からも、noteが新しい才能・作品の発掘の場として期待され、実際に活用いただいています。

そのような歩みをさらに進め、クリエイターやメディアのみなさまとより密に連携しながら作品のポテンシャルを最大化させるべく、企画・作品づくりに携わる会社として設立しました。

いつもIRの説明会などで申し上げているのですが、日本のコンテンツは世界に通用する、日本の産業の中でも非常に競争力の高い分野だと考えています。クリエイターとコンテンツのプラットフォームであるnoteが、この分野で日本の創作をさらに後押ししていきます。

PayPal決済への対応

世界に通用するといえば、6月にPayPal決済への対応も開始しました(noteの決済にご利用いただけます)。海外のクレジットカードだと決済ができないことがありましたので、海外のユーザーの方から要望が大きかった機能です。

PayPay決済開始(FY24-2Q決算説明資料p.33)

足元の円安などもあり世の中ではインバウンド需要が注目されています。noteは現状日本語だけでサービスを提供していますので、日本語を読めない海外ユーザーが多いというわけではないのですが、購入しやすい決済手段を追加することで、グローバルの需要も取り込んでいきたいと思います。

note proの機能強化(求人表示機能、CMS機能)

note proの機能強化(FY24-2Q決算説明資料p.35)

法人向けのnote proもどんどん機能を拡張しています。4月にリリースした「求人情報表示機能」は、企業が人材の採用業務で使う採用管理システム(ATS)と連携して、求人情報を自社のnote上に一覧で表示できる機能です。

実はnoteは採用文脈でもよく使われています。noteというプラットフォーム自体にたくさん人がいて多数の候補者にアプローチできるほか、候補者の側からも、応募や採用プロセスの過程で企業の雰囲気や働く人の人となりを知ることができる場として活用されています。人手不足の時代、企業は選ぶ立場でもあり選ばれる立場でもあるので、情報発信を積極的にして候補者に興味を持ってもらう必要があります。候補者は選考を受けている会社のnoteは当然読みますから、noteで発信することで採用活動を通じて候補者のエンゲージメントを高め、内定承諾率を高めることにもつながります。

こういった背景を踏まえ、求人に関する機能アップデートを出した次第です。これからも顧客のニーズに合わせ、随時機能追加を行なっていく予定です。

業績予想

上期終了時点で営業利益は12百万円と、通期計画(▲80百万円)を超過する水準ですが、通期の予想は期初に発表した数字を維持しております。

通期業績予想(FY24-2Q決算説明資料p.27)

「上期が黒字なのに修正しないの?」と思われる方も多いと思います。これについては、期初にお出しした業績予想の戦略投資の前提が変わっていないため、というのが回答となります。

通期業績予想(FY24-2Q決算説明資料p.28)

今回、上場後初の四半期黒字化ということはシンボリックなのですが、上のイメージ図のとおり期初の時点で戦略投資を除けば黒字になることは見えていました。実際には、今期は中長期的な成長を見据えた新規事業等への戦略投資も行う想定のため、通期の予想としては赤字として開示を行なっています。上期は黒字着地となりましたが、直近の取り組みでご紹介した子会社 "Tales & Co." のように、noteのエコシステムの拡大や新規事業への投資は下期にかけても引き続き行なっていく予定です。このような投資の前提が期初から変わっていないため、業績予想も据え置いております。noteのエコシステムの拡大や、AI、Tales & Co.などの子会社を含めた新規事業の拡大を通じて、中長期にわたり更なるグロースを実現していきたいと考えています。

通期業績予想(FY24-2Q決算説明資料p.44)

今後のIRイベント

今後のIRイベントとして、今週末7/13(土)に湘南投資勉強会 様の個人投資家向け勉強会に登壇します。今回の2Q決算を踏まえた、最新の状況を私(CFO鹿島)よりご説明差し上げますので、ぜひご参加ください。

参加のご登録は以下からお申込いただけます(無料)

各種開示資料はこちら

FY24-2Q決算で開示した資料は以下になりますので、合わせてご確認ください。

当社IRサイト内、「IRライブラリ」に掲載しております。

https://ir.note.jp/library

IRに関するお問い合わせ先

決算に関するご質問やIRの取り組みに関するご意見・ご感想等、IRに関するお問い合わせは、下記の問い合わせフォームよりお願いいたします。

https://ir.note.jp/inquiry

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上場企業がnoteで発信するIR情報をまとめて見ることができる「IR note マガジン」を運営しています。適時開示やIRサイトでは十分に説明しきれない各社の取り組みについて発信されていますので、ぜひこちらのマガジンも併せてご覧ください。

https://note.com/notemagazine/m/m530d4bde968b

新規参加も随時受け付けています。参加を希望される上場企業さまは、弊社IR問い合わせ窓口よりご連絡ください。

終わりに

約一年半前に上場した際、元々予定していた赤字上場でしたが、スタートアップ冬の時代の影響で赤字が許容されづらい外部環境になっており、「noteって本当に利益出るの?」と多くの投資家の方から質問を受けました(逆にそれ以前は投資家の方々も含め「どんどん赤字を掘って成長していこう!」というマーケット環境でした)。

経営陣としては上場後のnoteの成長性・ポテンシャルにまったく疑いはありませんでしたが、いかんせんトラックレコードがない状態では自信を持ってnoteに投資をいただけなかった投資家の方も多かったのではないかと思います。そこで、とにかく外部に見える形で収益性を改善させていこうと考え、この一年半取り組んでまいりました。結果、毎四半期ごとに赤字幅を減らし、ついに黒字化を実現することができました。これもひとえに普段からnoteをご利用いただいているクリエイター・ユーザーのみなさま、noteの可能性を信じて投資してくださった投資家のみなさまのおかげで、大変感謝しております。

四半期黒字化はようやくスタートラインに立ったところだと認識しています。クリエイターにとって心地よい空間をつくりだし、サービスをさらにひろげていく。それらを通じて事業を拡大させ、企業価値を向上させて多くの投資家の方々からも選ばれる。そんな会社とサービスになるべく、これからもがんばっていきます。

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