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慣れと余裕

凄いのは分かった

 今日、自身二度目の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観てきた。一度目は公開してすぐ観たものの、理解が追いつかなかったのと後半のヤマト作戦からの畳み掛けと演出が、予想とのギャップが大きく半ば拒絶反応が出てしまった。

元々、あまりSFや特撮というものがあまり好みではないというのもあって、初めて観た際、ヤマト作戦のBGMがどうしてもマッチしていない印象があり、新2号機と8号機が『破』で覚醒した初号機が出したエネルギー体のようなもので巨大なドリルのようなものを使ってMark.7の群体を突破するシーンなど、今までのエヴァにないファンタジー感がどうにも馴染めなかった。


あれ?大丈夫だ

 しかし、慣れというのは恐ろしいもので、一度目の今回はあれほど強烈に感じていたギャップが消えていて何の拒絶反応も起きなかった。

 一度観ていたこと、更にこの考察動画を発見し情報の補完を行う期間があったことで、今回はかなり余裕を持ってキャラクターの細かな描写やストーリーに集中して観ることができた。

以下に紹介する動画は、エヴァの考察の中でも事実の積み重ねから的確な考察を行っていると思う。
考察結果に無理が生じておらず、またメタ演出についてもしっかりとした解説がなされていて、庵野秀明作品をよく知らずエヴァだけしか観たことのない人は、理解できなかったと嘆く前にこの動画を見て今一度、劇場に足を運んでいただきたい。

発見?

考察動画など様々なサイトなどを巡っても今から書くことはあまり見受けられなかったが、ヴンダー甲板上からのシーンの多くは旧劇場版である『Air/まごころを君に』を踏襲しているであろうシーンが多く、個人的には嬉しい。あえてこれまでのシーンをオマージュし、変化をつけることによって、『シンエヴァ』がこれまでのエヴァンゲリオンに決着をつける意図を感じることができる。

具体的なキャラクターを挙げると、まずリツコさんである。
旧劇場版ではゲンドウに銃を向けMAGIと共に道連れにしようとしたものの、カスパーに裏切られたことによって逆にゲンドウに撃たれていた。がしかし、今回登場するやいなやゲンドウを躊躇なく撃っている。

そしてゲンドウ。
旧劇場版でも、新劇場版でも、ゲンドウはシンジに対して「済まなかったなシンジ」と謝罪の言葉を口にしている。この後、初号機によって食い殺されているのが旧劇場版で、シンジを置き去りにした駅のホームを引き返し抱き抱えて言ったのが今回。お互いがお互いと向き合えなかったのが、対峙し、互いが分かりあえた上での謝罪であるというのが変化である。

シーンで言えば、旧劇場版では初号機がロンギヌスの槍を取り込み生命の樹となっていたが、初号機ではないが今回もそれが写っているシーンがある。また、旧劇場版では最後、量産型が自ら槍で貫くシーンがあるが、今回は初号機と13号機(ユイとゲンドウ)である。

エヴァイマジナリー(旧劇場版での巨大綾波)が出現してからのアディショナルインパクトのシーンは、言ってしまえば「アップグレードされた旧劇場版」とも言える。

総じて言えるのは、「これで、本当に終わったんだな」ということである。


泣きそう

 さて、そうして余裕が出来、今まで通り作品に集中できるようになった今回、シンジやゲンドウ、レイやアスカなどキャラクター個人の心情の変化をしっかりと観ることができた。それぞれに感情移入するとこれを書いている今も、嬉しくも悲しくもなり泣きそうになる。

メディア化し販売が始まったらすぐさま購入し、何度も視聴し、何度も泣きそうになるんだろうな。

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