キャッシュレス化、キャッシュレスか?

素晴らしきかなキャッシュレス!

 「キャッシュレス」。今や当たり前の言葉。どこにいても聞かない日はありませんね。ファミリーマートやdocomoなど大手企業やLINEも続々と参入し、日本には多くのキャッシュレス決済サービスが存在しています。

 もし完全キャッシュレス化すれば、少なくとも市場経済の高速化は図れますし、横領やスリなどの現金があることで発生しうる事件に対しても迅速な対応やその資金の無効化・補填、確実な徴収が可能になるでしょう。情報化が進むということは、「その情報は必ずどこかに存在する」ということですから、そういった面であらゆるコストを劇的に減らすことができますから、そう遠くない未来でほぼ完全キャッシュレス化をする国も現れると思います。

 しかし、それは少なくとも日本ではないし、不可能だとも考えてます。それはなぜなのかを今から書いていきます。



「平和ボケ」?言ってろ

 よく「日本人は平和ボケしている。もっと危機感を持て」と言われたり言っている識者を見たりしませんか?特定の面に限ってい言えば確かに一理あると思います。その最たるものは国防ですかね。本筋から逸れそうなのでこれはここまでにして、もっと身近な平和ボケとして「日本は荷物を置いたまま席を離れても誰も盗まない。海外だったら直ぐだ」みたいな事を何故か誇らしげに言う人間がいますが、意味がわかりません。それだけ治安が良いということの方を誇れないんでしょうね?本来であれば世界が「平和ボケ」の状態であることが理想ではないんでしょうか?

 世界は日本に比べ桁違いに治安が悪いです。イタリアではスリが多く、南米、アフリカなどはまず良いとは言えません。つまり、現金を所持すること自体がリスクになるのです。それ故、アフリカでのキャッシュレスの普及率は8割程だと記憶しています。
もうだいぶ前からの話ですが、銀行や企業が現金を保有しないようにしているのはコレが理由の一つです。

 ならば、世界的に治安が良い国であり犯罪率が低い日本は、キャッシュレス化の緊急度が低く、整備度合いにも地域差が出て普及率に大きく影響してしまっていることが要因の一つであると考えます。



海にすら行かない自分

 僕は海が好きではありません。理由としては、泳げない(スペース的な方で)上に、そうなるとやることがない、というのが主な理由です。ぶっちゃけ、海水浴ってないするんですか?どなたか教えてください(笑)。俗に言う「流行の波」を実際の「海の波」に置き換えた場合、僕はまず様子を眺めて入りたくなったら入るタイプの人間なので、流行も把握はするけど実践するかどうかは別問題というスタンスです。人から見れば「ハスリやがって」と思われるかもしれませんが、流行は海の波のような自然発生的なものではなく、人工プールの作られた波のような人為発生的なものがほとんどだと思っていて、そうなると乗る気は全くしないですね。
加えて、流行って乗らなくても生活していれば乗っているのがほとんだとも思っていて、例えば「ファッション」をとってみても、僕はファッションはよく分からないですが服は買いに行きます。その際の選び方は、自分に合っているか、適当にコーディネートしても大体まともになるかの二点が重要で、流行は二の次です。しかし、基本的に服屋って大体流行に沿ってますから勝手に乗ってることになります。生活環境の影響もあり、よく行っていたのはRight-onですが、「Right-on」って「最先端」って意味ですしね。

 そう考えると、流行を取り入れるのではなく、流行と自分の環境の積集合を取るのがストレスのかからない時代の乗り方なんじゃないでしょうか。時代の流れは津波のようなものですから、それは抗いようのない現象だと考えて行動するのがこれからの生き方かと考えています。



電子決済≠現金払い

 さぁ、そんな訳で僕は未だにキャッシュレス化が進んでいません(笑)。それには、今のキャッシュレス化に対して個人的に不満が多いというのも理由としてあります。

 不満点としてまず挙がるのは「電子決済サービス。それだけで生活してるわけじゃねぇよ問題」です。
実店舗での決済はどこもかしこも大体のサービスには対応しているのですが、Amazonではサービスでの決済ができないのでその時点で選択肢に入らなくなります。これはまだ、クレジットカード決済でキャッシュレス化できますからいつか解消できるでしょう。

 2つ目は、「ポイントカード発行店等の各企業が囲い込みだした問題」です。
今日本には多くの電子決済サービスが乱立しています。その中でも「Tマネー」などのポイントカードだったサービスが電子決済サービスに参入した例をとってみましょう。これで支払いをするとTポイントも貯まるシステムですが、それを活用するには生活をそれが利用できる店舗やサービスを中心とした生活が必要になってきます。多くの人々はそれだけで生活することは難しいでしょう。更にLINEが運営する「LINEPay」やZホールディングスが運営する「PayPay」(ていうかLINEの母体のネイバー社とYahooとSoftbankが経営統合してZHDになったけど、どうなってんだろう)などのIT企業によるサービスは、使い方に大きな差はないですがモノによってクレジットカード決済はできなかったりもしますし、やはり全企業で使用できるかと言われればそれもできません。そうなると「この店でキャッシュレス決済したければ、コレを使え」ということになり、アプリが増え財布の中のポイントカードと同じ状態になることも無きにしもあらずかと思います。(まぁ大体はカバーできますけどね)

 最後は、「電子マネーに現金以上の価値がついてる問題」です。
お金は大事です。大事ですが、基本的に誰でも持てる上に気軽に使えます。つまり、所有や使用することに対してハードルが低いと言えます。ですが、電子マネーになると、まず財布代わりの端末が必要となりその時点で中々な人数が越えられません。更に、その端末を財布同様に使いこなせる(スムーズに電子決済機能を利用できる)かと言われれば出来ない方が大多数存在しています。現金は取られる・落とすなりしても現金分の損失で済む事が多いですが、端末となると可能性はかなり低いですが、多額な上に大勢が損失を被りかねないため現金以上にセキュリティを必要とします。そうなると電子決済サービスの利用には結構なハードルが存在し、最初に書いたとおり電子マネーに現金以上の価値がついているという状態になります。



アナログなデジタル

 僕が中学卒業して最初に買い与えられた携帯はスマホでした。ですが、それまで「カッコいいな。欲しいな」と思っていたのはガラケーです。子供からすれば、あのスマートなガラケーがものすごく大人な物でした。多分、そのきっかけは『仮面ライダー555(ファイズ)』でしょうね(笑)。ベルトも買ってもらったくらい観てましたから。

スマホ(特にiPhone)が爆発的ヒットし始めたのは僕の中学生だった頃が大きな時代の転換期だったと思います。その頃には、そういった電子デバイスが好きになっていたので、カッコいいなと思いながらスマホに馴染んでました。同時に、「携帯って高いな」とも感じていました。そして、およそ2年周期でアップデートが打ち切られるなど、バッテリー面やセキュリティ面から買い替えが半強制的に行われるので「維持って大変だ」と機種変時に思いました。

そうすると、前述したものの結論としては「比較的安価に誰でも入手が容易で、煩雑な操作(財布の中の小銭探しや、スマホの電源オンから決済画面表示まで)が無い手段」がキャッシュレス決済の究極形ではないかと考えました。そのデバイスは、人類はもう開発し普及済みのものです。

そう、カードです(・∀・)v

 さらに言えば、デビットカードですね。あれこそ究極の財布ではないでしょうか?理想的には、「基本はデビットカードで発行し、未成年のクレジット機能搭載は許可制。各社のポイントカード機能はハガキ申請やウェブ申請することによって後付可能」なカードです。これによって、キャッシュレス決済の普及が進み、かつ今までの不満を全て解消できるのではと考えています。
なんだか「多様化し煩雑な世界を、一つに集約しみんな別け隔てなくしよう」みたいな発想が人類補完計画じみてて、我ながら苦笑せざるを得ません。なんだろう、エヴァの見過ぎですかね(笑)。しかし、電子マネーが現金同様の使用感に近づかない限り、日本でのキャッシュレス化は進んでいかないのではないかと思っています。

 死ぬ前までに実現しないかなぁ…。

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