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ジブリ「君たちはどう生きるか」を今さら鑑賞した話。

夏頃、梅原裕一郎のラジオを聴いていたら
「君たちはどう生きるか」を観てきたと
話していた。

ネタバレをしないために物語については
触れていなかったが、彼がいうには、
面白かったとのこと。
そして、とにかく絵が綺麗で、セリフがいらないくらい描写が良かったと言うことで、
ずっと気になっていた。

7月に公開された映画だが、
まだギリギリ上映されていたので
友人と鑑賞してきた。

鑑賞後の感想としては、
梅原さんが言っていた通り絵が
本当に綺麗で最高だった。
動きや表情はもちろん、背景の絵も美しく、絵画を見ているような気持ちになった。
とても感動した…。
物語の感想としては、めっちゃ面白かった!というより、「ん、で、それで、どうなったんだ?」と不思議な気持ちになった作品だった。
後から色々これはこういう意味だったのではないかとか友人との考察も楽しめた。
そう言う意味では面白い作品だった。

小さい子供も鑑賞していたが、
お母さんと難しいお話だったね〜と
会話しているのが聞こえた。
そうだね。難しかった。

きっかけはどうであれ、
良い作品と出会えたことに感謝。
梅原裕一郎さん、ありがとう。

ここから先は、
作品の中身について触れようと思う。
ネタバレなので見たくない人はここで離脱!






私の記憶の限りのあらすじと感想↓

物語は戦時中の病院の火事から始まる。
そこで、主人公である眞人の母親は亡くなってしまう。

火事になっている病院へ、人混みをかき分けて向かう眞人の必死に走る様子を幻想的に、かつ、切なく描かれていた。
炎の描写がとても綺麗で、怖かった。

そこから、亡くなった母親の実家に向かう眞人と父親。
亡き妻の妹と再婚するようで、すでに父親との子供もお腹にいた。
お腹に赤ちゃんがいるのよ、とお腹を触らされる眞人のなんともいえない表情。
(まだ母親の死も受け入れていないであろう小さい子供に酷なことするなぁと思った)

亡き母親の実家に到着すると、
出迎えてくれたのはポスターに登場しているアオサギ、そして、使用人の小さくて可愛いおばあちゃんたち。
おばあちゃんたちが絶妙に奇妙で可愛い表情と動きをするのが良かった。

広いお屋敷の広い庭には、
大叔父様が建てた不思議な塔が建っていた。
アオサギに導かれるように眞人は
その塔に辿り着く。

使用人たちに近づいてはだめだと言われるが、
この塔がまた不思議な魅力ある
素敵な塔なのだ。ハウルの動く城みたいな。

ある日、義理の母(母の妹)が行方不明になる。
眞人は、塔の方に行ったのだと、
おばあちゃんの制止を無視して、
塔の方へ向かう。
そして、アオサギに導かれ
おばあちゃんともに塔に入ることになる。

ここからジブリワールド満載な
不思議な物語がはじまる。

塔の床に吸い込まれて、
たどり着いた先には、大量のペリカンと、開けてはいけないと書いてある扉、そして、海。

物語の思い出しばかりになってしまったが
この塔から引き込まれた不思議な世界での話が始まる。綺麗で幻想的でありながら、死者ばかりがいる世界。そして、命の根源みたいなのが生まれる世界。
ここが今回の物語のメインだ。

タイトルの「君たちはどう生きるか」
生き方について問われるタイトルだ。
タイトルの通り、
生と死について考える作品なのだろう。

母の死、
残された息子(主人公)、
新しく生まれる命。

残された眞人がどう生きるのか。

不思議な世界では、
ペリカン、オウム、アオサギと、
鳥がたくさん描かれている。

ペリカンは、この世界で生まれる命の根源みたいなものを喰らう。食べるものがこれしかないらしい。
オウムは、敵みたいな存在で眞人たちを喰おうとする。2足歩行で、たくさんいて、カラフルなのに絶妙に怖い。
アオサギは、この世界に連れてきた鳥。口の中から人の顔が現れて、喋り出す奇妙な鳥だ。

なぜ鳥なのだろう。
鳥が人の命を脅かすイメージはないし、
だからこそなのだろうか。

それにしても眞人は、
小学生なのにめちゃくちゃ落ち着いているし、
状況把握が早い。
さすがに、スっと現状を受け入れすぎじゃない?と心の中でツッコミを入れてしまった。
変に大人びている眞人が、不思議な世界で人として成長する物語なのだろう。

この世界で、火事で死んでしまったはずの母親が若い姿で火を操る巫女となっていて、オウムに食べられそうになっている眞人は間一髪助けられる。
そのあと、母が作ったパンを無邪気に頬張る眞人は唯一子供っぽく見えたシーンだった。

自分が母親だと名乗った訳ではないはずなのに、母が生前作ってくれたパンの味を思い出して自分の母だと気づいたのだろう。
ここでも、眞人は無邪気にパンを食べるだけで、母に会えたことで感動して泣いたりしない。ただ、その事実を理解しただけの様子だった。(クールすぎないか?笑)

不思議な世界の住人となった大叔父様が
自分役割を引き継がせたいがために
この世界に呼び出した世界で大変な目に遭うが
眞人はしっかり断って、自分の元いた世界に戻るというのだ。(この世界には母がいるのに)

この世界に生きる母と別れ、
自分のいる元の世界で生きると決心して戻っていく姿はどこか清々しい様子でもあった。

不思議な世界が崩壊して、塔も崩れ落ちる。

大叔父様なぜこの世界を引き継がせて、
存続させようとしたのだろう。
塔の中の不思議な世界が崩壊することで
眞人たちが生きる世界にどういった影響があるのだろう。

結局は、大叔父様の我儘みたいなところなのだろうか。寂しかったのだろうか。
鳥と死者ばかりの世界。
不思議な世界がなくなっても、眞人はしっかり生きていたし。眞人たちが生きる世界にも影響はないように見えた。

大叔父様の真意がわからないまま、
終わってしまったのが少し残念だ。
もしくは、私が汲み取れなかった
のかもしれないが。

ざっと物語と、その感想を書いたら
すごい量になってしまった。

本当にいくつになってもジブリの創る世界は
美しいし、心惹かれる。
名古屋のジブリにも行きたい…。

今後のジブリ作品も楽しみだ。


長文最後まで読んでくださり
ありがとうございます。

eri

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