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【読書】「子どもの難問」野矢 茂樹(著)

むしろ、心の中に誰にも知られない思いを持っておく方が大切だ。それこそキミの個性だから。誰にも見えない心の奥でキミは自分を育てている。そしてそのヒミツの一部をごくわずかな人に伝えることで、キミは濃淡のある人間関係をつくれる。

本文より

誰しもが一度は抱いたことのある素朴な疑問に、哲学者たちが平易な言葉で回答するというもの。ここでの難問とは、大人から視た「答えずらさ」や「不明確さ」といえる。

質問自体は実に平易で根本的なものばかりだが、実際のところ私を含めた多くの大人は、そんな素朴な問いを前に当惑してしまうだろう。本質的であるが故にどう考えたらいいのかが分からない。

最近では、「思考停止」という言葉が多く聞かれるようになった。物事を考えたり、判断することをやめてしまうことを指す。使うにせよ、使われるにせよ好まない言葉であるが、その原因の一つは、わたしたちが日々の生活の中で問いを抱かなくなったことにあるのではないか。

問いを抱きはじめたからといって直ちに答えが見つかるものではない。けれども、自分なりの答えを見つけていけば、いつしかそれが誰かの役に立つ日がくる。少なくとも私はそう考えている。

ぜひ本書の哲学者と一緒に、かつての問いを考えてみてはいかがだろうか。

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