あちらのお客様…から?
少し前にね。
👆のおもしろ動画を見つけたので書きました。
そしてなにげなくnoterさんの投稿を見ていると
花咲ありすさんの👆の記事を見つけました。
ハラハラドキドキでとても面白かったのです😊。
でまぁ自分も似たような経験があったので
今回はそれを物語風にまとめてみようかと(笑)。
一つだけお断りしておきます。
花咲ありすさん、ごめんなさい。
同じサムネを使わせていただきます。
ではしばしお付き合いください。
あれはこれから暑くなる季節の少し前
よく通っていたBARのイベントでの出来事。
BARは少し古びた外観と心地よい葉巻の薄い香り。
元自衛官あがりの屈強なマスターがやっている。
ピリッとした正装に彫りの深い顔のマスターは
City Hunterの海坊主を抜き出したような人。
見た目はイカついけれど人懐っこさは人一倍で
誰が見てもBARテンダーには似合ってない。
でもマスターの人柄からBARはいつも混んでいる。
ゆっくり飲むことはなかなかできないけれど
落ち着いた空間としっとりとしたお酒が楽しくて
つい通ってしまう場所だった。
そこで行われたイベント。
よく連れ立っていた友人がそれに誘ってくれた。
まぁこんな調子で誘いを受けた。
ちょっといい加減な、どこか憎めない友人の誘い
これは乗った方が楽しいもんね。
なじみのBARだから変なイベントでもなさそう。
聞くと「仮装技術・なりきり技術」を競うらしい。
判定は参加者全員からの投票。
参加条件は自分の性別と反対の仮装。
ということは「女装」。
やべーな、そんな趣味はない(笑)。
でも行くと決めた以上はやるっきゃない。
ただ女装は応援をたのまないといけない。
学生時代から仲良かった女友達に協力を依頼した。
しかしなんでだろうか。
こういうことは女性の方が俄然張り切る(笑)
こっちが頼んでもないことを
「なんでこんなことしないといけないのよっ!」
とか言いながら無理やりやってくれる(笑)。
女って不思議な生きものだ。
そんなこんなしている間に女装が完成。
おっと、これはもう当日の話。
選んだ仮装は樋口一葉(笑)。
なぜかって?
日本文化史上の人にしたらウケるかな思ったから。
(実はこの選択があとで効くことを知らなかった)
友人はマリリンモンロー。
彼は私に逆張りを張ったみたい。
どこまでも対抗心むき出しのやつだ。
イベント当日。
身も心もマリリン、一葉に扮した二人は参加した。
このイベントはマスターの完全プロデュースだ。
マスターは客からの絶大なる信頼がある。
だからふざけた客はお仕置きされて出禁にされる。
そういう意味でも心配はなかった。
友人はドリンク券が目当て
私はどちらかと言えば人間ウォッチングが目当て。
二人の作戦はこうだ。
マリリンが美しい外面を活かして愛嬌を振りまき
一葉がその陰に身を潜めて参加者を観察して
マリリンに勝てるように指示する。
友人は色白だったのでマリリンの女装はほぼ完璧。
誰の化粧かは気にせずに今は勝つことを考える。
さぁイベントがはじまった。
参加者を見渡してみるとなぜか外国人が多い。
それも日本文化を熱烈に支持する人たち。
マリリンは見た目で注目を浴びていたので
順調に顔を売り込んでいって
参加者の支持を集めると思われた。
しかしここで決定的なことを忘れていた。
そう、参加者の多くは日本文化の熱烈ファン。
彼らの目に一葉が留まる。
やばい…注目されている。
マリリンほど完璧ではないが女友人の女装。
男の創造ではないのでかなりの効果があった。
参加者の態度からすると😅・・・。
参加者は色めき立った。
一葉を取り囲み、取り合いが始まった。
もちろんセクハラ的なことは禁止だ。
ただ、タガが外れた参加者がいた。
身の危険を感じるたところで海坊主登場。
その参加者はボコられて退店させられた
(相手は女性だったけど😅)
あぶないところだった。
って実際はね。仮装してるけど相手は女性。
つまり男装した女性に
女装した男性が口説かれる。
おもしろいでしょ?
外見を問わなければそんな危ない構図ではない。
けどお互い仮装しているからなりきり度もすごくて
なりきり度がすごいから危険度もすごい(笑)。
いや~不思議なヤバげな体験だった。
でもマスターが助けてくれたし、ま、いっか(笑)
そんなこんなでイベントも終盤へ。
参加者全員が投票してそれを集計。
そして結果発表。
予想しなかったと言えばウソになる。
なんと一葉が優勝してしまった^^。
隣で悔しがるマリリンの服装が乱れている(笑)
(なぜ?)
あきらかに不機嫌なマリリンをよそ目に
マスターは一葉を店の中央スペースに招き入れる。
そしてドリンク券の授与。
いや~ありがとう!^^
これでしばらくタダ酒にありつける。
もらったドリンク券を見ながら余韻に浸っていると
もう一つの賞品の話が耳に飛び込んでくる。
まぁもらえるならいいだろうと受け取りOKを出す。
その瞬間、マスター・参加者全員がてきぱきと動き
店内の長いカウンターが整理されて
授与準備が整った。
一葉はカウンターの端に案内されて座らされた。
参加者の一人の外人がマイクを持ってアナウンス。
そして一葉が座ったカウンターの反対の端から
イケメン外人男性(ほんとは女性)が
ウィスキーロックをパス。
グラスは一葉の目の前ですっと止まった。
アナウンスがあった「あちらのお客様」とは・・・
まわりの参加者は「俺たちは知っている…」
というような目をしながら笑っている。
マスターはゆっくり近づき一葉の方に手をかける。
これ以上はマジでやばいと感じたので
着崩れた服と流れ落ちた化粧を笑い合いながら
BARを後にした。
後ろからついてくるマリリン。
さてはお前知ってたのか?(笑)
もうあのBARには行きにくい。
マスターがあんなだったなんて😅
でもこんな大がかりな経験はなかなかできない。
うん、そういうことにしておこう(笑)。
もう使うことはないだろうドリンク券を見ながら
と思いながら、
着崩れた服を脱ぎながら女友達に感謝の電話をした。
ひじょーに貴重な経験でした^^。
※この物語は5%だけフィクションです