ネット言論の展開期。

ネット言論の展開期を迎えていると感じる。
これまで、面と向かっては言えないようなことも、ネットでは許されるような風潮があった。実際、「殺す」とか「爆破する」みたいな書き込みでもない限り、「死ね」とか「キモい」とかの罵倒は、「まぁ、ネット空間だし、仕方ないわな」という雰囲気があった。

法律的には、それらも認められないこととなっていたが、実際には、侮辱罪の法定刑が軽かったり、民事訴訟でも訴訟へのプロセスが大変だったり、費用が膨大だったりして、罵倒の被害者は泣き寝入りするしかなかった。

しかし、ここ最近、SNSで罵倒され自殺する人が出てきて、社会的に注目されたこともあって、侮辱罪の法定刑が改正され強化された。社会的な雰囲気としても、「ネット空間だし仕方ない」というものから、「ネット空間であれ、許されない」というものに変わってきたと感じる。

今が転換期だ。

これからは、ネット空間も、実際の面と向かっての会話で言えることを言わねばならなくなるだろう。匿名を盾に、ネット上では強いことを言う「ネット弁慶」は許されなくなる。それは本来当たり前のことなのだが、やっと現実があるべき姿に追いついてきた。

誰しも、匿名が担保されると攻撃性が高まったり、普通じゃ言えないことを言えたりする一面を少しは持っている。だが、それが今後は許されなくなる。

肝に銘じて生きていこう。

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