セックス依存症〜前日譚〜

彼女に対する支配欲

最初は女友達だった

でも恋人になった

だから、外では互いに友達として接してしまう

互いに恋人同士の振る舞いがわからない

それでも、外で手を繋いだり、内でキスしたり少しずつ恋人になっていった

セックスした

ベッドでは互いに男女の顔をする

普段見せてくれない顔も見せてくれる

声も聞かせてくれる

とても熱い、人の体温とは思えない

少しでもはねる

自分以外とできなくする位まで、気持ち良くしてあげたいと思った

一緒に過ごす目的が、少しずつ、次第にズレていく

セックスが一番の愛情表現と、認識になっていた

彼女を大切にする気持ちは変わらない

友達の頃のずっと一緒にいたい気持ちも忘れていない

ただ、手段に対する認識が変わっていった

愛情表現の1つであったセックスが、一緒に過ごす目的へとズレていく

...

転職時に夢を持っていた

自分を組織を蔑ろにする人達がいる

でも、自分も組織もその人達を思っていた

でも身動きが取れない組織はアウトカムを生み出せない

その人達は言った

お前達に協力してやらないぞと

自分は内心憤慨した

その人達の長から協力してくれと願われた立場なのに

もちろん願われずとも自分も組織もその人達のために頑張る気持ちでいるのに

でも、その人達にとっては、

その人達が、自分に組織に協力してあげてる立場の認識なのだ

憤慨した

そして夢を持った

自分が事業を作ることを

その人達よりも、その人達を形成する人達を幸せにしてやるぞと

転職を決意した

両親からは、苦しいなら何故相談してくれなかったのか問われた

相談した所で解決しないでしょと跳ね除けた

今気づいたが、

自分は両親を見下してしまっていた

長男として、両親に迷惑をかけないぞ、頑張るぞと思っていたはずなのに

両親に対して、緩い庇護の意識を持っていた

...

プログラマになった

その組織はとても心理的安全性が高く、より良い働き方を実施する良い組織だった

プログラマとして企画者として事業者として、幅広く深い知識を得られる組織だった

でも力不足だった

変数すら理解してない程に

がむしゃらに学んだ

意味不明だったけど、学んだ

がむしゃらに学ぶと、武道で言う所の型が身に付かない

幸い成長する基盤が整っていた

先輩達のコーチング

大量にインプットを注ぎ込めるサービス

時を経て

事業を作るために必要な知識をインプットできた

次はアウトカムを出す必要がある

しかし、今の業務内容ではどう転んでも達成できない

達成するには今の職場を辞める必要がある

マネージャに趣旨を話しておいた

プロジェクトに影響しないために

予め辞める可能性が高いことを伝えた

大変お世話になったから

そして、

背水の陣を敷くことで

自分を追い込むことで

焦燥感を自分の原動力とするように

心に刃を刺した

夢が呪いに扮していたとは、

まだ気付いていない

...

彼女とデートした

一緒に話してる時楽しい

一緒にいろいろな場所に行きたい

でも別れ際、セックスしなければと強迫感を感じた

したいと言った

だが、彼女はできない状況だった

理性の自分は大切にしたいと言っている

無理強いをしてはいけないので諦めた

渇きだけが残った

...

そして時が来た

仕事で強いストレスを感じた

苦しみから逃れたい
セックスしたい
でも今は仕事中だから倫理的にそんなことできない
会社を裏切れない
でも性衝動が治らない

その日は即座にマスターベーションで凌いだ

次の日も仕事

また強いストレスだ

苦しみから逃れたい

セックスしたい

彼女を呼び出すか?

それは大切にしてない行動だ

そんなことはできない

風俗にいくか?

中抜けしていくか?

午後に休みとっていくか?

そんな行動は異常だ

でもセックスしたい

彼女を呼び出すか?

この辛さを伝えれば受け入れてくれないか?

そんなことはできない

それは彼女を大切にしない行動だ

わかってる

わかってるけど、セックスしたい

理性の自分と、知らない自分が争っていた

両者の矛盾が、頭をグルグルと掻き乱す

セックスしない選択肢を決意してみた

希死念慮が襲ってくる

死にたい

死んではいけない、親が悲しむ

ただでさえ、辛い人生だったんだ

これ以上、不幸を背負わせられない

アルコール依存症だった父もアルコールから脱したんだ

昔はニコチン依存症でもあった

その父が今は健康に生きている

母も元気で前向きになって生きている

弟も結婚するんだ

彼女にも心に傷を付けたくない

死んではいけないことなんて理性で理解してる

でも、理性ではない何かが死ねと叫んでいる

この苦しみを受け続けるくらいなら、死んだ方がマシと叫んでいる

それでも仕事中に風俗行くことはできない

社会的な人間として、その選択肢は理性的な自分は許せない

結論、この衝動は後回しに実行することにした

休日に風俗行くことに決めた

理性的ではない自分と妥協した

希死念慮を抑え込んだ

この時、自分の異常性を認識した

大切な彼女を傷付けようとする行動だ

おかしすぎる

...

自分はプログラマだ

Web は広大であり、玉石混交な情報の海だ

その Web から余計な情報をフィルタし、客観的かつ必要な情報を得る力を持つ

これは自分の自信だ

自分は自分の考えを言語化して、テキスト化することができる

些細な疑問から深い疑問まで、大小問わずテキスト化して学習する習慣を持っている

これも自分の自信だ

そしてプログラマは需要が高い職業である

この職業ならどこでも働けるし、地元に住む彼女を幸せにできる

そう信じてる

大切な彼女を守るために得た力だ

自分なら、自分の力で、自分の不可解な状況を、解明することができる

大切な彼女を守るために

本腰を据えて動いた

そして、

最後の風俗を終えて

セックス依存症を知った

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