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クリニックを決めるまで《立地編》・《雰囲気編》-34歳の卵子凍結体験記-

さて、前回はクリニックを選んだ決め手の1つ目として《お金編》を書きましたが、今回は《立地》や《クリニックの雰囲気》について、書いていこうとおもいます。

【2】立地

これは特にお伝えするまでもないかもしれませんが、できるだけ<広い範囲>でクリニックを探しました、という話です。

私は30年近く神奈川に住んでいるのですが、通ってきた学校や職場もすべて都内で、20年以上東京が生活の拠点でした。
そのため、東京へ出向く心理的ハードルが低く、神奈川への強いこだわりもありません。

さらに、卵子凍結を行った際は離職していたこともあって、職場の近く、という縛りがなく、時間の面でも少し余裕がありました。

そこで、クリニックの候補は<東京と神奈川>で広く探し始めました。
ただ結局、私が探し出せたクリニックは東京の方が多く、候補に残ったのも、すべて都内のクリニックでした。

実際、日本受精着床学会が実施した卵子凍結に関するアンケート結果を見ても、卵子凍結の実施数は、東京都が圧倒的なようです。行政としても、神奈川県よりも東京都の方が、助成の試みもあって、力が入っているように感じますよね。
※ちなみに、日本受精着床学会で実施したアンケートは、東京都からの依頼を受けて実施されたようで、公表されている分析も<東京>と<東京以外>での比較なので、神奈川単体での実績は調べられませんでした

こうした経緯から、もしクリニックを探している方で、東京近郊にお住まいの場合は、都内も含めて検討した方が納得感の高い選択ができるのでは、と個人的におもっています。
都内のクリニックも候補に含めると、より多くの口コミ等を目にすることもできますし、情報収集がしやすくなって知見が増やせます。
最終的には最寄りのクリニックで決めるとしても、納得感が高まるとおもいます。

なお、候補を絞り込んでいく段階では、駅からのアクセスも考慮しました。できれば駅近がいいとか、場所のイメージがつくか、とかその程度ですが。

とはいえ、働いていなくて、比較的時間に余裕があった人間が立地うんぬん言っても、きっと参考にならないですよね……なので、<改めて卵子凍結するなら、住まいor職場、どちらかに近いクリニックを選ぶか>考えてみました。

私だったら、職場に近いクリニックを選ぶとおもいます。
というのも、採卵までに計5回、クリニックに通ったんです。不規則&突発的に。
フルタイムで働いている場合、休みの日だけで通い切ることは困難だと思うので、職場に近い方が時間の融通が利きやすく、ストレスが少なく済むようにおもいました。

【3】クリニックの雰囲気

では最後に、決め手の3つ目についてです。
ざっくり、雰囲気と述べましたが、以下の要素を含めています。

  • HPやSNSに掲載された、写真と文章から受ける印象

  • Googleや医療情報サイトに寄せられた口コミ

  • クリニックの実績や信頼性

  • + 実際に訪問したときの印象

雰囲気という感覚的な言葉を用いつつ、最後の項目以外、全部インターネット上の情報ですね。戸惑い。
しかもすべて主観なので、参考になるかわかりませんが、以下つらつらと書いていきます。

【3-1】HPやSNSに掲載された、写真と文章から受ける印象

複数のクリニックHPを見比べていると、結構傾向が異なるので、相性が量れるとおもいます。

私の場合は、新しいことをどんどん取り入れて、Webもうまく活用している感度の高い病院が好きなので、HP上での説明や情報が充実しているクリニックに好感を持ちました。
※情報発信に長けているとか、Webでの集客に注力しているか次第でもあるので、この印象だけで判断するのはよくはないとおもいますが…!

一方で、HP上はシンプルで、無機質に感じても、頻繁に説明会や相談会を実施しているクリニックもありました。こうした取り組みの方が、一人ひとりに時間を割いてくれて親身とか、不安が解消されやすいと感じる方や、会話のなかで理解を深める方が楽、という方もいらっしゃるとおもいます。

このあたりは本当に相性だなぁとおもいます。
私は、情報収集の段階で足止めされるのは避けたかったので(せっかちなので、『来週実施される説明会』まで待てない)、HP上の情報が充実しているクリニックの方が効率的でしたし、助かりました。

加えて、私にとってはHP上の説明内容も、大きな判断材料になりました。
たとえば、検査名や項目、金額だけが記載されているよりは、
検査の所要時間や受けるタイミング等、概要にも言及されている方が、通院するイメージが膨らんだからです。

最後に、もーっと感覚的なところでいえば、
蛍光灯のパキッとした凛々しさよりは、自然光で温かみを感じさせる写真を使っている方が好みだとか、医師の先生方の顔写真が載っている方が安心感がある、というような些細な印象も塵ツモでした。

【3-2】Googleや医療情報サイトに寄せられた口コミ

続いて、口コミです。
これはあくまでも各々の主観で、真偽もわからないので鵜呑みにしないようにしていますが、<複数の口コミで共通している内容>と<クリニックからの返信>は意識して読み込みました。

特に<クリニックからの返信>は、患者さんへの向き合い方というか、クリニックの誠意等が表れるとおもうので、特に参考にしました。

【3-3】クリニックの実績や信頼性

続いて、実績や信頼性……と書いてはみたものの、これは、素人では判断しにくい要素もあるとおもいます。
一般受けはいいけど、業界内での評判はよろしくないとか、大衆受けはしないけど、知る人ぞ知るクリニック等、知り得ないことってありますよね。

先に挙げた【3-1】と【3-2】は、まさに一般受けの部分をいかにコントロールできているか、という話でもあるとおもいます。
実際、技術を磨いたり、顧客に真摯に向き合ったりに最大限注力していて、大衆受けは狙っていないクリニックだったら、情報がなく、見逃してしまうかもしれません。

ただ、私も34歳。一生クリニック探しをしていても仕方がないので、できるだけ視野は広く持ちつつ、以下をクリニック探しの軸にしました。
・技術やノウハウが豊富 ⇒ 実績が多い
・10年後まで、安心して卵子を預けられそう ⇒ 経営基盤が安定している

具体的なクリニック候補を探すときには、
たとえばGoogleで「卵子凍結」「東京」と検索しても、自分の検索履歴やSEO対策の影響を受けたクリニックばかりが上位に表示されるので、
メディアへ露出があったクリニック名や、学会に所属しているクリニック名のリストを見つけては、インターネットで検索しなおして、一軒一軒参照していきました。

まぁそこまでしたものの、おそらく、<社会的適応のための卵子凍結>の分野では1番キャッチーなクリニックに決めたのかなとおもっています。
グレイス杉山クリニックSHIBUYAは、杉山産婦人科と、卵子の保管サービスを展開するグレイスグループとで運営されていて、卵子凍結に関するメディア露出も多いです。
さらにグレイスグループは、女性の活躍支援に力を入れる複数の企業から出資も受けているようでした。

なお、採卵後の保管に関しても、クリニック内の施設で保管していただける場合は、天災や事故等への対策内容がしっかり明示されているか、確認するようにしていました。

せっかく採卵できても、取り違え等の人為的なミスに巻き込まれたり、不可抗力とはいえ、些細な地震・台風等で簡単に失われてしまったりしたら、どうしようもないですしね……(遠い目)

……と、ここまで情報収集を重ねてきて、候補は2つまで絞れたので、最終的には、実際に足を運んだときの印象で判断することにしました。

【3-4】実際に訪問したときの印象

まずは第一希望で、予約をWEBでとりやすかったクリニックに足を運びました。それが、グレイス杉山クリニックSHIBUYAです。
初診で伺った印象としては、

  • 明るい空間

  • プライバシーへの配慮と、気遣いがきめ細やか

でした。
クリニックは渋谷のcocotiという商業ビルに入っていて、院内はとても天井が高く、大きな窓から日差しが入り込んでいて、開放的でした。

平日に伺ったためか、他の患者さんも少なかったですし、
待合のイスも広い間隔で並べてあるので、ぎゅーぎゅーとは無縁の快適さです。

待合スペースでは原則、診察券番号で呼ばれるので、名前を叫ばれることはなく、お会計時にはLINEで通知が届くので、耳をそばだてて待つ必要もありません。さらに受付・会計の方々も、意図的に、ひそひそ小声で話してくれます…!

2022年4月の開院で、伺った際はまだ1年も経っていませんでしたが、
スタッフの方々はベテランの方揃いで落ち着いていらして、オペレーションもスムーズでした(杉山産婦人科等で長く働かれてきた方々が、こちらに勤めていらっしゃるのかしら、とおもいました)。

クリニック1軒目なので、比較対象こそないものの、
ここまでのきめ細かな対応で不快になる人がいるのかしら……というレベルです。そこで、もうこのクリニックにしよう、決断するには十分だ、と気持ちが固まったのでした。

そういった背景もあり、訪問時の印象に関しては、
比較検討した相対的なものではなく、絶対的な相性として述べています。

……どうやってクリニックを決めたか、書き留めたかっただけなのに、こんなに長文になるとは思いませんでした。
比較的短期間でクリニックを決めたものの、私なりに強い思い入れがあったのね、と書きながら思いました。

それでは、次の投稿では、採卵までの準備期間について書こうとおもいます。

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