バルンバルンの森に出会い、人生が変わった|フリーライター 佐々木祐香さん
※本記事は2021年4月時点の取材をもとに執筆しています。
佐々木祐香さん(通称ゆっち)は、「バルンバルンの森に出会い、人生が変わった」人の一人です。
元々、東京で、フリーランスでライターやウェブの仕事をしていた祐香さんは、森に出会い、マルシェなどのイベントにボランティアスタッフとして関わるようになりました。
その後、森でウエディングをあげ、今では、森のHPなど広報業務を個人で請負っています。
プライベートでも、古民家を「バルンバルンの森」流にリノベーションし、中津市内に定住をしています。
愛があふれるキャンプ場に感動
ーバルンバルンの森に来たきっかけは?
2013年の秋にはじめて。隣町の上毛町での「お試し居住制度」っていうのがあって、それに参加して、その時に、森にご飯食べに連れてきてもらったの。初めて来たときに衝撃を受けた。
ー第一印象は?
元々キャンプの仕事をしていて、2年ぐらい。関東の色んなキャンプ場を行って来ていたんだけど、こんなに愛があふれているキャンプ場見たことがなくて、なんでこんなに愛があふれているんだって感動したのが一番最初。なんかさ、「うわー」って思ったの。「ここすごい」って思って。温かみがある場所だなと思って。
ー田代夫妻が最初ではなく?
この空間にまず一目惚れをして、次の日にまた一人で来たんだよね。
最初に惚れたのはこの空間に惚れて、そこから田代夫妻に出会っているから。田代夫妻ありきではなく、わたしはまず、この空間に惚れてる。
ーバルンに出会って以降は、どういった付き合い?
お試し移住は3週間だった。お試し移住が終わって、東京に帰って、次の月、(バルンバルンの森のすぐそばにある)田代家に泊まって。そこから、月に1回は、東京から田代家に泊まりに遊びに来ていて。マルシェやるって言った時は、「手伝うよ」って言って手伝ったりとか。
バルンが伸びれば、未来は良くなる
ー生活拠点が中津市になったのは?
ささやん(旦那さん)と住みだしてからだから、2016年7月。それまでは、ずっと東京拠点に、週1東京、他は全国どこか、みたいな暮らしをしていた。
ーゆっちの生活スタイルも早いよね?
ワーケーションという言葉もない時に、ワーケーションをしていたし、森ガールという言葉もない時に森に住んでた。
ー今は、どんな仕事をしているの?
今は、バルンの広報担当の仕事。
わたしのテーマは、「複商い」。いくつもわらじを履くっていう働き方を大事にしていて、今のメインは、バルンと東京のマーケティング会社のPR、それと日田の器屋さんの新規事業の立ち上げ。
常に「収益になる仕事」と「収益にならない仕事」をやるっていうのは、決めてて、「収益にならないことをやっていく」ことで、回っていくみたいな。だからお金を自分で払ってでもやりたい仕事とお金をいただいてやる仕事をやるっていう。バルンも最初は、前者だったけど、後者に移動していくような。
バルンもそうだけど、「そこが伸びたら世界は良くなるな」っていうことに命を使いたい。お金どうこうじゃなくて。バルンはまさにそうだなと思って。
ー今の社会の時間軸や働き方で見ると、本当に大事なものは何かっていう部分に目がいかなくなるけど、そこが、ゆっちや田代家はすごいよね?
田代家のすごさよ。わたしはもう全部感銘を受けてるもん。ふたりの生き方に触れて、今のわたしがあるから。この森がなかったら、全然違う人生だったと思う。
ーゆっちの中でも森への出会いも奇跡のひとつよね?
いや、もう奇跡。めちゃめちゃでかい。この森があったことが。
人を近づける「バルンバルンの森」の力
ーウエディングもすごかった。
(参加した人からは)いまだに「自分の結婚式より楽しかった」って言われる。
それ結構すごくない?!ほぼほぼ東京の友達が来てくれた。
それも、じゅんこが一回「森のウエディングをプロデュースするのが夢だ」みたいなことを言ってて、それならうちらの結婚式でそれできるかってなって、やろうってなった。
ー結婚式って、普通の結婚式場でするものでも感動するけど、また別の感動があるよね。
基本、みんなキャンプ場に泊まって帰ったんだけど、次の日には、結婚式で初めて知り合った人同士が遊びに行ってたもんね。「隣町の運動会行ってくる」みたいな。
キャンプファイヤーして、夜ずっと語り合ってるから、仲良くなって。今もそこで出会った人同士が仲良くしてる。「バルンバルンの森」の力だよね。人を近づける力がこの森にはあるんだと思う。
田代夫妻が人生のロールモデル
ーゆっちとじゅんこさんの関係性も面白いよね。ふたりでヒッチハイクしたこともあるんでしょ?
30歳と48歳だったかな。今はバルンの部屋の鍵になってる瓢箪があって、あれを高千穂に買いに行こうっていう話になった。
前日夕方にじゅんこから電話があって「明日ヒッチハイクで行かない?」って。「良いよー」って言って、瓢箪を買うために行った。
じゅんこは次の日、子どもの運動会でお弁当を作らないといけないから、絶対日帰りじゃないといけないっていう条件。
ヒッチハイクは、結局2台で行ったんだよ。最初は、道の駅で、3分ぐらいで最初のおじちゃんが別府湾までのせてくれた。
次は、別府湾で「高千穂」って書いたら、5分ぐらいで停まってくれた人が高千穂に行く予定のおじさんで、高千穂まで乗せてってくれた。
高千穂でも一緒に遊んで、昼ごはんもご馳走してくれた。うちら後ろの席に乗ってて、「じゃあ次この音楽お願いします」とかって言って乗ってて。
瓢箪が手に入った後「わたしたち次の探して帰ります」って言ったら、おじさんが「もうここからだったら見つからん」って言って、結局、中津まで送ってくれた。本当はそのおじさん、高千穂に泊まる予定にしてたのに。
帰るときに「ハイ」って高千穂のお土産までわたし達に渡してくれて、「楽しい1日だった」って言って帰っていった。
トータル2台の車で行って帰ってきてこれた。48歳でそんなことする?40代、50代めっちゃ楽しいじゃんって思った。
ーじゃあ、人生のモデル?
本当に良いロールモデル。
ー以前、ゆっちの記事で「女性のモデルを探している時に、じゅんこさんに出会った」っていう記事を読んだことがあるけど、それは?
それはある。そう。いなかったんだよね。こういう人になりたいっていう人が。じゅんこに出会ったら、こういう大人良いなーって。それは決まったかな。年は18歳離れているけど、その感覚もないもんね。最初から敬語でもないし。不思議だよね。普通敬語使うんだけど。
最初、じゅんこに出会った頃は、じゅんこがchigru(今はスペシャルルーム)で雑貨屋さんをしていて、しゃべったら、めちゃめちゃ話が続いて、そのまま、そこでどん兵衛とか食べて。オープンしてんのに。どん兵衛とか食べて、面白いな、みたいな。
その時に、じゅんこが「森をどうやって知ってもらうか」っていう話をして。「わたし、ライターやってるの」って言ったら、「わー」みたいな感じで仲良くなった。話をしていくうちに「面白いな」って思って。
ーゆっちは、色んな場所に行って、色んな人に出会ってきていると思うけど、その中でも特別?
特別よ!!いないもん、こんな人!!
東京でじゅんことわたしのトークライブとかやらせてもらったんだけど、その時にきてくれた子は、結婚前に森に泊まりにきて、田代夫妻と話をして、今も田代夫妻がその夫婦の理想になってる。
「かずさんとじゅんこさん、こうだったよね」とかいって、幸せな家庭を築いている。田代夫妻は、そういう存在でもあると思う。みんなにとっての憧れのふたり。
訪れるまでの「楽しみの時間」を提供
ーそんな人がここにいるっていうのは、財産よね?
財産よ。中津の財産よ。
ーバルンバルンの森は、特に女性の琴線に触れるっていうところもあるのかな?
女性は、周りに合わせて、みたいなところがあるけど、ここに来るとはっと自分に問うというか、自分を感じるから、それだからじゃないかな。
キャッキャできる場所っていっぱいあるけど、そうじゃない場所って、そうはない。キャッキャのつもりで来ても、はっと、呼吸が変わるというか、ゆっくりになったりする空間っていうのは、やっぱり作り出す歴史とここでしかできないこと。なかなかその空気を出せる場所ってないからさ。
ーバルンバルンの森が提供しているのは、そういう場所?
わたしが見てて思うのは、「この森ってずっと来たかったんです」とか「この森に来るのがずっと夢だったんです」って人めちゃくちゃ多いんだけど、「この森にくる」ことも一つの価値だけど、「この森にいつかいく」っていう楽しみの時間ってずっとあるじゃん。それをこの森は提供していて。提供しているのは、宿泊じゃなくて、ここに来るまでの「楽しみ」「喜び」を提供しているのかなと思って。実際にお客さんと話をすると「ずっと来たかったんです」っていう人めちゃくちゃ多い。
バルンバルンの森に出会い、人生が変わった
東京に住み、いち早くフリーランスで、ライターやウェブの仕事をし、全国色んな場所に行き、多くの人に出会ってきている祐香さんが、バルンバルンの森と田代夫妻に出会い、「特別」だと感じ、中津市に移住、定住をしています。祐香さん自身も結婚後、夫婦で古民家を購入し、バルンバルンの森流にリノベーションをし、今はそこに住んでいます。
祐香さん自身が「バルンバルンの森に出会い、人生が変わった」と言いますが、バルンバルンの森や田代夫妻にとっても、祐香さんの存在は、公私ともに大きいように感じました。最後に、祐香さんにとってのバルンバルンの森とは?田代夫妻とは?について、聞いてみました。
ーゆっちにとって、バルンバルンの森とは?田代夫妻とは?
わたしにとってバルンバルンの森とは、人生で一番のターニングプレイスで、田代夫妻は、忘れてしまいがちな大切なことをいつも教えてくれる先輩