出戻りジャンルが拗らせ腐女子の巣窟だった話

ほぼタイトルそのまま。

こんな界隈もあるよ、という警告位に受け止めて貰えたら。


■発端

よくある懐かしい物ブームだった。

様々なジャンルを掘り起こすうちに、オタクになったきっかけとなる作品に行きつき、長年ため込んだクソデカ感情が爆発して、立派な創造マシーンに。毎日のように何か作ってはアップを繰り返し、一か月もすれば化石のような界隈の人たちの目に行き渡る位にはなっていた。

初めのうちは自分と似たような出戻り数人と楽しく絡んでいたが、しかし当の界隈は作品の年代からして殆どが10歳は年上の人。それも全員BLCPに染まってると言っても過言ではなかった。

私自身も腐女子ではあるが、子供の純粋な幼心でその作品が好きだった故、見ないようにはしていた。


■しかし

突然BL界隈の重鎮に絵をパクられる。

構図、配置、キャラ。違う所といったらヒロインが消され、表情を変えたのみ。10年以上前のジャンルで、それも一周間違いで絵が被るなんてまずありえない。それもその人が私のメディア欄を見ていたことは確かだった。私はその人からのいいねに、確かに喜んだのだから。

しかし10年も続くフォロワー万超えのアカウントに、出戻り数か月の私が勝てるはずもない。騒ぎ立てれば慰めて貰えはしただろうが、作品を汚したくない思いで泣く泣く泣き寝入りを決め込んだ。

良い人たちばかりと思っていた分、ダメージもデカい。辛くて辛くて何日も泣いた。筆だって折った。

パクられただけじゃなく、そんな心の汚れた人が同じ作品を好きで、そして信者は今でもパクリ絵師をちやほやしているのだ。そして自慢げにパクリ絵師は作品への愛を語っているのだ。わざとかと思うくらい気持ちが悪かった。


■それでも

作品への思いが完全に断たれたわけじゃない。私はそれからも路線を変え、映像作品を作り続けていた。もちろんパクリ絵師はブロックしたし、その人が推していたBLCPも徹底的にミュートした。

半年経とうという頃、それなりに作品数も増えフォロワーも増えた。交流はパクられたこともあってあまりしないようにしていたが、感想を貰えるととても嬉しいのは変わらなかった。


■立ち塞がる壁

どんなにミュートしていても、システムは肯定的なら通してしまうものだった。私の動画にちらほらと、もしくは騒ぎ立てる様にBLCPのコメントが増えた。RT先でも「これは○○(BLCP)」といわれていたりもした。

もうパクられた反動で、そのBLCP名にすら憎しみを覚えていた私は、耐えきれずに呟いてしまった。

「○○(BLCP)、パクられてから地雷なんですよね」

今思えば、もっと良い言い方があったと思う。苦手とかそんな風に濁せばよかった。しかし目ざとくそのツイを見かけたBLCP信者は、一気に色めき立ったわけだ。

「こっちの界隈に砂かけられた」

「作品はいいの作るのに。最低」

「そうやって攻撃するような人なんだ。ふーん」

その一言で腐女子界隈は学級会まで開いたようで、それはそれはお祭り騒ぎだったらしい。一か月後にたまたま目に入り遡ってみたがまあ酷く、人格否定はもちろんたくさんの尾ひれがついて作品までも貶されていた。

しかしその時はそれでいいと思っていた。

その人達はやはり王道CPの自覚があり、公式同然だからと検索除けもしてくれない。なんなら作品名もキャラ名もそのまま萌え語りするような人達だ。垢の年数からして相当なネット経験者のはずなのに。

そういった嫌気も積もっていたから「この人ブロックした」と報告しているツイを見た時は安心感すらあった。これで多少は自衛できると。


■突っ込んできた地雷

そして何を考えたのか、もしくは議論されたのか……日付を跨がないまま、DMに凸られる。紛れもない、当時のパクリ絵師に。

それもいつの間にか本垢からはブロックされていて、BLCP専用の鍵垢。そのアイコンさえ見るのも吐き気がしたが、恐る恐るメッセージを開くと、驚きの一文。

「○○(BLCP)、パクられてから地雷なんですよね」

……これって私のことですか?

驚きを通り越して呆れさえ覚えた。誰がどの絵をなんて私は一切呟いていない。自衛ブロックもそれはかなりの人数していた。だからこそ他人が見て絞れるわけがなかった。

だからもう、その言葉は私が故意にパクりました、あなたを見張ってましたと言っているも同然だった。本格的にヤバイ人だと感じ鍵垢もブロック。それから一切の身内以外の人間とは交流を絶った。


■続く嫌がらせ

それから数日、おかしいと思うことが多々。鍵垢からのリプに引用リツイート。最初は外国人やTwitter初心者かと思ったがそうではない。明らかな嫌がらせだった。

その時は度重なる心無いファンの言動に疲れ、素材や自主製作ゲームの配布もやめていた。問い合わせが来るたびに「できません」の一点張りで、純粋に作品が好きなファンには申し訳なかったが、もう界隈の人間自体が信じられなかった。

しかしそれが反感を買ったのか、それともパクリ絵師の信者だったのか、はたまたパクリ絵師ご本人なのか。文章を呟くたびに目に見えないリプとRTが付く。初めは気にするものじゃないと無視を決め込んだが、数か月経つうちにだんだん疲弊して、もう作品を作るのさえ馬鹿らしくなっていった。

それでも悪いのは作品じゃない、人間だと言い聞かせ、一年続いたアカウントは削除。肩の荷が下りてスッキリもしたが、一方的にサンドバックにされたという負の思いと作品への後ろめたさは消えないままだった。


■同じファンなのに

同じ作品を読んで、感動して好きなはずなのに、どうしてこうも違うのか。呟くことはBLBL、あなたたちはBLしか見ていないのか。古参なら新参に何してもいいのか。思い出すだけで腸が煮えくり返る。

だから今はもう、BLのことだけ呟くアカウントには近づかないようにしている。正直怖い。「公式だから」とのさばって隠れる意思もない、時折盛り上がりに乗っかって公式タグをつけるような輩なら尚のこと。


こうなるなら言ってやればよかった。

「あなた達が好きなのは作品じゃなくてBLだ」って。

「もっと言えば自己顕示欲に塗れたあなた自身だろ」って。


もう好きな物は出戻りしない。綺麗な思い出のまましまっとくべきだ。でないと上手く利用され食い尽くされて、好きだった気持ちさえ否定したくなる。そう学んだ。


少しでもこれを読んだ誰かの、ジャンル移動の参考になったら嬉しい。