見出し画像

聲の形 (プログラム読了)



🍀プログラム読了🍀

『聲の形』プログラムを読了。
プログラムの中身は、卒業アルバムを彷彿とさせるような仕様。
部活動や課外活動の様子のショット。
そして寄せ書きなど。
多感な時期を生きる登場人物が醸し出す
瑞々しさ。

まず、演出などに関して感じた事を
綴らせていただこうと考えていましたが
別の想いを先に。

🍀観劇した印象🍀

10代の頃の
独特の、コミュニケーションへの戸惑いや
すれ違い。
きっと、誰もが自分の経験を投影して
観る事ができる作品だろうと思います。

個人的には、女子同士の感情のすれ違いによる
軋轢の数々は、とても感情移入できました。
どのキャラクターの気持ちも、今の私ならば、想像力を駆使して、いくばくかは汲み取る事ができるように思うのです。いくばくかは。
10代の頃は、人の気持ちを想像する力が本当に
足りなかったな、と考えながら観劇させて頂きました。

恋愛物語に寄っていかずに、人が互いに理解し合う事の難しさを主軸にし、謳っていく。
そして、それが作品全体に及ぶカラーに
なっている事。
観客側も、受けとめるエネルギーが必要な
作品だと感じました。
(胸キュン要素が満載の作品も
 もちろん とても魅力的ですが。)

ポジティブな感情も、ネガティブな感情も。
あくまで良い意味合いとして。と
強く前置きした上で述べさせて頂くと。

プラスとマイナス、両方の感情が
心の奥深くに留まり、存在し続けるのは、このような作風の舞台ではないか‥。と、私個人としては感じています。

🍀この作品に出会えた事に感謝🍀

🍀共通点🍀

『ヴァグラント』にも同じ感覚を抱いていて。

『聲の形』から少し流れが逸れますが、『ヴァグラント』の時に体験した話を。
観劇回数が多めだった私は、開演前や幕間に、カフェ利用(劇場内や劇場近辺)を度々していました。
その際に、近くの席から聞こえてきた会話。
東京公演の初日から三日目くらいまでは、かなり重厚なテーマを扱っている事や、プロデュース・原案・作詞・作曲を手掛けた新藤晴一さん(ポルノグラフィティ)に関する話題が大半でした。

盗み聴きではありません。私は、一人での観劇だった為、どうしても近くの人の会話が耳に入ってきてしまうのです。

三日目以降‥。カフェで聞こえてくる会話の
内容が、作品のストーリー、そして
登場人物に感情移入しているなという話題に
変わっていきました。
複数回観劇した人かどうかで差はあると思いますが、キャラクターの存在が、徐々に観客の皆さんの中に浸透していっているのを実感しました。

エンタメには、鑑賞後にアンケートなるものが
用意されている事が多いです。
無記名のものも多いので、忌憚のない意見や要望を書く事ができます。

ただ、私は、今回のように
気の置けないお連れの方々と交わしている会話にも、真の想いが出ると考えています。

登場人物の行動や考え方を、まるで自分自身の
ものかのように捉える。感情移入できる。
そうなった時が、その作品が昇華され、作り手側の方々のご苦労が報われる瞬間なのでは‥と。
生意気で勝手な受けとり方かもしれませんが
そう感じたのでした。

『聲の形』も、きっと、観客の方々の中で
登場人物が確実に息づいている、というような
経緯を辿った作品だったのではないか‥ 。
と思います。

そして、最後には、希望の光が差している中で
幕がおります。
この点に関しても、二つの作品に共通するものを
感じました。

しかし‥
実は、今、検索してみたのです。
アニメや映画を観た人々の感想を。
硝子の立場に非常に近い方のご意見、ご感想。
また、あまり近しい環境にそのような方が
いらっしゃらない人々の声も。
本当に千差万別の ご感想とご意見が。

そして、どのような学生時代を過ごしたかに
よっても、受けとめ方が大きく変わるのだと
思いました。

この作品は、観る人の立ち位置によって
様々な印象を与えるのだなと 強く感じました。

コミュニケーションの難しさ、そして
昨今よく取り上げられる「多様性」に
通ずるもの。

やはり、私などが真髄に迫る事は許されない、また迫る事ができない大きなテーマなのだと思いました。

🍀「聲」と「声」🍀

口から声で発する言葉、文章としての表現、そして手話。考えや気持ちを表す手段は複数あれど、全てを相手に伝えるのは不可能。
本人自身でさえも、己の思考や感情を把握できていない時や、コントロール不能な時があるのですから。
伝える手段の、その脆さ、危うさ、不完全さ。
心の「聲」を伝える「声」。

硝子は「声」を発する行為と聴力に
支障があります。

「不便ではあっても不幸ではない」。
以前に聞いた言葉が思い浮かびました。

ハンディキャップを持つ人々が、そのように実感して人生を歩んでいける環境。
その環境を皆で作っていく事が、社会の責務ではないか‥。そして、不便さも、物心両面で
少しずつでも改善していけるように。

🍀君に生きることを手伝ってほしい🍀

将也の言葉
「君に生きる事を手伝ってほしい」。
あらゆる角度から
この言葉を解釈できる人間になりたい。
コミュニケーションの難しさから逃げずに
向き合っていきたい。

私個人の 今の感想です。
今の私はそう叫びたい。
「聲」を大にして。

※私は、予備知識(原作アニメや映画など)を
 持ち合わせずに観劇致しました。
 的外れな視点や、解釈があるかもしれませんが
 その点を ご考慮いただければ幸いです。

🍀万雷の拍手に包まれました🍀

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?