聲の形 千穐楽の光景
千穐楽での 出演者の方々の印象。
石田将也役の島太星さん、西宮硝子役の山﨑玲奈さんをはじめとするカンパニーの皆様は、気迫溢れる演技を披露してくださいました。
🍀ある一人の生徒の出現🍀
将也が、退屈を蹴飛ばしたい‼️と、エネルギーを
持て余している所に、転校生が。
そこから、彼女をとり巻く同級生たちの関係性が
どんどん変化していって‥。
全く同じシチュエーションではなくとも、一人の新しい生徒の出現によって、教室の空気が変わっていく‥という経験は、わりと身近なものではないでしょうか。
私自身は、転校してきた子を迎える側でしたが、環境への順応性が必要な為、大変な面もあるのだろうな‥と思っていました。
私が知っている子たちは、成績優秀で、友達が
できるのが早く、明るい。そんなイメージの子が多かった印象があります。が、転校先の環境に馴染めない子も、もちろんいるはずで。
硝子の場合は、諸々の事情もあり。
周りの人々も、どう接していいのか、戸惑いを隠せず。
🍀演出🍀
ストーリーは、暗転が無い中で、くるくると次のシーンに切り替わっていきます。
脚本・歌詞・演出を担当なさった板垣恭一さん。
パンフレットには、「特に意識したのは漫画のページをめくるスピード感の再現」とありました。
暗転が無く、場面転換は、70回ほども‼️
まさにページをめくるようなテンポの良さ。
途切れなくストーリーが進んでいくので、現実に
引き戻されることなく、作品の世界に没入し続ける事ができます。
教室の椅子に座っていたかと思えば、瞬く間に
椅子たちは舞台袖にスルスルと吸い込まれるように姿を消し、次のシーンに。
演者の方々の息の合った、まさに阿吽の呼吸。
きっと その裏には、血の滲むようなお稽古が。
🍀カーテンコール🍀
限られたお稽古期間の中で、最大限の集中力を持って臨んだ事が、島さんや、山﨑さんのご挨拶からもうかがえました。
🍀島太星さんの様子🍀
島さんは、明るい笑顔で最後の挨拶を‥と思えば思うほど、感極まって、最初の第一声が出てこない‥。という様子でした。
数秒でしたが、島さんの第一声が出てくる瞬間を、観客やキャストの皆さんが、温かく見守りながら待った‥。そんな光景がありました。
重責を担う立場。
誰もがその座を目指すけれども、その座を獲得してからの道のりの大変さは、きっと御本人にしかわからない。やり切った島さんの笑顔は、全てが報われたという達成感で輝いていました。
🍀山﨑玲奈さんの様子🍀
麗しき お着物姿での山﨑さん。
若干16歳‼️
言葉を噛み締めるようにして、感謝の意を述べられていました。
今回の舞台を経験して、更に大きく成長なさったのだろうな‥と感じました。
手話での「ありがとう」が、とっても心が込められていて、可愛らしかったです。
🍀将也や硝子が過ごした時間🍀
まっすぐで情熱的な将也。
芯の強さがあり、繊細でもある硝子。
互いに補い合うように、懸命に歩んで行こうとする姿。
時間は過ぎ去るけれど、その時間に起こった事や経験は、自分の中に残っている。
私も、将也や硝子たちが過ごした頃の時期を想い、自分の心の中にも、その頃の事がしっかりと存在しているのを、改めて自覚できた作品でした。
🍀舞台セット🍀
舞台セットは、切り立った崖のような、ゴツゴツした岩。その岩に、鋭利に切り取ったような三角の裂け目が。
思春期の儚さや、光と影を連想しました。
その裂け目は、将也や硝子が出入りをする場所にもなっています。
舞台全体は、灰色の、静寂を感じるシンプルなセット。板垣さんが述べられているように、抽象的。その舞台上に、池や椅子などが登場してきて。
極限までシンプルにした印象のセットは、登場人物の感情を、まるで目に見えるかのように、浮き彫りにする効果を感じました。
観劇の際に、人の気持ちを凝視する力が必要な作品だと思いますので、集中できる、とても良い舞台セットだと思いました。
🍀カンパニーの皆様の様子🍀
千穐楽のカーテンコール。観客の皆さんの、鳴り止まぬ拍手に、二回、三回と、捌けでは登場、捌けては登場‥を繰り返してくれました。
ゆっくりめに、いわゆる「ためて」登場‥というのではなく、すぐ捌けて、またすぐ登場‼️を何回も繰り返してくださるという、スピード感のある、お茶目な光景でした😆
やり切れて嬉しい‼️というカンパニーの皆様の
溢れる気持ちが、客席にも伝わっていたと思います。
全員一列に並び
一斉に手話で、にこやかに「ありがとう」と。
こちらこそ、ありがとうございました。
この世界を、目にする事ができた御縁に感謝。
🍀ロビーの光景🍀
劇場を出る時、ロビーのテーブルで、一心にメッセージを綴っている方々の姿を目にしました。
このような沢山の熱いファンの人々に支えられて、役者さん達は走り続けていくのですね‥。
🍀気付いた事🍀
そして‥私は気付いたのです。
ミュージカル沼にハマった事を‥😆‼️
いや、もう8月〜9月の『ヴァグラント』を観劇した時に、既にハマっていたのでしょう。
板垣さん演出の舞台は勿論のこと、様々な作品をこれからも 追いかけていきたいと
思います🌟🌟🌟