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ぼっち在宅介護 時代劇はいっぱい教えてくれる

父の部屋には、時代劇チャンネルがずっと流れています。

暴れん坊将軍が片っ端から問題や悪事を片付けていってくれたりもしますし、時代小説を脚本にした沁みる系のドラマ、漫画を原作にした映画やドラマもあって…

食事時、ケア時に、チラチラ見ています。

もともと、家にテレビが一台しかない時分に、父が水戸黄門とか銭形平次なんかをよく見ていたので、私もなんとなーく嫌いじゃない感じでして。

NHKの作る時代劇とかドラマは特に好きです。
侘び寂びのある話や、朝ドラの様なモデルのある人生ドラマも楽しいです。



昨日の朝ドラ『らんまん』

分家の皆さん、特に、坂口涼太郎さん演じる分家の息子の伸治さんの言葉に、うぉおお〜!と思ってしまいました。

『らんまん』のドラマ自体は…

主人公の万太郎さん一家の長女の突然の死、
万太郎さんの心の支えとなる姉夫婦の苦難と実家、酒蔵の廃業。
二つの悲劇にフォーカスがある回でした。

が、私は、、、
どちらの悲劇も同じような悲しみもそれなりに知っているので…
ぁぁぁぁと思いつつ、こういう場面つらいなぁ見たくないなぁとか思いつつ見ていました。


ざっくりあらすじ☟

主人公万太郎の実家、土佐では名だたる酒蔵が、腐造(腐造乳酸菌が入り、仕込みの醪や酒の酸がきつくなり、酒質が劣化することだそうです)という失敗により、廃業に追い込まれます。
国からの税金も納め切れていない姉夫婦は、借金をして納付。借金返済に代々続く土地建物を手放そうと考えているところへ、分家の皆さんがやってきます。

分家の皆さんは、これまで先代から、分家というだけで軽んじられてきてました。本家筋は、祖先代々そう言うものだと刷り込まれてきたのです。しかも、先代は「時代が変わった」と、跡取りの万太郎が家を出ることを許し、姉の女性に継がせたのでした。

自分たちと区別するために、本家や分家といいながら、長子や男子を重んじる風潮を出してきた中、都合よく時代のせいにして、後継を女性にし、分家の人たちを無視した判断をしてきました。

その本家の没落のシーンです。

分家の叔父は、いいました。
「ほれみたことか」

(でしょうねぇ…)

そこに、酒屋の婿となった元使用人の竹雄は、土下座し頭をさげます。

「皆さんがお力を貸していただけるなら、生きながらえる道もあるかもしれません。おたのもうします。」

(潔い、かっこいい、やるべきことはやった!人に力や金を借りるということはこういうことである。時に、恥はかかねばならん。)


叔父はいいます。
「うちの身代は、息子の伸治が決める!」


すると、
坂口涼太郎さん演じる伸治は、
「そりゃ無理やぁ」と言います。

嫌がらせのように見えそうな絶妙な言い回しでいいました。

「こないなでかい鯨みたいな家、ワシみたいな小さい船で引っ張ったら一緒に沈んでまう。せめて、ワシがもう少し立派な船やったらよかったけど、ただでさえ底に穴が空いてるようなもんやからなぁ。」

(よう言うた!👏)


身の丈を知っている伸治さん、これまでのいろいろは置いといて、自分にできることかどうかを冷静に判断し、親戚同士、共に細く長く生きながらえる道を選び、選ばせました。


いや、マジで、これ大事ですよ。

親の代のメンツとかマジいらないですし、自分の代での貸し借りは、また余計な妬み嫉みを産みますもん。


主人公やメインキャストの可哀想、悲しすぎる〜の影で、ほんまに英断をしてくれた伸治さんに、私はウルウルして何度も見返してしまいました。


親がいて、子が複数人いますとね、長兄、長子が重んじられたりしますよね。
末っ子は無条件に可愛がられたり、親の思いがいろいろ生まれます。

で、
子の側からすると、生まれ順による、区別や差別によって、いろんな感情が入り混じってきます。
同じ親に生まれても、与えられる物や金の量がちがったり、逆に返していく作業量が違ったり…
これは、兄弟姉妹がいない一人っ子でも言えますね。
親から受けた思いに見合わないものを求められる場合があって、悲しくなることもあるわけです。


ま、子が親にたかるバージョンもあるでしょうけども…

で、これが一代分。
周辺に何代分かのあれこれがあったらば…
その兄弟姉妹をかけた分のいろんな思いが渦を巻くのです。

薄められる思いは薄めるべきです。
金だとか、土地だとか、家だとか。
見えるもんなんか、ちゃんと見れる奴が見ればいいことで、できんやつは手を出してはいかんのです。


生涯通じて、責任を取れない、頑張れるかわからないことについては、、、
親の代とか、親戚が…とかは、関係なく…
自分がその器かどうかを見極めて判断するのが、やっぱり健全な思考やと思います。


お世話になったから…とか
今回だけは…とか
この子(親)のためならば…とか

いろんな場合がありますけれど…

立て直し、立ち直り、そんなことは、やはり、本人自身だけでできた方が、その人の先に道を作っていくに決まっています。
だって、生涯をかけて手助けしてくれる人なんて、いても一生に一人か二人でしょう。

「たくさんの方々に助けていただいて…」
と再起成功した方が言ってるとしたら、
都度、きちんと返すものを返しているからで。

ダラダラと
「今回だけ」「今だけ」
と続く人は、返せないと思います。
そして、ずっと誰かを頼って生きていく…
その都度、道を突貫で作っていく…
そんな気がします。


時代劇を見てますと…
博打に明け暮れるのんだくれの父が、
娘や息子を売ったり、
お母さんを山に捨てたり、

あー

ってのもたくさんあって、、、

お代官と町の問屋が裏で賄賂流してたり…

どこまでいっても冴えない武士崩れの成れの果てとか…

病に倒れても働くおとっつぁんやおっかさんとか…

たくさんたくさん出てきます。

そこに遠山の金さんとか水戸黄門が現れるバージョンは、あっさりカタがつきますけれど…


本来はもっとちがうはずで…

藤沢周平さんの
『三屋清左衛門残日録』なんかは、侘び寂びのある日々が描かれていて、同じ様なメンツやプライドの話が悲しく結末を迎えていく様を、皆が少しずつハッピーを分け合う痛み分けになるように行動する時代劇で、苦い思いとホロっととbitter&sweetな気分にさせられます。

『三屋清左衛門残日録』からもいっぱい学びます。


『らんまん』では、伸治さんの優しさが胸にしみました。

「おまんらの方が達者でな」
美男美女の若夫婦にいいました。

分家の皆さんは、土地建物を売却し、残る金を元に再出発をする様に姉夫婦に伝えました。
「墓は守っちゃる」
見事な痛み分けです。


ちゃんと頭を下げるべき者は下げ、きちんと話したくないことも含め事情を説明する!

聞いた側は、冷静にできる限り、お互い恨みっこなしの無理のない判断をする!

現代社会に必要な気持ちの通わせですよねー。



人生は勝ち続ける人はいないし、
負け続けている人もいないのだけど…


知らないうちに、
気持ちの持ちようで、
勝った気でいたり、
負けていると思いこんだり
しているのかと思います。

本来は、勝ちも負けもなくて、
自分で自分を知って、その上で自分という人生を生きていくのみだなぁと思います。


私の『らんまん』MVPは、
坂口涼太郎さんの伸治さんです。
一番カッコいい!👏

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