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ぼっち在宅介護のオススメエッセイ 西川ヘレンさん著

今回は、オススメエッセイ本です。
ご存知、西川きよし師匠の奥様西川ヘレンさんの御本です。

ヘレンのもう、いや! 多重介護奮戦録
西川ヘレン著

何冊か執筆されてはりますが、たまたま手に入ったこの本を読みました。

お若い方はご存知ないかもですが、きよし師匠は政界にいらした時期があったのですが、その頃に、更年期障害の中、双方の親御さんを呼び同居しながら介護をされていた記録エッセイです。なかなか壮絶かつ勇気1000000倍な内容でした。

まだまだ、介護保険やサービスなんかがろくに確立していない時代。
お金がありはるやろし、いろいろやってもらいながら見てはったんやろなー!
メンタルの参考になるかしら?とだけ思って手に取りましたが、とんでもない!大変なご苦労をされていました。
あの笑顔のヘレンさんが、家出をしたり、死にたくなるほどに追い詰められたり。
しかも、ご主人を仕事や政界に笑顔で送り出し、自身は講演会など仕事もやり…
もちろん、お子さんやご主人、まわりのご家族の協力があってですけれど、3人同居介護とはとんでもない様相でした。
読みながらクタクタになったのを覚えています。

でも、時に、挫けたり喚いたりしてもいいと言うことを教えてもらった一冊です。
更年期障害との関わり方もとても参考になりました。


そして…
高齢者の夫婦は、一方が認知症を患うと意地悪をしてしまうことがあると言うのも教えていただいた本です。

育った環境や苦労した経験、いろんなことがないまぜになり、一番甘えられる相手に向ける感情。一番大事なはずの人に意地悪をする…
お父様がお母様のカバンを裂いたりする…と言う点は、驚きながらもすごく勉強になりました。(そういう意地悪なことは女性がすると勝手に思い込んでいたので…)

そうか、そうなのか。
男女は関係なく、いろんな人にいろんな思いと感情から出てくる症状なんだなぁと理解しました。


あと驚いたのが、お義父さんをお風呂に入れるために、ヘレンさんが水着を着て一緒に浴室に入られたこと!!!なんだって⁇という驚愕の事実でした。。。

その昔の介護は、今と違っていいところもあれば、壮絶に大変なものもあっただろう。

それは、逆説的に言えば、今の方が大変なこともたくさんあるかもだけど、助かっていることもあるのだと思う。


介護をするしないはもちろん、主軸になるのか脇役になるのかということ。
そこにはいろいろな思いの種類とか濃度とかがあって、一概に何とも言えないけど…

ただ、自己満と言われることもあるかもだけど、ヘレンさんのように裸で剥き出しの気持ちをぶつけ合うような介護で得る経験は、また、ある種の大きな財産になるんだろうなぁ、、、と思いました。私にはできるかわからんけど。
すごい!


最近の軽やかな介護エッセイとはちがい、ものすごい熱風のようなパワーのあるエッセイです。
嵐の中を傘を盾に突き進むヘレンさんを家族が時に盾になったり傘を一緒に支えたりという感じの暑くて熱い介護のお話。

働きながら介護されている方は、私以上に共感もあるかもしれません。

良ければ、先輩の本、読んでみてください。
すげーです。

あの笑顔とお着物がずっともっとカッコよく見えますです。

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