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アルジャーノンたち

ねずみが実験場を這い回る

生活と生活の間を行き来する

キイキイなきながら 糧をかじる

丸まって部屋のすみで浅くねむり

どこまでもとじた塀をみあげ、

遥か上方が青いことをただ有難がっていた 


ある日、

塀を登ってみようと思いつく


塀を登るのはほねが折れる

這いずることばかりしていたから

足や腕は半ば萎えていて、

おもたい尻や あたまや胸を持ち上げるのに

なんべんも失敗しなくてはいけなかった

ようやく開けた視界には


自分が這いずっていた迷路のかたちがみえた

その周りには無数の似たような迷路と

やっぱり無数の似たようなねずみがいて、

ちへいせんの果までつづく曼荼羅を

つくっているのだった

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