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Sansan企業研究(作成日:2022年6月)

25卒に送る企業研究シリーズ第1回目として、Sansanを取り上げて解説していきます。ITベンチャーとしては知名度はfreee, CAよりは劣っていますが、SaaS業界では売上No. 1のメガベンチャーです。

全く知らないよって人は以下のcmみたら聞いたことがあるはず


SansanはIT業界のどこに位置するのか


IT業界マップ

よくIT業界は上記5つに分類されるので、それであてはめて考えた場合、Sansanはweb系企業に分類されます. 

IT業界マップの用語説明

  • 通信:ITネットワークを作る会社

  • SIer:ユーザーからITシステムの構築をお願いされ、そのシステムを作る会社. ただし自社パッケージをユーザーの要件に当てはめて売るERP会社(オービック、SAP、大塚商会)などもSIerに分類される場合がある

  • ソフトウェア:おもにOS周りのソフトウェアを作る会社

  • ハードウェア:実際にハードウェア(パソコン本体やキーボードなどの物理的なもの)を作ったり販売している会社

  • web系:OS側からは遠いシステムを作る会社. ソフトウェアとweb系は明確な違いがない為難しいけど、いわゆるITベンチャーとかデジタルマーケティング系の会社は全部web系といって差し支えないはず。SaaS企業もweb系に分類されますが、SaaSの中でもERPはSIer側に分類される場合がある

まあ一応分類分けはされていますが、web系やりつつSIerもやる企業なんて山ほどあるので全ての会社をこの分類に当てはめて考える必要も特にありません.

企業概要

  • 設立2007年、上場2019年にした急成長中のITベンチャー

  • 事業内容:法人向け及び個人向けの名刺管理サービス「Sansan」を提供

  • CEO:寺田親弘(当社の33%の株を所有する1代目オーナー企業、慶応卒、新卒→三井物産でシリコンバレー勤務経験ありというキラキラぶり)

  • 社員数:1217人(2023年)

  • 社内制度が「Know me」「H2O」「M2O」など独自のものが豊富

  • 新卒では、総合職、エンジニア、研究開発、デザイナーを募集

  • 初任給:職種問わず月給 400,000円+賞与(想定年収5,600,000円)

  • 住宅手当:近隣住宅補助制度あり

  • 四季報によると[年]644万円

会社特徴

一言で言うと、「総合職、エンジニア、研究開発、デザイナーいずれでも箔のつくキャリアが得られる優良SaaSベンチャー企業」

Sansan全体の職種別割合で見ると、65%が総合職、27%がエンジニアでもあり、SaaSの中でも営業色が強め会社。以下の動画では、SaaS特有の職種であるカスタマーサクセスの観点からsansanについてレビューされていました。日本のSaaSとしては歴史の長い企業であり、カスタマーサクセス、つまり営業に非常に強みがる会社であるとポジティブなレビュー動画となっています。ちなみにこの動画以外にも面白いチャンネルなので見てみて下さい。

気になるのが1年目の年収が560万円とめっちゃ高額なのに、四季報によると平均年収が644万円で昇給がしずらい企業なのかな、という点です。まあSaaS業界は全体的に薄給なのでそれを踏まえると十分高いとは思うのですが。

有名SaaS企業の年収ランキング(2022年の四季報より)

  1. freee 716万

  2. マネーフォワード 647万

  3. Sansan 644万

  4. ラクス 619万

  5. インフォマート 613万

  6. サイボウズ 611万

ちなみに、他のIT業界の年収の目安は以下の通りです。

有名SIerの年収ランキング(2022年の四季報より)

  1. NRI 1232万

  2. CTC 941万

  3. NTTデータ 852万

  4. NSSOl 844万

  5. SCSK 752万

  6. TIS 741万

有名通信企業年収ランキング(2022年の四季報より)

  1. NTT 952万 ※持ち株会社であるため、NTT docomoの年収ではない

  2. KDDI 945万

  3. ソフトバンク 808万

  4. 楽天 774万 ※通信で儲けている企業ではない為、正確には通信会社でない

有名ハードウェア企業年収ランキング(2022年の四季報より)

  1. 日立製作所 896万

  2. 富士通 859万

  3. NEC 814万

有名web系企業年収ランキング_SaaSを除く(2022年の四季報より)

  1. ヤフー 1074万

  2. リクルートHD 997万円

  3. メルカリ 968万円

  4. DeNa 850万円

  5. サイバーエージェント 817万円

  6. 楽天 774万

  7. ZoZo 573万円

以上の例を見ると、web系企業(SaaS)は年収がピンキリで全体的に低くなることが分かります。まあweb系企業は社員平均年齢が若いのも大きな理由でもあるでしょうが。

どんな人にお勧めなのか

結論、「SaaS業界で転職ありきでキャリアを歩んでいきたい人」です。有価証券報告書によると平均勤続年数が2.6年と平均勤続年数が短いITベンチャーの中でも非常に短い企業です。

起業家を多く輩出する企業の平均勤続年数

サイバーエージェント 6.3年
リクルート 6.2年
楽天 4.7年

楽天とかは特に、キャリアアップや将来起業前提で入る人が多い企業として知られていますが、そんな楽天でも4.7年です。OpenworkやライトハウスでSansannのレビューを見る限り仕事内容自体には満足している人が多いですが、給与には満足している人が少なく、能力が高い人も多いことがあって転職するのが多いのでしょう。

実際SaaS業界だとSansanは知らない人がいない企業ですし、キャリアに箔をつけるという意味でも、入社できるなら入社したい会社です。

事業内容について


売上、利益の推移

売上についてはとても順調に伸びている企業で、ビジネスモデルがSaaSということもあり、粗利率も脅威の87%!営業利益が出てないのは、SaaS企業あるあるですね。成長中SaaSのKPI(目標達成の為の定量的な指標)の多くは「顧客数×単価」ですので、Sansanもまだまだ成長過程と判断できます。

逆に売上が頭打ちになってくると、営業利益率が上がるというのがSaaS企業です。


事業ごとの売上と利益
Sansanの2大事業

https://data.swcms.net/file/ir-corp-sansan/dam/jcr:e6e767c3-aeee-4d05-b5b4-e32b44f35770/140120220713599033.pdf

Sansanは事業内容を大きく2分割しており、以下の2つからなります。

  • Sansan/Bill one事業:法人向けの名刺交換サービス「Sansan」を軸とした営業DXサービス

  • Eight :個人向けの名刺管理サービス

Sansan/Bill one事業は、名刺を通じて営業を広げる「営業DXサービス」として2022年ごろより売り出しています。かつては、単に名刺管理ツールだったのが、請求書受領サービス「Bill one」や契約業務サービス「Contact one」などを組み合わせることで営業DXサービスへとジョブチェンジを果たしたということです。

EightはイメージとしてはLinkdinが近いです。Eight事業はまだまだ利益が出ていませんが、フリーランスが増える今後の国内状況を考えると、十分普及すると考えてよいサービスだと感じます。

出しているサービスが日本の潮流の一歩先を行っているので、そこも注目度が高い企業といえます

選考について

実は筆者もSansanにはプリエントリー(総合職)まではしたのですが、プリエントリーしたのが4月の中盤頃で既に内定も持っていたので、結局ESは出さずに終わってしまいました。

ちなみに、私がプリエントリーをした翌々日にはプリエントリー(総合職)が締め切られていたので4月に出すのだと遅すぎます。エンジニア職は4月半ばでは既に締め切っていたはずです。

選考部分について詳しく話せればよかったのですが、私自身経験がないのでお役に立てず申し訳ないです。去年の今頃年SaaSに注目さえ出来てれば100%受けていたであろう企業、、、

SaaSに興味がある人は、まず受けて間違いないです!!!

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