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「ポーランド、ウクライナへの武器供与を停止へ 穀物輸出で対立」BBC 2023/9/21

【記事の要約】
ポーランド首相は20日、ウクライナへの武器供与をやめると表明した。穀物をめぐる対立も背景にある。ウクライナ侵攻により黒海の主要航路がほぼ全面的に閉鎖されて以来、ウクライナは穀物輸出を陸路で行ったため大量の穀物が中央ヨーロッパに流れ込んでいる。欧州連合は穀物価格の下落を恐れる農家を保護するため、ポーランドを含む5カ国についてウクライナ産穀物の輸入を一時的に禁止した。EU加盟国が個々にEU圏の通商政策を決めることはできないが、禁止が今月15日に解かれた後もポーランドを含む3カ国は継続を決めた。ウクライナは、輸入禁止措置は国際義務違反だとして世界貿易機関に提訴した。

【私の考え】
ウクライナ産穀物の輸入がヨーロッパの農家に損害を与えないことがEUの調査で明らかになったため、輸入禁止措置を継続したポーランドの対応は、世界貿易機関をはじめ、EUやウクライナにも受け入れられないものである。このように不利な状況でも禁輸措置を継続したことから、ウクライナ難民の受け入れやウクライナ産農産物に対する、ポーランド国内の不満の声の大きさが分かる。しかし、一方的な禁輸措置で損害を被るのは、ウクライナ農家や穀物価格の上昇の影響を受けるポーランド国民である。また、国益が真向から対立する問題は、世界貿易機関など国際機関の規則で解決を試みることが有用であり、提訴自体は悪いことだと考えない。


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