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BL(主に小説)が楽しくて仕方がないから話をしたい!!⑤凪良ゆう「美しい彼」原作とドラマと

 私が初めて触れたBL小説です。
 本屋大賞の「流浪の月」の少し投げやりな優しさがと空気感がとてもよかったので作家買いをしたらBLでした。
 BL小説最高じゃん! から始まるBL小説ライフ!!

 BL小説を読み始めて知ったサイト「ちるちる」でも、不朽の名作の1位に選ばれていた小説です。
「流行りモノはちょっと」「アカデミー賞よりカンヌ派」とか斜に構えるお年頃は終わりました。多くの人が「いい」というものはやっぱり「いい」んです。「美しい彼」は端的に「最高にいい!」小説でした。
 最初に出会った小説がこれじゃなかったらここまでハマらなかったかも知れない!!

 簡単なストーリーとしては、スクールカーストの頂点と底辺にいる2人が主人公です。底辺に君臨するいじめられっ子の平良は毎日をただ過ごしています。
 楽しいことも将来への希望もなく、クラスメートから掃除や雑務を押し付けられてたまにパシらされて生きています。自分にも自分の周囲にも何の興味もありません。
 そこでスクールカーストの頂点に君臨するキング清居を目にします。その圧倒的な美は平良にとって天啓でした。一直線に清居を崇拝するようになります。
 からかわれてもパシらされても清居が近くにいれば至福、それまで培われてきた倫理観もへったくれもありません。
 そして清居も、その狂信的まなざしに惹かれていきます。

 ですがどうやっても会話が成り立ちません、だって清居にとって平良は「同級生」ですが、平良にとって清居は天啓「崇拝」の対象です。その言葉はご神託ですから会話のキャッチボールなど存在しうるはずがないんです。

 そのボタンの掛け違いが面白いところですが、その面白さでさえこの小説の面白さのほんの一部なんですよ。面白さの深ささが止まらない!!

平良はパシらされても優しくない言葉をかけられても清居を見続けます。ねちっこく絡みつくような視線を投げ続けます。
「こうやって清居を見ることができるのは高校生の間だけ」
平良は高校を卒業したときに、清居のそばにいることを清居に近づくことを完全諦めます。
「さよなら俺の青春」てなもんです。
 あれだけ狂信的なまなざしを向けられていた清居の気持ちなんか1ミリも考えません。

「あんなに惹かれる人は二度と現れない」
「夜空に輝く星だから、住む世界が違う」
 と高校を卒業してからは、ただのファンとして遠くから思い続けるだけのつもりだったのにまた清居と出会ってしまいます。それから先、そこに至るまでの平良の境遇や気持ちの変化が丁寧に描かれています。執着、より「崇拝」の偏執的変態的ピュアな恋心です。

 読んでる私は壁になってるはずなのに、無機質な壁なのに清居が平良に一瞥をくれただけで感情目盛りがキューンと上がっちゃいます。

 でもこれ「応援してる」って感情なのかなー、応援はしてるんだけど「もっと気持ち悪い偏狭っぷりを見せてくれ」って感じです。清々しい気持ち悪さを見たい!

 夜空に浮かぶ星に例えられる清居は、ドラマなんかにできるわけないと思ってました。
 だって星ですよ?
「星」を体現できるような人が三次元にいるわけないじゃんと思ってました。
 なのに、いましたね。美の具現でしたね。
 キング オブ 美。
 よく今まで無事に生きてこれたなってぐらいの美でした、黒蜥蜴がいたら確実に捕らえられてました。今の時代で良かったね。

 そして平良ですが、「髪の毛もさっとさせてダサ眼鏡をかけてるだけの一見してイケメンのアイドル」とかが演じるのかと思ってたのにしっかりヤバめの平良でした。髪型も服装も歩き方もダサに振り切ってますが、原作の通り「腰の位置が高くてスタイルがいい」。いやそれよりも清居を見詰める表情がヤバい、ちゃんとしっかりキモい。でもって髪型と服装を整えたらイケ平良になるのが高解析で見える。
 あなた平良だわ。 まさに平良だわ!
 平良もいたわ!!!

 小山が「少動物っぽいかわいい系」なのも想像通りでしたよね、いやぁ裏切られない。安心感。ただ想像より背が高い、あんな小動物顔で背が高くてスタイルいいってどーゆーことだってばよ。

 ただ最初の設定が「スクールカーストの」ってとこなので、シリーズ第一作の前半では平良がツラい状況にあります。何度も読み返してる本ですが、そこだけは読むのツラくて飛ばすときもあるんですよねー。それでも読んでいくと引き込まれちゃうけど。

 次で最終回なので「美しい彼」について話したくって、書き走りました。すっきり。
 読み直しもせずに上げます。おやすみなさい。

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