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東雲駅が教えてくれた教訓

遡ること16年程前。高校の同窓会が久々にあった。高校時代に話さなかったある人とたまたま話が盛り上がり、連絡先を交換することになった。当時彼は、渋谷区内にあるとある大学の4年生。私も割と近くの学生だったこともあり、同窓会後に何度か連絡を取ってから会うことになった。時は12月。卒論の提出が丁度終わったこともあり、以前から憧れだったお願いを彼にしてみた。それは、大学の門前まで迎えに来てもらうことだった。運良く、すんなりオッケーしてくれた。授業が終わってから門に向かうと約束通り待ってくれていた。そこから渋谷駅まで歩きながら散歩をした。何を話したかははっきり覚えていないけれど、将来の夢や好きな人のタイプ等話したんだと思う。渋谷駅まで着くと、109 2 にの2階辺りにあったカフェに入った気がする。そこで支払いをしようとしたら彼から「今日は俺の前で財布見せなくていいから。」と一言。男性からそんなことを言われたことがなかった私は、少しばかりの男気を感じ、その日以来彼を意識することとなった。

その日からまた会うことになったと思う。意識し始めてからというものの彼の好みが気になり始めた。どんな人が好きなんだろう?。。。と考えることが多くなった。そうこうしてるうちに、また会うことに。そこで言った一言が、「俺のタイプ?うーん、雅子さまみたいな人かなぁ。」だった。それを聞いた私は、どういうことなのかすぐにはわからなかった。しかし、デートの途中で決定的にわかる出来事があった。

とある日のデートでりんかい線に乗ることがあった。その途中にその駅はあった。その名も東雲駅。その駅を通過する時に彼は私にこう聞いた。「ねぇ、この駅の名前なんて読むかわかる?」当時の私はしののめと読めず、「うーん。」と言った。それから彼は「俺、こういう漢字が読める人がいいんだよね。」と言った。

その日以来、私は東雲駅の読み方を忘れることはなかった。そう、ハイスペックなその彼が私に伝えた雅子さまのような人とは品があって、賢い人という意味だったのだ。

私がその日以来得た教訓がある。それは、ハイスペックな男性は、やはりハイスペックな女性を求めるということだった。相手に追い求めるだけでなく、自身も相手に見合うように努力するべしということだ。恥をかいたけれど、教えてくれた教訓は今でも心に残っている。




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