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Vシネ仮面ライダーオーズを見てきた


*自分語りのあとネタバレを含みます

34歳グチャグチャの感情のままに書きます。
まず私のオーズ遍歴を。オーズが始まる前、おもちゃショーで次のライダーはメダル!とサンプルを見てその時点で、良いじゃん!とかなり興味津々だった。
電王以降ライダーを見ていたので見始めて、9話でラトラーターが出た瞬間どっぷりオーズに落っこちた。
どのくらい落っこちたかと言うとこれを書きながら確かラトラーター初出は9話だったよなと思い、念の為調べてもやっぱり9話だったくらい忘れ難いし多分何度も見てるくらいには落っこちた。

ラトラーターの良いところはライドベンダー(鴻上ファウンデーションが設置している自販機型バイク)がトラカンドロイドとくっついてトライドベンダーというバイクになるという特殊なギミック持ちフォームなところ。
トライドベンダーって登場する時ロデオみたいに跳ね回るんだけどそれがまた可愛いのなんの。
その頃ちょうどサゴーゾコンボメダル発売時期とかでそっから戦い、もとい多々買いが始まったわけです。

オーズ玩具で1番並んだのは近所のイトーヨーカドーに7つだけ入荷するメダルホルダーを発売日に買うために夜中の01:00からその日は雪が軽く降ってたのに店の前に並んだのが1番。
ちなみにメダルホルダーは良い。今も良いと思い続けている。アンクが常に携帯しているという設定のメダル収納ケースなんだけどあれは劇中プロップと遜色ない出来でかなり良かった。メダルもそうなんだけど、本物感がたまらない。
劇中プロップと言えば里中くんが使っていたバースバスターは玩具版をリペイントして小道具に昇華したものだとか。なので、伊達さんたちが使うものと並んだ時に少し小さいわけ。早口のオタクになってしまうのきもちわるいね。


ショーイベントにも行ったし映画も見たし、終了後の小説も読んだし、放映中の1年間はずっとずっとどんな小さな小ネタでも拾って行って(ドクター真木のキヨちゃんは当時Amazonに売ってるもの組み合わせるだけで作れるなどの情報収集……)毎週のように発売、再販されるガチャやおもちゃなどを買うために並んだりし続けた。
不人気と名高い玩具メダジャリバーすら持っていた。

いまだに、ドクター真木の詰所に飾ってあるサイゼリヤの絵みたいな巨大なキャンバス絵はポスターで良いから欲しい。あとタジャスピナーホットサンドメーカーが出たらこれは調理器具だからって言って買うのでバンダイさんよろしくお願いします。

生活にオーズがぴったりとくっついていたところに本編のあの最終回。
今思い出しても涙が出てくる。アンクがアンク自身の言葉で「お前を選んだのは得だった」と言うわけ。
得か損って言葉しか分からない怪人アンクが最大限に発揮されていて、このキャラはそんなこと言わない!!!!!!!とかそう言うガッカリしぐさをすることなく!
コアメダルが2つに割れてアンクは消えるし映司は旅に出る。
もうね、「仮面ライダーオーズが無い」という喪失感が本当にすごくてすごくてもう毎日生きていても新しいオーズの情報も映像も音楽も何も生まれないのかと思う1週間は本当に落ち込んだ。
その後映画とかでちょこちょこスポットライトを浴びたりしてアンクもなんか蘇ったりして、気持ちの面でアンクと映司が居る世界線に引き戻されていたんだよな。

そして、友達に誘われて03/12初日に観てきた。
正直、ここ数年のライフスタイルの変化で断腸の思いでオーズの玩具もブルーレイもフィギュアーツも売れるものは全て買取業者に捨て値で2年ほど前に売り払った。ブラカワニのフィギュアーツは何故か箱が見つからなくて売れずに取ってある。あとメダルホルダーとメダルだけは嵩張らないしそこは自分的にオーズという作品のコアの部分なのでこれだけは取っておこうと実家に置いてあるけど、もうどんなにオーズのことが好きだとしても玩具、フィギュア、グッズは買っても仕方ないし新作見たら色々欲しくなってしまうことを危惧していたから映画をやるのも薄目で情報を入れるようにして機会が無ければ見ないまま終えようとしていた。


*ネタバレ開始

映画が始まる前から正味1時間でどういう感じにするのかな、30分30分みたいな構成かなと思ったら初手から謎のレジスタンスと化すチームクスクシエ。なんか火薬の量だけやたら多く設定がとっても変だったけど、まぁアンクがアンクのまますぎて10年間コールドスリープでもしてたんか????って感じなのとか、とにかく各俳優さんたちの変わらなさ、若手俳優さんたちはいい意味で成長された姿をずっと目で追っていた。
ガメルも本当全然変わらなかったね。
1時間しかないから映司への違和感、その正体もサクサクと種明かしされて上映時間の大半は映司とアンクだけど映司とアンクじゃないバディを見させられていた。
この時点で不穏だし、決して楽しい気分になれず結構気持ちが映画とかで復活するよりも前の本編最終話の映司とアンクが2人揃うことは無いんだって気持ちの頃に戻され始めていたんだと今振り返ると感じる。

でも、映司の欲望から生まれたグリードだけあってアンクのためにあんなインフラが完全に死んだような荒廃した世界のくせにアイスを準備してくれていたのはとても良い。
やることなす事映司なのに、映司じゃないくせに映司と同じ声と姿で「アンク」と呼ばれるたびに「気安く呼ぶな!」と都度抵抗していたのが(紛い物のくせに)気安く呼ぶな!という憎しみが透けて見えて本当映司(とひなちゃん)にしか懐いてない怪人を垣間見て五体投地した。ありがとうございます。

秀くんのオーズ変身をやってみたかったと平然と言い退ける怪演も薄気味悪くて素晴らしかった。
あとは普通にセルメダルしか無かったカニエビサソリがコアメダルとして見れたのは嬉しかった。
映司との対話のシーンは文句なし。アンクがアンクらしからぬ涙を流すシーン、本当下手したらこんなのアンクじゃない!!!!とブチギレそうになってもおかしくない演出なのに全然そうならなかった。もうね憔悴しきって流す涙に近かったのが良かった。

後でパンフを読んだらあのシーンは映司は泣かない予定だったのに泣いてしまったと書いてあり魂を込めて誠心誠意あの2人は演じていたから、薄寒いお涙頂戴のシーンにならなかったのかと納得。
なんやかんや言うて、映司女の子を助けられたのが分かって生き返るでしょ?もしくはしばらくアンクが乗り移ってれば体調も良くなるのでは???と一縷の望みにかけたけどダメでした。
ラスト、あれはそうなるべくしてなったと理解はできるけど10年越しでまた最終話のあとのようなグチャグチャに辛く苦しい思いをさせられるとは想像してなかったので本当に今は無理。
映画終わってからグチャグチャの心と顔で声を発することも立ち上がることもなかなか出来なかった。
数年ぶりに会った友達と割とシュンとしたまま別れた。

でも、そもそも本編設定などからしてもオーズにはハッピーエンドなんかどこにも無いのよ。
だってグリードは半永久的な存在でアンクは生物じゃないのでいつか必ず映司、ひなちゃんとは生き別れる、グリード体のままでは味が分からない=匂いもなく記憶を辿る手がかりが少ない。悠久の時を経てみんなのことがあまり思い出せなくなるほどに長く存在しないといけない存在、それがアンクなわけよ。

交差する運命としては設定からして苦痛しかないオーズなのでこの終わりは手から切り落とされるか足から切り落とされるかくらいの差でどこかで必ず悲しい姿を見ることになる作品なので解釈は完全一致でした。
それはそれとしてオーズ辛い有給の取得をしたいくらい今現在辛い。

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