「井戸水」 は 「いどすい」・・・

「井戸の水」は「井戸水」と書いて「いどみず」。

 先日テレビを見ていて、「あれっ」と思いました。出演者の一人が井戸水のことを「いどすい」と言ったのです。司会者や他の出演者は、別段気にする様子もなく、番組は進んでゆきました。

 日常では「スイ」と読むのが多いです。(漢字が三つの場合です)
天然水、地下水、伏流水、飲料水、地下水、深層水、化粧水などなど。
「みず」と読むのは少ないようです。
 
 以前「鉄砲水(てっぽうみず)」という言葉がありましたが、今は「土石流」が使われています。
 
 井戸も水も和語で「いどみず」でいいのです.

  日常の生活では「スイ」という場合のが多いので、それに引っ張られ、「いどすい」と清音(せいおん:濁らない)で言ったのかなと推測しています。


*和語の場合、例えば、「本」と「棚」が結びついて「ほんだな(本棚)」、箱と結びついて「ほんばこ(本箱)」といったような現象があります。
「連濁(れんだく)」といいます。結びつく後ろの言葉が「濁音(だくおん)」になることをいいます。濁音になることで新たな言葉になるわけです。清音になることはありません。それだけに、私には一層注意を惹きつけられたのです。
 「いどすい」は、声を大にして「誤用だ」と言って、非難する気持ちはありません。

 使い勝手のいいように、人は言葉を変化させてゆくものだと考えています。
 (そういう流れに対して、少しは、抵抗してみたい、という気持ち、なくはないのですが。)

 日常生活の中で、無意識のうちに、周囲から(ネットも含めて)、多くの影響を受けています。言葉も、以前よりも、速く、大きく、変わっていくことでしょう。その移り変わりをよくよく見つめていきたいと思っています。



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