一方通行、行き止まり

こんばんは、teto.です🐺
世の中、会いたくても会えないということが多すぎやしませんか。
「このご時世だから」とか関係なく、会いたい人に会おうとすると、とことん神様に邪魔をされている気がします。

例えば、近々関西に一人で旅に出る予定があったのでその時ついでに関西に住んでいる友達に会おうと思っていたのに飛行機往復運休✌️だとか、サークルの元バンドメンバーと一年ぶりとかに遊べてしかもお泊まり会で合法飲酒大パーティができると思っていたのに緊急事態宣言✌️だとか、推しという推しが人生で初めてできてやっと推しのために生きられる人生になって幸せだと思った矢先に推しの働いているお店が今月いっぱい休業✌️だとか。

まぁ、これらの例は某コロッケが原因であるものの、他にも「会いたくても会えない」案件が多すぎて、私そろそろ干からびる気がします。
「会いたい」という感情が湧くということはその人に対して特別な感情を抱いているということと、今の自分にとって必要であると判断しているということだと思うので、お薬と一緒で「切れたら終わり」なんですよね。とても持論ですけど。

本題:ずっと会いたいと思っていたのに気付いたらいなくなっていた件

悔しい。
何が悔しいかってのは本題の通り。
とても噛み砕くと「死ぬ寸前だったあの頃の私を生かしてくれた元セフレが物理的に遠くへ行ってしまってそろそろ会いたいな〜と思っていたのに気付いたら彼女ができていた」というもの。
以下は、元セフレとの出会いや惚気のようなものを記述するため、苦手な人には読むことを推奨しない。

私は、友達は友達、恋人は恋人、結婚相手は結婚相手、セフレはセフレ、という風に「その人のポジションを決めたらそこからずらすことができない」タイプの人間である。
だから友達をセフレにすることはできなかったし、セフレと付き合いたいとは思わなかったし、恋人と別れて友達に戻りたいなんて一度も思ったことがなかった。
割り切りの強い人間だからセフレ側からするととても都合の良い女だったと思う。
でも、それで良かった。それを私も望んでいた。

この元セフレは私が彼氏と別れてからヤケクソになってTinderで暴れていた頃に知り合った、不思議で独特な雰囲気を持った掴みどころのない人間だった。

初めましてをした瞬間に「あ、これ二回目はないな」と思うレベルで冷めている人間で、私の方を見向きもしなかった。
彼の家に着いても基本放置、無干渉。
彼はずっとベッドに寝っ転がってYouTubeを見ていた。しかもパズドラの実況。
私は完全にどうしたらいいのか分からない状態でリビングの床に正座をして二時間くらいフリーズしていた。
でも時々「何してるのー?」という声をかけてくる。「緊張して何もできないんだけど」と返答する。終わり。なんなんだ。

そのうち私もどうでも良くなって床からソファーに移動してダラダラ無言でスマホをいじっていた。気付いたら隣に彼がいた。この瞬間全てを察した。
この男、猫だ。
「かまってくれないから来た、なんかしよ」と言いゴロニャンゴロニャンし始めた。
猫だと気付いた私はすぐに扱い方を理解し、最初は掴みどころがなくて困っていた独特な雰囲気も「猫だな〜かわいいな〜」という気持ちで受け入れられるようになって、むしろ一緒にいるのが心地よい関係性にまでなった。
彼曰く「そんなすぐ僕の雰囲気に慣れる人は同性の友達でも少ない」らしい。才能なのかもしれない。

彼との出会いはこういう感じで始まり、いつの間にか週に一回のペースで会うようになった。
基本放置、無干渉。これは変わらなかった。
でも、猫のように気付いたらそばにいて、私が情緒不安定になった時はたくさん心配してくれた。
夜行性の二人は何度も夜が明けるまで話をして、時々コンビニに夜食を買いにお散歩をした。
そして朝になったら眠る。二人で夕方まで眠ってまったり過ごすのが私にとって週一の楽しみだった。
隣にいてくれるだけで安心できるそんなセフレだったのだ。

「依存」だったのかもしれない。セフレに依存。
要するに、ただのセフレ沼。
けれど、私は彼との性行為が好きで依存をしていた訳ではなくて彼と過ごす時間やその場の空気感が好きで、精神安定剤と同じようなそんな安心感を与えてくれる大きな存在だったから依存をしていたのだと思う。
その頃の私は何よりも寂しかった。空白だった。
「生きる意味などない」「早く死にたい」などと思いながら毎晩大量のお酒を飲んで睡眠薬を飲んで嫌なことは考えないように記憶を飛ばして這いつくばって生きていた。
だから記憶も過去の思い出も心も全部空白だった。
その空白を幸せで埋めてくれるセフレが大好きだった。命綱だった。

その頃の彼は大学四年生で就活が終わって残り数ヶ月の大学生活を過ごしていた。
職場の配属先によっては地方に引越しをすることになるということを聞かされていた私は不安と寂しい気持ちでいっぱいで、会う度に「配属先は決まったの?」「引越し準備始めたんだね」と言っていた気がする。
結局、配属先は私達が住んでいる市から特急電車に乗っても四時間はかかる地方の市だった。
四時間かけて会いに行くということ。
それは仮に恋人同士であったとしても、そう頻繁にできることではない。お互い時間もお金も限られているわけで。

気付いた頃にはもう彼は引っ越していた。
新しい環境に慣れるのが大変だと毎日のようにLINEをくれた。時々スーツ姿の自撮りもくれた。可愛かった。頑張っているんだな、私も頑張らないと、と思わせてくれた。離れていても助けられてばかりだった。
そして、やっぱり会いたかった。
「ゴールデンウィークにはそっち遊びに行こうかな」とか「こっち遊びに来てくれたら美味しいラーメン屋さんに連れて行ってあげたい」とか「会いたい」とか、そんなことを言ってくれることもあって嬉しかった。会いたいのは私だけじゃないんだなって思わせてくれた。
言葉だけでも充分に満たされ、私は元気と生きる意味を貰えた。

引っ越してから2ヶ月くらいが経った頃、唯一繋がっているSNSのLINEで既読がついたまま返信が来なくなった。
私もその事実に対しては何も悪く思わなかったし、「まぁしばらく会えないのは確定だし仕事とかも忙しいだろうしLINEくらい返ってこなくてもしょうがないよね」くらいに捉えていた。

あまり良くないことなのだろうけれど、私は彼のTwitterのアカウントを本当は知っている。
先日、久しぶりに見に行ってみたら「彼女ができた」という内容のリプを見つけた。

「彼女ができた」

元セフレに彼女ができたらしい。
私が会えなくて寂しくてずっと会いたいと思っていた間に、彼には彼女ができていたらしい。
そうか、だからLINEは既読で終わったのか、もう本当に会えなくなっちゃったのか、と気付いた。

彼を恋愛的に好きだった訳ではない。
彼を性的に好きだった訳でもない。
彼をたった一人の人間として好きだったのだ。

恋人持ちに手を出すようなクズ人間ではないと自負しているし、大切な人だからこそ幸せになって欲しいと心から願っている。
けれど、もう会えないのだ。
次に会った時は、美味しいラーメンを食べて、お家に帰って、弱いお酒でも酔っ払って甘えん坊になる彼の頭を撫でながら「最近お仕事頑張ってるね、偉いね」なんて言って、お互いの近況報告をして、私も沢山褒めてもらって、いっぱい笑って泣いて、また夜が明けるまで話して、朝になったら一緒に眠ることができるのを楽しみにしていたのに。
もう会えないのだ。きっと、もう、しばらくは。

会いたい人には会えるうちに会っておくこと。
それでなければ会いたい人はいつの間にか会えない人になってしまうから。
どんな関係性でもそう。人は死ぬわけだし。

とても長い内容になってしまった上に、感情的に書いたせいで拙い文章になっている気がする。
まぁ、いいか。

それでは、サヨウナラ🐁

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