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眼科専門医更新のための単位取得プラン

【2023/04/05更新】WEB講習を受講した場合の単位上限について

以下のルールが2023/03/23に追加されたようです.

WEB 開催される生涯教育事業の出席単位について専門医制度委員会では、WEBで開催される生涯教育事業については、(中略)日本眼科学会総会および日本臨床眼科学会は上限の対象外といたします。

日本眼科学会 会員マイページ

新ルール追加したなら告知して欲しい笑

◆日本眼科学会専門医制度規則施行細則 資格更新基準

  • (1)専門医認定日から5年間以上、眼科臨床経験を有することを大学眼科主任教授もしくはこれに準ずる者、または、日本眼科医会会長が証明した者。

  • (2)専門医認定日から継続して日本眼科学会及び日本眼科医会会員である者。

  • (3)専門医認定日から更新基準に定めるところにより5年間に50単位を取得した者。

  • (4)専門医認定日から5年間に日本眼科学会総会において学会出席による単位を取得した者

  • (5)直近1年間の勤務実態の自己申告

  • (6)診療実績の証明(過去5年間の内、50症例の報告)の提出

  • (7)診療実績の証明・共通講習等を含む新専門医制度の50単位の取得

今回は(3),(7)で指す5年間に50単位取得するプランを考えます.

日本眼科学会HPより引用

a)診療実績の証明の5単位は週3日以上勤務していれば通常は問題なく取得できるはずです.
よって自ら取得すべき単位は45単位(2022年以前に専門医資格を取得している場合は40単位 後述)となります.

共通講習

共通講習は眼科の場合,日本眼科学会がHPで公開しているe-larning(医療倫理 1単位,無料)もしくは日眼などの学会会場で行われる現地参加orオンデマンド配信の講習などによる単位取得方法があります.(2023年3月時点)
また共通講習での単位取得は新専門医制度共通のため基幹施設・連携施設である医療機関が主催・開催する共通講習もあります.
しかしこちらは大学病院などで16時〜17時頃から行われるようで,通常の勤務医の場合は参加は難しいと思われます.
2023年に開催される「第127回 日本眼科学会総会」では専門医の場合,参加費2,000円必修講習A(医療安全、感染対策、医療倫理)の3単位を取得できます.(日眼に参加登録しなくても受講可能)
おそらく今後,必修講習B〔医療制度と法律、地域医療、医療福祉制度、医療経済(保険医療等)、両立支援〕の8単位も似たような形式で受講可能になるものと思われます.(1日に取得可能な必修講習の単位は3単位までなので,複数日程での開催になりそう)
任意講習 C(臨床研究・臨床試験、災害医療などに関する講習:1単位)に関しては専門医機構側でも開催予定は現時点ではないようです.
よって,必修講習で合計11単位取得できます.
また多様な地域による勤務(=地域医療)が認定された機構専門医は必修講習A の3単位のみの取得が必須とされているので,地域医療をされている眼科専門医は取得すべき単位は8単位少なく済みます.
しかしこちらに関しても,どのような地域が「多様な地域」として認定されるかは未定なようです.
また,2022年以前に専門医資格を取得している場合は必修講習3単位のみでOKです.(これが先述した40単位の理由)
今回は必修講習のみで11単位取得するケースを考え,残り34単位となりました.

生涯教育事業に於ける取得単位

c)眼科領域講習単位とd)学術業績・診療以外の活動実績単位の2項目があります.

まずはd)学術業績・診療以外の活動実績単位から考えます.
学術業績・診療以外の活動実績とは学会発表,論文発表,校医(5年間で最大2単位),市民啓発目的の講演(個人申請を要する)もしくは日本眼科学会雑誌に掲載されている生涯教育講座の解答オススメ!Web回答も可能,無料というか日眼会員費に含まれている)
こちらの単位は5 年間で最大10単位までしか取得できません.(2023/06/13修正 最大6単位と記載していました.)
学会発表や講演をしない場合,1つの学会に参加するたびに0.5単位付与されます.(2023/06/13追記 学会参加の単位上限は5年間で6単位)
※これは学会単位での計算であるため,日眼や臨眼のような数日に渡って開催される学会へ複数日参加しても0.5単位しか付与されません.
また地方集談会などでは後述する眼科領域講習単位は付与されても,学会参加の単位は付与されないケースが多いと思われます.
日眼会誌の生涯教育講座の問題は眼科専門医なら一般常識レベルの問題や,掲載されている論文のAbstractを一読するだけで回答できるものがほとんどですので,ここで単位をとっておくのはオススメです.
不正解でも単位は付与されるので提出することが大事.
年に8つの解答提出が可能で1年間に最大4単位取得できます.
5年間で6単位が最大なので学会参加の単位取得は考慮せずともこの項目は1年半でクリアします.
よって残り28単位です.

眼科領域講習単位

これが学会などで講演を視聴した際に得られる単位です.
最小27単位と記載されているのは共通講習の任意講習Cの1単位を取得しているケースです.

1~2名の講師による1時間以上の講習(特別講演、招待講演、指名講演)
複数の講師による合計1時間以上のプログラム(教育セミナー、シンポジウム、インストラクションコース、スキルトランスファー、パネルディスカッション等)などが対象で,1時間あたり0.5単位ずつ付与されます.
オンライン視聴(ライブ,オンデマンド問わず)の場合は1年間で取得できる単位は10単位までと定められています.(日眼,臨眼はWEB受講でも上限なし)
ハイブリッド開催でも現地参加でカードを提示した場合は単位付与の上限対象ではありません.
例えば「第127回 日本眼科学会総会」の場合,4日とも1.5単位ずつ取得できるので最大6単位取得できます.
2時間半の地方会なら30分は切り捨てで1単位となります.
2023年の日眼は参加費10,000円(事前登録)で6単位,2022年の臨眼は参加費18,000円(事前登録)で5.5単位,地方会なら1500円程度で1単位ですので地方会の方がコスパは良いです.
ただ全国学会は大手を振って外来や手術を休止して,全国の眼科関係者たちと交流できる場ですので個人的には全国学会派です笑
もはやオフ会.
5年間のうちに1回は日本眼科学会総会への参加は必須とされているため6単位取得するとすれば,残り22単位です.
その他の学会は臨眼しか参加しないとしても,4年×5.5単位(毎年最大5.5単位と仮定して)でちょうど22単位取得できます.(全てオンライン視聴の場合は上限10単位のため日眼と別の年で追加1.5単位必要,日眼と臨眼を別の年にオンライン視聴したり1.5単位分だけ現地参加して単位取得でもOK
日眼,臨眼は上限10単位の対象外なので気にしないでOKになりました.
よって最小限の学会参加でも1年程度の猶予はあるものと思われます.

いかがでしたでしょうか.
結構ややこしく書いてありますが,読み解くと意外と普通に50単位取得できそうな気がしてきます.
大学病院で縛り付けられて学会に行かせてもらえないような医局や,外来を閉めにくい開業医の先生方も1年1回程度ならなんとかなりますでしょうか.
先生方の参考になれば幸いです.(修正点などあれば下記Twitterなどからご連絡ください)

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