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「国民皆保険をなくしたい」は曲解か意図的切り取りか/名作朝ドラ『らんまん』ロス/これから視聴予定の映画

2023年10月2日

「X(旧ツイッター」で目に留まった”サントリーの新浪社長が「国民皆保険をなくしたい」と発言”というポスト(主は某映画評論家)。不買運動のハッシュタグまでつけられて目下拡散中。

が、こうした燃え盛る話題は一度冷静に見るべし。新浪氏はホントにそう言ったのか、どういう文脈での発言なのか、ソースはどこか。

発言の全文はこう。

「働きたい人がいきいきと長く働き続けられるために、健康寿命を伸ばす必要がある。そこでバイオ・ヘルスケアの新しい分野を成長企業として重点投資していただき、病気になってからの対症療法ではなく、元気でいられるための医療に切り替える。そのための医療制度・保険制度に作り変えていく。国民皆保険ではなく、民間がこの分野を担っていったらどうか」

「国民皆保険をなくしたい」とは言っていないし、そうとも読めない。発言は公的健康保険ではカバーしきれていない予防医療の分野に民間が参入する制度を―、の意味では?

その意味でも「サプリとか健康食品で儲かろうとしている。銭ゲバめっ!」と読めなくもないけれど、現状、サプリや健康食品は民間企業が市販しているもの。効果のほどはわからないけれどそこそこ高額なものも。そこを民間の保険制度でカバーするようになれば、今よりも貧富による健康格差は縮まるのでは、という話(あくまでも新浪氏の個人的意見)じゃないんですかね。

「国民皆保険をなくしたい」は曲解か、意図した切り取りか。いずれにしても不愉快。


不愉快ではあるものの、こうして日々些細なことに喜びや憤りを感じるのは人間らしいといえば人間らしい。そんな気持ちに寄り添ってくれたドラマ『らんまん』が終わってしまった。

朝ドラを見始めてまだ3~4年(初めて見たのは戸田恵梨香さん主演の『スカーレット』です)の朝ドラビギナーですが、『らんまん』は面白かった。いいドラマだった。

いかにもな不幸話はなく、これをいった悪人も登場しない。幸不幸、善悪、正否の描き方に抑制を効かせつつちゃんとドラマとして成立させている。

考えてみれば世の中もそう。悪人と思しき人にもそうでない一面もあるし、悪事の裏にはやんごとなき事情があるのかもしれない。意味がないこと、価値がないものなどない。そんなことを「草花」の姿に重ね合わせているように思えたドラマだった。

主演の神木隆之介さん、浜辺美波さんほか、若い役者さんたちの終盤の老け作りがほどほどなのも良かった。

これだけ好評だと次の『ブギウギ』(10月2日からスタート)に厳しい目が向けられそうだけど、個人的には好きな題材なので楽しみにしております。


そんなこんなでもう10月。ちっとも涼しくならないので夜のウォーキングにも行けず(正確には行かず)、なぜか"食欲の秋"だけは完全到来しております。

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
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ラストシーズンをスローペースで視聴のドラマ『高い城の男』 映画『ミスター・ガラス』の前作の一つ『スプリット』 先月からNetflixで配信されているアカデミー賞作品賞の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』  Amazon Primeではスピルバーグの『フェイブルマンズ』とリドリー・スコット監督×マット・デイモンの『最後の決闘裁判』など見たい映画は目白押し。

ハリウッド脚本家組合のストも合意という形で収束という嬉しいニュースも。

この秋、ちょっとやる気を出して頑張ります。


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