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2022年 私が見た「ベスト映画」を発表!

コロナ禍もはや3年。徐々に通常の生活を取り戻しつつある社会の中、2022年もたっぷり映画を楽しみました(160本/12月30日現在)。 

今年は映画批評の独学のため例年以上に古い映画を見たせいもあって採点がシビア。これまた例年以上に好みも偏っているような......、そんな「2022年に私が見たベスト映画」です。どうぞ。

2022年に見たベスト映画はコレ!

今年☆5つをつけた「今年初めて見た映画」本をザックリ紹介します。(順不同)

『カモン カモン』(2021年)

妹の9歳の息子を預かることになった独身男性。子育て体験を通じ自分の人生を見直していくというヒューマンドラマです。

監督はマイク・ミルズ監督。まさに”人生はビギナーズ”的なテーマと、現在や未来を描きながら「これもいずれ過去になる」と思わせるようなモノクロの活写が印象的。

ちょっと苦手なホアキン・フェニックスの主演作。推しのスクート・マクネイリーも光る1本です。

『ベルファスト』(2021年)

1969年内紛下のアイルランド・ベルファストを舞台にした監督ケネス・ブラナーの自伝的映画です。

ブラナーの自伝ー、ってだけで見る気が出なかった作品ですが、その完成度の高さに完全降伏。こんなふうに描かれたら辛い記憶を抱えるベルファストの人たちも救われる気がするんじゃないかな、と映画の力を思い知った1本です。

『スーパーノヴァ』(2020年)

20年来のゲイカップルに訪れる人生の終焉を描くヒューマンドラマ。
愛することはこんなにもせつなくて美しいものか、星空を見るたびに思い出すだろう1本です。

スタイリッシュに決めていないラフなコリン・ファースが泣けるほどいい。スタンリー・トゥッチに至っては、もはや神。素晴らしい映画です。

『痛いほどきみが好きなのに』(2006年)

(C)2006 By Barracuda Films, LLC. All Rights Reserved.

イーサン・ホークの原作小説の映画化作品で、自身がメガホンをとったこの作品。文字どおり痛い痛い失恋ストーリーです。

近年、枯れ具合が良くなってきたイーサン・ホーク。恋愛や親子関係のなかで傷つく姿をリアルに映し出す残酷で繊細な手腕に惚れ直しました。

『善き人のためのソナタ』(2006年)

1984年の東ドイツで反体制派を監視盗聴するシュタージ局員の葛藤を描いた映画です。

盗聴器から聴こえる他人の生き方や愛し方に触れ心が揺さぶられていく実直なシュタージ、ヴィースラーを演じたウルリッヒ・ミューエが素晴らしい。

旧東ドイツの歴史について学び直したくなった1本です。

『女と男の観覧車』(2017年)

子連れ再婚した女性の恋と葛藤を描く大人のラブ・ストーリー。1950年代のコニーアイランドの幻想的な美しさを背景に、こんなキッツい話をー。ウディ・アレンってやっぱり最高、と思わせる会心の1本です。

『グッド・ヴァイブレーションズ』(2012年)

アイルランド、ベルファストのレコード店主、テリー・フーリーを描く実話に基づいた映画です。

前述の映画『ベルファスト』から数十年経ち、なおも続く内戦のなか、パンクロックに生きる意味を見出すフーリー。音楽の力を信じたくなる1本です。

『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007年)

テキサス州を舞台に殺人鬼と狙われる美女たちの抗争を描くサスペンス・スリラー。

他愛もない会話、ド派手なカーアクション、グランドインハウスの雰囲気を再現したB級映画的編集などタランティーノ監督の映画偏愛が楽しめる1本です。個人的にも異色の選出。

『さよなら、私のロンリー』(2020年)

こそ泥家業の両親によって対等の存在として育てられた娘。その孤独な世界を変えていくある女性との出会いを描くミランダ・ジュライ監督・脚本作品。

こんな孤独な世界の中に「愛」を描く視線はすごく優しくてすごく残酷にも思える、まさにミランダ・ジュライの世界です。

2022年マイベストワンは、『ベルファスト』

2022年のマイベストワンは、『ベルファスト』です。

今年はこれといったお気に入りがないな、と思いつつ11月後半から駆け込み的に見た映画の中のひとつです。これと同じく駆け込みで見た『カモン カモン』がホントに僅差でした。
 
苦手なケネス・ブラナーとホアキン・フェニックス。子どもがメインというのも苦手。ともにモノクロ作品。過去を描いた『ベルファスト』と現在と未来を描いた『カモン カモン』。

さんざん悩みましたがワンシーン、ワンシーンの画力に勝る『ベルファスト』に軍配を上げました。

まとめ

以上、2022年のマイベスト映画でした。2023年もまた素晴らしい映画に出会えますように。



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