510円の[eSencia del Caribe]は極めて
あわなかった。
1.外観
ふっとい。でかい。
いわゆる「葉巻」と聞いて、真っ先に思いつくようなゴツさ、存在感。世間一般の葉巻のステレオタイプに、きっと近い。
リングはこんな感じ。名前のeSencia~の文字の部分はエンボス加工されている。凝ってるな。
ちなみに意味を調べようと思いDeepLに突っ込んでみると「エッセンス・オブ・カリビアン」と出てきた。どうやらこれがカリブ海のエッセンスらしい。
2.開封
先ほど、さも当然の顔をしてセロハン包装を剥がした後の葉巻の写真を掲載したが、実は包装をとる際に事件が起きた。
なんと、キャップが破損したのだ。
だが私には、初めての葉巻でキャップを破損させてなお吸い続けた実績がある。
今回の葉巻もまぁ、少しばかり……いや、べらぼうに太いが、きっと同じような感じでうまくいくだろう。
と、高を括っていた。
3.切断
キャップが破損しているため、吸い口をどのように切り落とすか頭を捻った。
正直、きれいに切るのはもうほぼ不可能といっていい。
かといってキャップを外してしまえば、ひと吸いで口内は秋の山肌だ。
そうだ。
Vカットしてみよう。
Vカットとは、なんかあの、こんなやつ。
決してセンシティブな画像ではない。
つまりこのような、吸い口をV字にえぐるようにカットするのがVカットとなる。
ということでいざ、実践。
失敗はしなかった。
だが成功したとも、言い難かった。
4.着火
ゆっくり炙ろうね。
炙ったら振る。
ついた。
5.喫煙
咥える。
ふってぇ。
吸う。
肺活量が足りねぇ。
火、消えた。
再着火。
ふってぇ。
吸えねぇ。
火、消えた。
5.工夫
直径がデカすぎること、吸い口のカットが微妙であること、葉巻を吸うのが得意でないこと。
非煙三原則を丁寧に則ってしまった私は今、岐路に立たされていた。
510円もの高級葉巻を捨てるか、否か。
捨てるのは忍びなさすぎる。かといって今の自分に扱える代物ではない。
どうするか。こういう時はまず、原因を分析することだ。
吸えないのは、太くてしっかり咥えられないということと、葉っぱが口の中に入ってくること、これらが原因だ。
つまり吸い口を細く、かつ葉っぱが口に入らないように、葉巻を直接口を付けなければいい。
思いついたぞ。
6.完成
でぎだ。
吸い口をラップでくるみ、終端をストローにつなげる。
これにより、ストローを吸った分の陰圧は概ね葉巻の吸い口にかかり、楽に煙をふかすことができる。
やはり天才か。
7.再戦
おお、吸える。吸えるぞ!
いや待て、しかし、これは。
あまり、うまくない。
8.喫煙
う~ん。
草。
これは笑いを表すネットスラングではなく、いかにも草といった香り。
原っぱが広がってる。
そして味がある。
この私にも分かるくらいには味があり、それは草の味。
あ、かつお節。
割としっかり目のかつお節。
あ~。
なんか。
気分悪くなってきたな。
9.結論
結局一度では吸いきれず、二日に分けて吸った。
40分を二度、約80分が合計の喫煙時間だった。
しかしどちらも20分程度過ぎたころから気分が悪くなり、「なんでおれはこれを吸ってるんだろう」と我に返ることもしばしば。
510円もの葉巻といえ、それが良いものである保証など、いや、それが好みかどうかはまた別の問題だということだ。
はい。
そんな感じ。
ここはどこだ