見出し画像

DAISO 300円イヤホン Part3

 初めてDAISOの300円イヤホンを使ってから、およそ1年。

 2個目のDAISO300円イヤホンを買ってから、およそ8か月。

 3個目の300円イヤホンである。


 初めてのイヤホンは、購入4か月目にして、愚かしい「体の下に入り込んだイヤホンを取り出すために引っ張る」という恐るべき力業の結果、あえなく断線した。

 それ以降、私は300円イヤホンを100円のイヤホンと同列には扱うまいと、固く心に誓ったはずだった。
 だのにもはや新たなイヤホンに手を染めてしまったのは何故か。それについて、少し弁解させていただきたい。


弁解

 二代目である青い300円イヤホン、いわゆるAluminumもどき(以下もどきと呼称させてもらう。詳しくはこちらの記事から!)は傾斜したハウジングや、深みのあるブルーなど、音質に留まらずデザインも優秀なイヤホンであった。
 相変わらず絡まりやすいコードも、その煩雑さの引き換えとして、購入後8か月が経過しても柔らかいままと、致命的な欠点はないように思える。

 しかし、このもどきには従来の私が全く予期していなかった不具合、というよりも特質があった。

 それが、「静電気のノイズを拾いすぎる」というものだ。

 外耳道嗜虐趣味をお持ちの諸兄諸姉は、恐らく布団やベッドの上でイヤホンを用いることが少なくないと思われる。
 そして夜、明かりを消して布団に忍び込む際、パチパチと弾ける音やスパークの光を見ることも少なくないだろう。
 あれら全てが、コードを通して耳に飛び込んでくるのだ。

 いや、これはもしかすると高価なイヤホンにあるあるの探検隊なのかもしれない。そもそも静電気バチバチなところでイヤホンを使うなと、上級者から一蹴されるだけなのかもしれない。

 だが私は寝ながらイヤホンで音を聞きたいし、イヤホンを付けたまま服を着替えたい。

 という心の叫びを重んじるべく、耳に入ってくる雑音を、強靭な精神力でねじ伏せながら酷使を続けてきた。

 そんな生活を続けて最近、妙なことが起きるようになっていた。


 勝手に動画が止まる。


 勝手に動画が進む。



 勝手にGoogleアシスタントが起動する。




 多重で。



 はじめはスマホ側の不具合を勘繰り、アップデートや再起動を繰り返したが、これらの症状は鳴りを潜めなかった。

 それどころか被害はスマホからタブレットに拡大し、私はいつあの「Googleアシスタントを有効にする」のクソダイアログがポップアップし、操作不能になるかの不安に駆られる生活を送っていた。

 だがある時、気が付いたのである。

 イヤホンを使っていないとき、この不具合は発生しない。


 それどころか、静電気のノイズが聞こえた直後に、これらは発生する。




 DAISOの300円イヤホンには、リモコンマイク用のボタンがついている。

 単押しで音楽・動画の一時停止やスキップ、また長押しでiOSであればSiriの起動、AndroidであればGoogleアシスタントが起動するなどの操作が可能だ。


 動画の一時停止やスキップ、Googleアシスタントの起動。


 つまり、おそらく、そういうことだ。


 ジャック側の接触不良か、あるいはコード内部での断線、混線かははっきりしないが、「静電気がコードに乗った時、それがボタン押下と認識されスマホが誤動作する」という絡繰りだと私は断じた。

 実際、ボタンが使えない3極の延長コードをかませた状態で不具合は発生しなかった(あまり長期間の試験はしていないが)。


 そういうことで、私はこの静電気ノイズ拾いすぎ問題が、あのイヤホン固有の不具合だったという一縷の可能性に掛けて、新たなDAISO300円イヤホンの購入を決意したのだった。

 決して、単に新しいものが欲しくなったからではない。キャッシュレス決済の300円クーポンが使いたかっただけでは、断じてないのだ。




商品紹介

高音質ステレオイヤホン
心地よい、中高音域

 1つ目のイヤホンがバランス、2つ目のイヤホンが低音重視だったため、今回は中高音域に手を出した。
 実際、私はあまり低音ドスドスバスバスが好きではないことが判明したため、今回の新規購入は奇遇にも、いやはや全く、本当に好機であった。

 そして商品の説明については、なんとも無味乾燥になってしまうが、見ての通りである。

 コードは塩化ビニルではなくTPE。絡みやすく硬化しにくい。

 そして一応、カタログスペックを載せておく。私は無知蒙昧の大衆であるため、このスペック通りのパフォーマンスが発揮されているか、さっぱりわからない。検証する気もないので、参考までに。

なげー



音質

 やはり100円のイヤホンと比べても意味がないので、2つ目のもどきと比較する。静電気に細心の注意を払いつつ、比較する。


amazarashi『ひろ』

 親友だった「ひろ」に向けた、直接語り掛けるような一曲。あの頃とは変わってしまった自分を、あの日のひろが見たら何て言うのか。しかしボーカルの名前は「秋田ひろむ」。もしかすると「ひろ」は、置いてきてしまったかつての自分自身なのかもしれない。知らんけど。

もどき
 あー。うん。まあ音質は悪くないし、問題じゃないんだよね。
 静電気がやばいだけで。

3代目
 おー、うん? まあ確かにドゥンドゥン響かないで、ボーカルとかメロディーが聞きやすい、気もする。
 あんまり低音が強い曲じゃないからよくわかんないわ。


米津玄師『クランベリーとパンケーキ』

 二日酔いの気怠さを表現しようと、米津玄師本人がレコーディング当日に二日酔いになってまで録ったという一曲。ひっぴひっぴしゃか、だんでぃだんでぃどん。ブロンズの女神の臍に煙草、擦り付けるんですって。えっちだね。知らんけど。
 ぱっと思いついた低音の強そうな曲がこれしかなかった。

もどき
 ドゥンドゥンゆっとりますわ。
 ゆってる?
 ゆってねえ?
 なんだそのかお
 もうゆってたか
 https://youtu.be/jnUYIB3u8Dg?t=738

3代目
 お、違う違う。ボーカルが低音に埋もれてない。
 やっぱり低音傾倒ではないな、自分は。
 というかこれがバランスタイプでも良かったのでは?


SOUL'd OUT『Sticky 69』

 そういえば低音強そうな曲あったわ。ということでこれ。
 かなりスレスレというか、アウトなのかもしれないタイトル。リカって誰だ。いわゆるカルティエを知らないし。無知だから。何もわからない。でもカッコいいので大好き。

もどき
 拍ごとの低音で鼓膜に圧が来る。100円のイヤホンでは体験できない、実に面白い経験ではあるが、人間恐ろしいもので「慣れ」からは逃れられない。

3代目
 お~。聞こえる聞こえる。Diggyが聞きやすい。
 やっぱこれくらいのバランスがいいわ。
 イヤホンごとに違い、あるんだな。ちゃんと



比較結果

 割と違う。個人的も個人的な、もっぱらの主観にはなるが、DAISOに限らず、どうも低価格帯のイヤホンはあまりに重低音に重きを置きすぎている気がする。
 そのため、こういった中・高音重視を謳っているイヤホンが、真に「バランスタイプ」といえる気がする。
 私は低音を愛しているわけでもないし、高音がシャカシャカしてても興奮するわけではない。

 結論としては、結構おすすめ。バランス。平均的。そんな感じ。平均を出すには私の標本数が少なすぎるという問題には、目を瞑ってください。

 あとハウジングが小さいのがいい。色も面白いし。ちゃんとボタンを上にしたとき、右のコードがRで左のコードがLだし。

 これなら暗闇の中でも左右を判別できる。ハウジングの形が同じだから、もどきよりはやりにくいけど。

 ということでした。さらば。





サイズ差はこんな感じ
あんまり変わんないかも?



豆知識

 DAISOの電気小物とかの近くに売ってるバッグ、縦長のやつ。
 あれの上側、マチのないうっすいポケット(横長のほう)には、DAISOの鏡面仕上げ無線マウスが入る。薄いから。
 それだけ。

ここはどこだ