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呼吸をするように

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 出歩く時にカメラを持つのが当たり前になったのはいつからだろう。

 ハーフカメラはいつも鞄の中に放り込んでいるし、彼女と出かけるならもう一台カメラを持つ。たいてい、ニコンF2かライカM3の中に撮りかけのフィルムが入ってるから、その続きから。

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 以前は早く現像したくて無理やりフィルムを消費してたけど、最近はあまり気にせず気が向けばシャッターを切るし気が向かなければ何も撮らない日もある。

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 現像から上がってきた写真が何ヶ月も前のものってこともある。これはこれでいい。季節の移ろいを改めて手元に引き寄せて圧縮版で眺める感覚。携帯カメラやデジカメでは味わえない感覚だ。

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 最近ではいい意味で写真と距離感が取れてきた気がする。以前ほど夢中になって毎日シャッターを切る事はない。「写真を撮るために出かけていた」状態から「出かけるついでに写真を撮る」状態に近くなった。たぶん、これが理想なんだと思う。

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 余分な力が抜けて、自然に。呼吸をするように、目の前の情景を切り取る。

 まだ旅の途中だ。