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地元民と話して

これを書いているのが4/12
授業が始まったり住む拠点が変わったりとバタバタしていたのでだいぶ遅れました。でも、どうしてもこの日のことは書いてシェアしないといけない気がしたので。


訳あって、しばらくホテルを離れて近くの民宿生活をしていた。

朝5時に起きてストレッチをし、目を覚ます。この日は朝食の仕事が入っているので前日は9時半に眠りについていた。正直、早寝早起きはきついけど、こっちの方が絶対有意義やと自分に言い聞かせる。
つなかけ」という海士町唯一のパン屋さんのあんぱんを食べ、ちゃちゃっと準備して宿を出る。

暁のさわやかな空気に冷たい風が吹きつける。

日本海から吹く風は強いし冷たい。いくら眠くても絶対に起こされる。

海の匂いめっちゃいい

Entoに到着。インカムをつけキッチンに入り、せっせと準備を進める。
時間になり、次々と宿泊者がやってくる。

眠そうな人、元気な人、眠そうな人、
家族、パートナー、友人、
と色々な人が来る。

そして、全員共通して外の景色に見惚れている。
この光景みんなに見てほしい。
景色よりもいい光景だなぁと個人的に感じる。
(うわっ、今!この場面!写真撮りてぇ… とか思いながら仕事する)

10時には仕事が終わり民宿に帰る。さすがに早起きで眠いので昼寝する。
(時間的には十分寝てるけど)

起きると12時。昼ごはんを食べ、課題のレポートやら何やらしていると15時になっていた。民宿に泊まるのは今日まで。せっかくなので民宿の管理人をしているおばあちゃんに聞けること聞きたいなぁと。海士町について、Entoについて。1階に降りおばあちゃんを探す。あれ、いない?

畑を見てもいない。出かけたのかな?
いや、一応大きな声で呼んでみよう。

「おばあちゃー--ん!」

「・・・」

「はいぃぃぃぃぃ」

黄色いかわいらしい声で返事があった。
呼んでよかった。おばぁちゃんの返事はいっつもこんな感じ。
キッチンの奥の方からゆっくりやってきた。
「あの、ちょっと聞きたいことあって、」と話し始めると、
「昨日くれたお菓子でお茶呼ばれよか。」と。

昨日私にお菓子くれたから一緒に食べようとのこと
ああ~そういえば。
部屋の掃除とかお風呂沸かしてくれたりと色々お世話してくれたお礼にカスタードケーキを前日に渡したのを思い出した。
(あれ、めっちゃ美味いよね)

二つ返事で「ぜひ!」と言う。

これこれ。まじで美味いよね。正直おばあちゃんにあげるか迷った。

おばあちゃんは御年84歳で生まれた時から海士町に住んでいる生粋の海士町民である。
昔はどんな街だったのか、髪切るのってどこがいいのか、普段なにしてるのか、色々話した。
ただ気になったのが、Entoについて全然知らないと。以前は大浴場に入れるところだったというぐらいの認識であった。

おばあちゃんが興味ないだけなのか、それとも住んでいる人はあまり興味をもたないだけなのか、それは分からなかった。


30分ほど話していると背の高いおじさんが入ってきた。どうやらおばあちゃんの息子さんらしい。郵便局長を定年退職し、現在は町議会議員をしている。
これはEntoについて色々聞くチャンスだ!と思い、気になっていることを色々聞き、一つ一つ丁寧に答えて頂く。
その中で印象的な言葉があった。
「まちがどう感じているかよりもまずはホテルがどれだけ売り上げを伸ばせるかじゃないのか。ホテルが好調で元気があればその結果まちも元気になるし。Entoには期待している。」

似たようなフレーズが数日前にEntoにいらした北こぶし知床 ホテル&リゾートの桑島さんとの会話の中で出てきたのを思い出した。

そのとき、どこか自分の中でホテルとまちの理想の関係性が崩れていくような感じがした。と同時に、まちにとって、地域にとってのホテルはそういうものなのかと価値観を揺さぶられる。

ホテルはゲストにとってもまちにとっても非日常な存在であり、住民がまったく踏み入れることのない場。地元の奈良のホテルもそう。

僕はそれに違和感があり、将来はそれとは違うホテルを作りたいなぁとぼんやりとした理想をはっきりさせたいという思いでTOUCAに参加した。

でも、確かに成功している、人気のあるホテルを思い浮かべると非日常という魅力でゲストを呼び、周辺の住民が踏み入れている姿は想像できない。

だんだん分からなくなってきたというのが正直な今の意見。

ただ青山さんの話とかスタッフの人と話したりしているとEntoが目指すのはそうじゃないよなという期待なのか何なのか、そういうふうに思う部分がある。

非日常を体験しに来るゲストと
日常的に使いこなす住民

その2者が同時に居る意味って?
同時にその場にいる価値って?
どうやってそんな環境をつくるの?

そんな疑問をもっと現実的な目線も持ちながら追求していきたいと思う。

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