津久井英明(Hide)

東京都生まれ。大学卒業後米国系航空会社勤務などを経て、現在は外資系システム会社に勤務す…

津久井英明(Hide)

東京都生まれ。大学卒業後米国系航空会社勤務などを経て、現在は外資系システム会社に勤務する会社員。2007年より国産の革のノートのウェブサイトにHide名義で投稿を始めて現在に至る。「おとなの青春旅行」(講談社現代新書)にロンドンの話を2話寄稿。

最近の記事

「ぼくのコーヒー地図」 (読了)

 編集者の岡本仁さんが実際に訪れた日本全国のカフェと喫茶店が紹介されている一冊。  紹介文がそれぞれ独立したエッセイになっていてつい読み込み、読み進んでしまった。  知っている・訪れたことがあるところもあったが、知らないところがほとんど。そのほとんどに行ってみたくなった。  読んでいる最中にどうしても行きたくなり、東京・中野のあるカフェに行ってしまった。  日本国内を旅する際はこの本で自分が訪れる都道府県のカフェを必ずチェックしておこうと思った。  岡本さんのように旅先での朝

    • 『ひきつけられて・2』

       旅のストーリーを月に一作書き続けて現在18年目。国内の某文具メーカーの某革のノートの公式ウェブサイト開設と同時に投稿を始めたのが始まりだった。  一度も欠かすことなく投稿し、僕が書いた旅のストーリーが一作も欠けることなく掲載されてきたそのサイトがユーザーからの投稿(旅のストーリーを初め、ノートの拘った使い方やそのノートがある風景の写真など)を受け付けるのを昨年の春に止めた。以降この自分のnoteブログで月に一作のペースを保って書き続け公開している。  今回のこの話はそのサイ

      • 「それでも前へ進む」   (再読了)

         正確には再読了か。単行本で既読。この文庫に角田光代さんの追悼エッセイがあったので購入して読了。  著書のサイン会で何度もお会いしてお話させていただいた師匠(伊集院さんのこと。勝手に慕っていました)、やはり亡くなるの早過ぎ。もっとお話していろいろと教わりたかった。  しかし、このくらいの距離で接していただけて良かったのかも。「あとは自分でいろいろやってみなさい」ってことなのだろうな…きっと。6人の著名作家の追悼エッセイを読んで余計そう感じるた。  大ファンの作家がまたひとり

        • 「山の帰り道」(読了)

           読了。沢野ひとしさんのエッセイ。  登山がお好きとは伺っていましたが、ここまで本格的な登山を幾度もご経験なさっているのは意外でした。  それから、和歌にもお詳しいことに感心しました。中学の国語の定期試験では必ず百人一首から出題され、かなり暗記したことを思い出しました。  お住まいの町田に関する記述で町田の知らない面をたくさん知りました。沢野さん結構お飲みになるのですね…拝読中堪らず何度か冷蔵庫からビールと缶チューハイを…。  僕にとっては心地良い文体で週末にゆったりと読了。

        「ぼくのコーヒー地図」 (読了)

          「シニアになって、ひとり旅」(読了)

           下川裕治さんの新著。海外を主戦場としている旅行作家がコロナ禍で旅に出られない中で考え実行したこと、さらに下川さんの当時のジレンマもよく伝わってきました。  そしてコロナ禍は旅行作家の旅のスタイルに影響を与え始める…。下川さんをずっとフォローなさってきた方々はこのあたりが響くのでは?  旅好きのシニア世代の方や、僕のような旅好きでシニアの輪郭が徐々にハッキリし始めている世代の方には楽しめる一冊だと思います。  僕の旅のスタイルももうしばらくしたらこうなるのかな…。

          「シニアになって、ひとり旅」(読了)

          「向田邦子ベスト・エッセイ」 (再読了)

           過日読了した川本三郎さんの「向田邦子と昭和の東京」がきっかけとなり再読。  「ベスト・エッセイ」というだけあって、やはり名文ばかり。時代は感じるが不思議と古さは感じない。  再読して思ったのは、昔の50代は今の50代よりずっと大人だということ。それは50代に限らず、各年代で言えることだと思う。考え方、振舞い等、今の各年代より昔の人たちはずっと大人だ。  叶わぬことだが一度お目にかかってお話を伺ってみたかったと今回も読了後思った。  きっとそんなに遠くない未来にこのエッセイ集

          「向田邦子ベスト・エッセイ」 (再読了)

          「ジジイの文房具」(読了)

           …ネタバレご容赦。先週木曜日に購入した楽しみにしていたこの本を週末の土曜日ほぼ1日で読了。  ほのぼのした中にも著者である沢野ひとしさんの鋭い観察眼が垣間見えました。  そこで流石と思ったり、なるほどと思ったり、背筋が伸びたり。歴史もよく調べていらして感心。  社会に出てからほぼ手にしなくなった愛用のシャーペンをゴソゴソと取り出して手元に。  ガラスペンを手紙や今でもよく書く絵葉書を書くために1本買ってみようかと思ったり。分度器の話にホロリときたり。  ほぼ毎日使っていて買

          「ジジイの文房具」(読了)

          『予約して、遠出して…』

           前回までの「岡山日帰り一人旅」三部作の最終話の完成が見えてきた 2024年2月の一日、ふとイギリスの朝ごはんであるイングリッシュ・ブレックファストが食べたくなった。  今年も3月初旬に新宿の伊勢丹で開催された「英国展」の告知をインターネットで目にしたせいかもしれない。  伊勢丹の英国展といえば、神楽坂の行きつけのパブが2017年に出店した。バーカウンターを設えて、パブの一部を切り抜いてきたかのような立派な出店だった。  その際に人気のフードメニューをイートインで実際に食べら

          『予約して、遠出して…』

          「風の中に立て 伊集院静のことば」(読了)

          「大人の流儀」から名言をピックアップして作られた一冊。  土日でゆっくり読むつもりが、つい夢中になり土曜日の夕方に読み終えてしまいました。  世の中いろいろな「名言」がありますが、作られた・意識した名言が多いように思います。しかし、この本の名言は師匠(勝手に慕っています)の経験から出てきた本当の名言だと思いました。  この本で名言とされたものは、それでいいのだと思わせてくれたもの、なるほどと膝を打ったもの、日々生きていく上でのヒントが多数でした。  もっとお会いしてたくさんお

          「風の中に立て 伊集院静のことば」(読了)

          「向田邦子と昭和の東京」 (読了)

           再び川本三郎さん。昨年の中目黒のトラベラーズファクトリーで開催されたブックフェアで出逢った一冊。   全くの後追いですが、ここ何年か向田邦子のエッセイをよく読みます。  この本は新書。向田邦子の解説本というところでしょうか。新書特有の大事なポイントと思われるところが繰り返し述べられています。  読んでいる途中で手元にある向田邦子のエッセイをすぐに再読しようと思いました。  感心したのは向田邦子も澁澤龍彦も「おにぎり」ではなく、「おむすび」と言っていたこと。  向田邦子はさら

          「向田邦子と昭和の東京」 (読了)

          「火の見櫓の上の海」(読了)

           川本三郎さんの房総に関するエッセイ集。先日の代官山Shinsakabashi Booksさんでの岡本仁さんのイベントで出逢った一冊。この本の前の所有者はその岡本仁さん。  久しぶりの川本三郎さんのエッセイ。国内の旅先でひとり町歩きをして、その土地の大衆食堂でビール…は川本さんの定番。いつか実践したい過ごし方。  房総は漁港が多いので簡単に新鮮な魚がビールの肴になりそうだが、店探しにかなり苦戦なさったご様子。逆に探しがいがありそうだし、見つけたときの感動といったらないだろう

          「火の見櫓の上の海」(読了)

          「盛岡を想う。」(読了)

           岡本仁さんの盛岡に関するエッセイが収録されているリトルプレス。  リトルプレスと侮るなかれ、素晴らしいエッセイ集でした。  トラベラーの僕に次の旅先として盛岡が浮上してきました。そう思わせるほど、各話に旅心を刺激されました。  盛岡はカフェがたくさんあり、地元の方々はそれぞれ長い付き合いの行きつけがあるとか。そのため大手チェーン店は撤退したとか…。  銀座にある岩手県のアンテナショップ内に観光案内のコーナーがあるのを発見。このリトルプレスをもとに計画を立ててみようかな。

          「盛岡を想う。」(読了)

          『珈琲の香りに誘われて(3)』

           『珈琲の香りに誘われて(2)』からの続き・・・。  念願叶ってようやく訪れることができた「暮らしと珈琲」をタクシーで後にした。ぼくさんとなつみ店長の姿はもう見えない。  タクシーの中で楽しかった時間を振り返りつつも、初めて目にする岡山の夕方の景色にいつの間にか目を奪われていた。  本来なら楽しかったひとときの余韻に浸るところ。しかし、トラベラーの悲しい性なのか、もう再訪のことを考え始めていた。  「次は高島駅から歩いて来られるかもしれない」と思い、来た道とタクシーでいま

          『珈琲の香りに誘われて(3)』

          「また果てしのない本の話」(読了) 

           岡本仁さんの近著。各話本と音楽に纏わるエッセイ集。  まだまだ興味深く知らない本や音楽が世の中にはありますな。人生の大先輩がお薦めを教えてくださっているような一冊でした。  …また、この本を読んでいてドキリとしました…いい意味で。  僕の大叔父池田彌三郎の本が取り上げられていたのです。ビックリ❗️  本を読んでいると、大叔父の名前が出てきたり、大叔父の著書が紹介されている記述に出くわすことは少なくありませんが、やはり都度驚きます。  最近続けてお目にかかっている岡本仁さん。

          「また果てしのない本の話」(読了) 

          「キャンティ物語」(読了)

           未だ訪れていない僕にとっては20代の頃からの憧れのお店のお話。作家の故百瀬博教さんには生前行きつけになさっていた多くのお店に連れて行っていただきました。  フジキッチン(浅草)、いちのや(神泉)、みや川(表参道)、新富寿し(銀座)、GHEE(原宿)、麻生珈琲店(市川)、叙々苑(麻布十番)など・・・。  著書にもよく出てくるこのキャンティも百瀬さんは常連で、「えっ?まだ連れて行ってなかったか?よし、今度行こう。」と仰ったきりになってしまい残念でした。  著書に何度も読んで出て

          「キャンティ物語」(読了)

          「不良が好きで詩が好きで」(再読了)

           何度も再読しているエッセイ。かつてあの週刊文春に100回に渡って連載されていたエッセイ。  この本は都合4冊の単行本になった中の一冊。百瀬さんのエッセイで知る古き良き時代の東京のお話はいつ読んでも面白い。モノクロの時代のお話でもカラーで浮かび上がってくるから不思議。  自分でも文章を書くようになって改めて拝読すると、物凄い時間と資料を毎回費やしてらしたのが想像に難くない。  合わせて長年の莫大な読書量。かなりの読書量がないとあれだけ的確な例えや引用は出で来ない。  生前大変

          「不良が好きで詩が好きで」(再読了)