津久井英明(Hide)

東京都生まれ。大学卒業後米国系航空会社勤務などを経て、現在は外資系システム会社に勤務す…

津久井英明(Hide)

東京都生まれ。大学卒業後米国系航空会社勤務などを経て、現在は外資系システム会社に勤務する会社員。2007年より国産の革のノートのウェブサイトにHide名義で投稿を始めて現在に至る。「おとなの青春旅行」(講談社現代新書)にロンドンの話を2話寄稿。

最近の記事

「最低で最高の本屋」(読了)

 今年の某所でのブックフェアで出会った一冊。  初版ではないのでスルーしようと思ったが巻末に著者と岡本仁さんの対談が載っていたので気が変わる。  これは恐らく松浦弥太郎さんの初期の作品の様子。そんなこともあったのか…という松浦さんの苦労話も。参考になることもたくさん。  これから世の中に出る人にも、転職を考えている人にもこの本は参考になるはず。  この本で松浦さんは「頑張る」を結構使っていらっしゃる。これまで松浦さんの著書は結構拝読してきた僕にとってこれは意外だった。  この

    • 「ASIAN FOOD TRAVEL」(読了)

       銀座の森岡書店で開催されていた著者増喜尊子さんの個展を拝見した際に購入。以前どこかのメディアで見て気になっていたzine。  増喜さんとはもちろん初対面だったが、長っ尻になってしまうのを忘れるくらい旅の話をいろいろと。いつの間にか増喜さんを昔からの知り合いのように感じていた。  そのせいか、読み進めるにつれ、増喜さんのご家族に加わって一緒に楽しくアジア各地を周った気分になった一冊。  食べたことがあるもの、まだ食べたことがなく食べてみたくなったものがたくさん。旅好きはのんび

      • 「山のごはん」(読了)

         久しぶりにイラストレーター沢野ひとしさんのエッセイを読了。  この本は学生の頃から登山に親しんでいらっしゃる沢野さんのと登山に纏わる食のエッセイ。  一話につきひとつ沢野さんがその登山で召し上がったものが登場。  様々な食べものが出てきたが、一番美味しそうに映ったのは山で飲むウイスキー。  その日の行程を終えて、テントの中や山景色の中で飲むウイスキーは本当に美味しそう。  僕はハイキングすらしないが、山景色を前にしてのウイスキーは飲んでみたくなった。  自分がしない・出来な

        • 『憧れ』

           神楽坂にある行きつけのパブはお店の最新情報をSNSでマメに発信している。限定入荷のビールやウイスキーにジン、その日のお薦め料理など営業日には欠かさず開店前に発信している。  ウイスキーやジン、それにビールも、僕が知らないものがほとんど。 きっとそれぞれのマニアを喜ばせるものなのかもしれない。  ある日の仕事帰りの電車の中でSNSをスマホで開いた。そのパブの投稿がいきなりPAN AMのエンブレムが貼られたボトルとともに画面に現れた。  そのパブの投稿は、いつもはパッと見てサッ

        「最低で最高の本屋」(読了)

          「日本ときどきアジア 古道歩き」(読了)

           旅行作家・下川裕治さんの新著。下川さん、日本とアジアの古道を歩く。  かつての「ひたすら鉄道を乗り尽くす」の鉄道が徒歩に変わり、乗り尽くすが歩き尽くすに変わった印象。  話の舞台やテーマが変わっても、「苦行系」になってしまうのは下川さんのスタイルなのか、それとも出版社の意向なのか…。  歴史を予め知っておき、その残り香を追い求めるのが古道歩きなのかも知れない。  旅の大先輩に「古道歩き」という僕にとっては未知の旅のスタイルを教えていただいた気がした。  下川さんのファンや旅

          「日本ときどきアジア 古道歩き」(読了)

          「新ゴーゴー・インド」(読了)

           旅行作家・蔵前仁一さんの代表作「ゴーゴー・インド」の増補改訂版。   インドといえば蔵前さん。この本が最初に「ゴーゴー・インド」として世に出たのは1986年。僕は大学一年生で初めてヨーロッパへ行った年でした。  「新」となったのは奥付けによると2001年9月26日。その2週間後に僕はあの「9.11」の影響で大学卒業以来勤めていた航空会社を失業。  この本が出た当時の自分はどうしていただろということを照らし合わせて読み進めた。  僕はインド料理は好きだがインドを訪れるのは無理

          「新ゴーゴー・インド」(読了)

          「あの日、僕は旅に出た」(再読了)

           本書の初版が出たのは2013年。ちょうど今の時期に手に取った記憶あり。 …というのは転職したばかりの会社(日本の中小企業。やはり外資じゃないとダメだった)を就業3日目で辞めようと思い始めたときだったので。  旅に出て気分が変われば展開が変わるかも…と思ったかどうかは失念。当時はそこまで柔軟に今後を考えられなかった。  こちらの心持ちが違うとこうも本の印象が変わるのか…というのを久しぶりに実感。本好きの多くは体験しているはず。著者と面識が出来た後の再読だったこともいくらか影響

          「あの日、僕は旅に出た」(再読了)

          「わたくし大画報」(読了)

           イラストレーター和田誠さんのエッセイ集。 各話1970年代・80年代のエッセイなのに全く古さを感じさせない。  和田さんは文章も秀逸。やはり、安西水丸さんやハービー山口さんの本を読んだときに都度感じるが、一芸に秀でているアーティストは文章も流石。  向田邦子さんに関するお話はとても興味深かった。和田さんは向田さんとも接点があったんだ…。 向田さんについてはもう少し読みたかったなぁ。  和田さんの本はこれで何冊目だろう。和田さんは一度お目にかかりたかったが叶わなかった方のお一

          「わたくし大画報」(読了)

          『一度だけ』

           ある朝の通勤時の偶然。乗り換えの駅で電車を降りると、その電車に乗ってくる人たちの列に見覚えのある顔が。航空会社時代の先輩のような気がした。  翌朝また同じ状況になった。思い切って「○○さん!」と声をかけてみると、「おーっ!津久井!」となった。やはり先輩のOさんだった。  お目にかかるのは僕が2001年のあの9.11のテロの後で勤めていた航空会社をリストラされて以来。約23年ぶりの再会となった。  約23年の空白をすれ違うだけの短時間で埋めるのは無理。また同じ時間にお会いする

          「インドの台所」(読了)

            Asia Hunter 小林真樹さんの新著。  「食べ歩くインド」でインド中を食べ歩いた小林さん。今作ではインドの一般家庭のキッチンを見て回っている。今までになかった着眼点。興味深く拝読。  インドの家庭ではキッチンや台所を他人や外国人に見せるというのは宗教的に差し障りがあるようで、小林さんは現地で相当苦労なさった様子。  所謂スラムと呼ばれている地域にも果敢に踏み込んで行った小林さん。そのシーンは結構ドキドキしました。  巻末にインドの台所用品の用語集あり。インドマニア

          「インドの台所」(読了)

          「私的コーヒーAto Z」(読了)

           書評家・作家の木村衣有子さんのリトルプレス。限られた書店にしか置いてなく、なかなか入手できないでいたが、何と行きつけのカフェ&ビアレストランのベルクに置かれるようになり入手。木村さんとベルクは関わり合いが深いのです。  コーヒーに纏わるエッセイと小説がこの一冊に。コーヒー片手に読むべき一冊。焙煎所を併設しているカフェで新聞や雑誌を置いているところはこの本も置くべし。もしくは販売すべし。  コーヒーのいい香りが漂っているカフェで読むと自宅とはまた違ったストーリーへの入り方にな

          「私的コーヒーAto Z」(読了)

          「おいしいアンソロジー 喫茶店 少しだけ、私だけの時間」(読了)

           著名な作家やタレント達の喫茶店についてのエッセイ集。  自分なりの喫茶店での過ごし方を綴るひと、好きな喫茶店を紹介するひとなど様々。自分が喫茶店について書くとしたらどう書くだろう?  スマホの出現は喫茶店にも影響している気がする。置いてある新聞や雑誌目当てに来る客は確実に減ったのでは?それから喫煙の問題も。  フランスの喫茶店(カフェ)は便箋や封筒も用意されているとか。多分そういう昔ながらのサービスをしている店も今のフランスにはほとんどなさそう。  次の休みは喫茶店でナポリ

          「おいしいアンソロジー 喫茶店 少しだけ、私だけの時間」(読了)

          「四季を彩る英国菓子とパン、ときどきアフタヌーンティー」(読了)

           親しくさせていただいている方々が載っているので記念に…くらいの気持ちで購入した一冊。  いや〜大変お見それしました。イギリス好きはすぐに書店にダッシュするなりオンラインでポチるなりして手に取るべき一冊でした。  タイトルにある項目がバランスよく収められています。文章のリズムもいい。  僕は料理をしませんが(たま〜に胡瓜のサンドイッチは作るくらい)読みものとして十分楽しめました。またまた知らなかったイギリスのフードにいろいろと出逢えました。どうしても食べたくなったものもいくつ

          「四季を彩る英国菓子とパン、ときどきアフタヌーンティー」(読了)

          「新・佐賀漫遊記」(読了)

           「孤独のグルメ」の久住昌之さんの新著。  トークショーや個展で売られている「ふらっと箸置き」などの久住さん手作りの陶器は備前吉田焼。「ふらっと箸置き」は僕も愛用している。僕の手元にあるのはカルチャー講座を拝聴した際に購入したごくごく初期のもの。最近のものは値段がかなり上がっている様子。  久住さんはその備前吉田焼がきっかけで佐賀との縁が生まれ、佐賀通いが始まり、現在はもう7年目とか。  久住さんのその佐賀通いを「漫遊記」としたのがこの本。九州の中でも正直印象が薄く、あえて旅

          「新・佐賀漫遊記」(読了)

          『フィラデルフィア』

           桜が見頃となった4月初旬の週末、隣町にある真間山弘法寺へ桜を見に行った。これは母のリクエスト。自宅から3, 40分かけてウォーキングを兼ねて歩いて行った。  お寺特有の急勾配の石段を登りきると、桜目当ての人で一杯だった。当日の晴天の青空も手伝って桜は見事だった。  「お花見」を終えて、今度は手すりにしがみつくようにして急勾配の石段を下った。下り切ったところでホッとした。どこかでひと息つきたくなった。  参道にある自販機や茶店を振り切って麻生珈琲店を目指すことにした。美味しく

          『フィラデルフィア』

          「シニアひとり旅 ロシアから東欧、南欧へ」(読了)

           下川裕治さんの新著。「シニアひとり旅」シリーズの3冊目。今作はロシアから東欧・南欧へ。  移動手段は主に鉄道。最近の表現を用いるなら「鉄道中心」とするところだろうか。  鉄道で国境を超えた経験がないので、そこには憧れた。思い返すと、僕の海外での最長の列車旅はロンドンとリバプールの往復だろうか。  ギリシャとポルトガルはどちらも訪れてみたいところ。特にポルトガルはここ10年くらいずっと気になっている。ギリシャにも興味が湧いてきた。  旅好きで「シニア」というフレーズが身近に感

          「シニアひとり旅 ロシアから東欧、南欧へ」(読了)