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考古学特殊講義 〜奈良大学スクーリングの思い出〜

奈良大学通信教育部文学部文化財歴史学科に在籍、所定の単位を取得して令和2年(2020)3月に卒業しました。奈良大学通信教育部では毎年、7月〜9月、2月〜3月の金曜日〜日曜日にかけてスクーリングが開催されます。

スクーリングでは日本全国各地から学生が集まり、世代を超えてキャンパスで学びます。私が実際に履修したスクーリング科目について、回顧も含めて書いていきたいと思います。

考古学特殊講義は3日間の内、学内での講義は初日の午前中のみ、初日の午後からは学外に出て、先生の案内の下、寺社仏閣を見てまわりました。初日の午前中の講義で印象的だったのは縄文時代に人類は地球温暖化を経験していること、実際に「縄文海進」と呼ばれる現在に比べて海面が2~3メートル高くなり、 日本列島の各地で海水が陸地奥深くへ浸入した現象があったことが発掘調査の成果などから明らかになっていることです。これ以上の地球温暖化を進めないために私達一人ひとりが地球環境のことを十分に考えて生活していかなければならないこと、そして縄文時代の人々の生活の知恵の中に学ぶべきところもあるのではということです。学食で食事をした後、初日の午後はバスに乗って、唐招提寺と西大寺を見学しました。

2日目は奈良公園周辺での学外授業。興福寺や東大寺を見てまわりました。東大寺では大仏殿の近くにかつて七重塔があったこと、現在残されている基壇跡から高さは100メートル近くに及ぶ高層建築物であったと推定されることなどの先生の話がありました。「お水取り」が行われる若狭井、「お松明」が行われる二月堂、戒壇院や東大寺創建当時から残る唯一の建物、転害門など興福寺と東大寺の隅から隅まで見て回りました。

3日目は飛鳥地方での学外実習。近鉄の橿原神宮前駅に集合してバスに乗ってまずは橿原考古学研究所へ。研究所を見学した後、日本で最初の本格的な仏教寺院である飛鳥寺で飛鳥大仏の見学、蘇我馬子の墓との伝承がある石舞台古墳、高松塚古墳、酒船石遺跡を訪ねました。

スクーリングの時期は真夏の真っ盛り。暑さが大変でしたが、充実した3日間でした。

飛鳥寺

石舞台古墳



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