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夕飯までには帰る散歩:後楽園〜神保町〜お茶の水

 週末、家族の用事で外出があり、せっかくなので少し出歩くことにした。  急に決めたのでとりあえず出発点の「後楽園」のマックにてソーセージマフィンとコーヒーで着席して、行き場所を練る。
 ハンバーガー店によくある「メイン+ポテト+ドリンク」は胃に重たいので「マフィンとコーヒーをセットで」と頼んだら「セット」(主品+ポテト+ドリンク)で通ってしまって焦る。マックでの単品+ドリンク構成は「コンボ」というと知る。でも複数品構成だと思わずセット、って言っちゃうじゃないですか言っちゃうじゃないですか。と己のミスを何度も反復&揉みしだきながら検索してたらちょうどこの日、神田で「神保町ブックフェスティバル」をやってると知り、用事終わってからそちらに向かうことに決めた。

 神保町は、現地点の後楽園から白山通りを水道橋駅方面に向かって歩いて、駅を過ぎても更に歩けば15分くらいで界隈にぶちあたるとてもシンプルなルートなので、後楽園ゆうえんちでぼくとあくしゅ!のちの散歩におすすめ。

■神保町到着(リアル京極夏彦つき)


 初めて行く「神保町ブックフェスティバル」の会場は通りが歩行者天国となってワゴンが並び、人が密集していた。

想像以上の賑わい。
特価だったり作家サインあったりのそそる書籍が積まれる各出版社のワゴン。
紅茶葉のワゴンもあった(買ってみた)

 ついでに明日の朝用にと、ろしあ亭のピロシキを買ってみた。翌日トースターで温め直して食べたら、挽肉、玉葱、茹で卵、春雨のごくごくシンプルな昭和のピロシキでなつかしく、おいしかった。

おいしい。

 なんで昭和のピロシキは春雨入ってるんだろな〜と思ったらロゴスキー創始者がはじめて広まったレシピらしい。


 ブックフェスティバル、軽い気持ちで行ったらすきな出版社だらけで惹かれる書籍はたくさんあったけど、我慢して特価本だけに絞って数冊購入。

 書籍のほかに「工作舎」ワゴンにて、かつて活版印刷に使用していた「紙型」を栞として販売しているものを購入。
 荒俣宏「本朝幻想文學縁起」(1985年初版。2022現在品切れ)からp128〜p131部分にあたる版だったらしい。たまたま手に取ったものだったけどとても自分にぴったりというか当たり頁だった。

でもやっぱりでけえ挟まらねえ。
(角川ノベルズ「帝都物語」に添えて…)

 会場をふらふらしてたら、ふつうに歩いてる京極夏彦(敬称略)、出店ブースでパイプ椅子に座ってふつうに店番をしている京極夏彦(敬称略)をみかける。
 神保町、京極夏彦(敬称略)は普通に見かけるものなのか。さすが東京、魔都こっっっっわ。ええもんを見た。

 荷物が重たくなったのでブックフェスティバルを離脱して、お腹も空いたしビールでも飲もうと「ランチョン」に行くと臨時休業だった。悲しい。生ビールとビーフパイで吉田健一ごっこをしたかったのに…。

臨時休業の憂き目…。


 ついでに神田「ささま」の最中を買っていこうとするもこちらも日曜はお休みと知ってかなしい(とてもおいしい)。

 その後、香港ぽい焼き物を提供しててる飲食店みつけて一旦休憩。

焼いた家鴨とビールで本を読むの、たのしい…。

■御茶ノ水方面へ

 胃が落ち着いたのでそのままお茶の水方面へ歩いていく。

太田道灌がなんかしたらしい神社。

 このルートで平日だったら明治大学の明治大学博物館の刑事部門で拷問器具のレプリカみるのもいい。平日だれもいない館内でひとりでひっそりみてるとシンシンとこわくなってきて乱高下しがちな情動が鎮まる。無料でみれらる都会のギロチン…アイアンメイデン…石抱きの刑…。

 途中「近江屋洋菓子店」でショートケーキとサバランを購入。数種の洋酒を配合したシロップに漬けたブリオッシュにさらに追いシロップしたひたひたのサバランはうっとりする味。
 以前は500円くらいでカップを購入すると、店内のジュースやボルシチ飲み放題みたいな喫茶システムあっていつかやってみたい…と思っていたけど最近はコロナで閉鎖しされていてさみしい。

素敵な店内。またここで喫茶できるようになるといいなあ。

 洋菓子店から御茶ノ水へ向かう道、建物の切れ目から「ニコライ堂」がみえた。

 そういえばニコライ堂、ちゃんとみたことないなと思って近寄ったら週末は聖堂の一般拝観(13時~15時半)としているとわかり、入場してみる(拝観献金:300円)。

入れた。

 今までざっくりニコライ堂と言っていたけれど本当は「東京復活大聖堂」だと初めて知る。知らないこと知るのはよい。散歩はよい。

知りました。

 聖堂内(撮影NG)は採光目的の窓は少なく、大きく嵌められたステンドグラスのイコンが薄暗くなってきた夕方前の日差しで、色はビビッドなのに明度が下がることでコントラスト増してきて、迫力というか、組み伏せられる。なんの知識なくても敬虔にさせられる舞台圧が怖いほど気持ちよくて惹かれてしまいしばらく木製のベンチに着席する。

 ちょうど閉館間近だったらしく、退館を促す静かな声と一緒に中央の燭台めいた明かりが消え、裁断近くでずっと貴金属を磨いていた女性もスッと消えた。一瞬で暗くなった。

 そこから御茶ノ水駅に向かい、家に帰った。

夕飯の支度までには。


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