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MTG:ノソノスキー先生のレガシー講座〜グリクシスデルバー編〜

Translated by nosonosan

やぁ、ノソノスキーだ。また会ったな!
みんなはGP静岡楽しむことができたかな?俺はレガシーGPにグリクシスデルバーで参加し、幸運なことに7-1で初日を抜け2日目もレガシーを楽しむことができた。2日目は2-5と成績は振るわなかったが、たとえ一瞬でも夢を見ることができたし強いプレイヤーたちとマジックができたことはとても良い経験になったよ。


え?仕事でGPなんて参加できなかったよって?

…なんてことだ、そいつは悪いことを聞いてしまったな。すまない。だが、確かに君の気持ちも分かるよ。日本で平日にGPをやるなんて...ッ!(WizardsなのかCFBEなのか知らねぇが、てめぇらの血は何(ry...)
ま、次はきっと良いことがあるはずさ。さぁ、気を取り直して俺の話に耳を傾けてくれ。

GP静岡、優勝はエルドラージ!

普段からレガシーをやり込んでいる人が上位に行きやすいのは当然だ。だが、レガシーに明るくない人でも-たとえそれがプロプレイヤーだとしても-デッキ選択や練習次第で2日目進出、上位入賞そして優勝できるというのは、敷居が高くとっつきにくいと思われがちなレガシーの裾野を広げる意味でもとても喜ばしいことだと思う。もちろんマジックの地力が高かったり、byeを持っているなどの追加要素はあるかもしれないが、《意志の力》やデュアルランドがなくたってレガシーは楽しめるし勝つことができるんだと証明してくれたのだから。

そして、前回の反省をしてみよう。決勝はエルドラージ対赤単プリズン。上振れを目指してこれらのデッキを切るなんてとんでもない考えだった。また、メタ上ではほぼ見かけなくなっていた石鍛冶デッキが2つもTOP8に残っており、まさに今GPの台風の目になったと言えるだろう。

じゃぁ前説はこれくらいにして、今回は《死儀礼のシャーマン》が退場したあとのグリクシスデルバーについて解説していこう。かなり長くなるから、必要なとこだけでもかいつまんで読んでみて欲しい。現環境におけるグリデルの基本的な構築や戦略についてはLewisCBRの記事さうすぽーさんのnoteに良記事があるので是非参考にしてもらいたい。このnoteはいわゆる二番煎じの記事になってしまうが、数ある意見の1つとして参考になればありがたく思う。


〜グリクシスデルバーについて〜

グリデルは優秀なクロックをスペルでサポートして勝ちを目指すクロックパーミッションだ。他のデッキとの相性を簡単に言うと、コンボ・POST・雑多なローグデッキに強く、コントロールには五分〜微不利で、《虚空の杯》・《暗黒の深部》・横並びするデッキに弱い。
そしてGP静岡直前、トップメタの奇跡・グリコンは依然として上位におり、《虚空の杯》、《暗黒の深部》、奇跡に有利とされるスニショ・POSTの台頭と、それらに有利なデスタクが勝ち上がるかもしれないというメタの推移をしていた。スニショ・POSTを除けば不利な相手が多く、これはグリデルにとっては有利とは言い難いメタの推移ではあったが、2日目に勝ち上がった時点でのTOP100では最多を占めるかたちとなった。単に使用者が多かっただけかもしれないが、グリデルは今でも戦えるデッキだという十分な証明にはなっただろう。

レガシーはデッキの数が多くメタゲームを語ること自体が間違いなのかもしれないが、緩やかにではあるが確実に変化はあり、GPのような大型大会(特にダブルGPや混合フォーマット)ではそれが浮き彫りになる。


次に、GP静岡でTOP16に入賞した3つのグリデルを見てみよう。

いずれもサイドに《水流破》を採用。うち2つのデッキはメインから《削剥》《コラガンの命令》《ゴブリンのクレーター掘り》を採用しており、サイドの枠を確保するとともに赤単プリズンを含めたチャリス系のデッキを意識したデッキ構築となっている。しかし、同じ敵を見据えながらもデッキの自由枠が多いためにそれぞれ微妙に構築が異なっており、自分の個性を出しやすいのもまた新しいグリデルの魅力だと思っている。

そして、これが俺がGPで使用したデッキリストだ。

19枚目の土地に《島》を採用しながら、《最後の望み、リリアナ》と《硫黄の渦》をサイドに共存させている、いわゆるわがままボディなグリデルだ。先に謝っておくが、せめて《最後の望み、リリアナ》を2枚目の《硫黄の渦》にすべきだったと後悔している。これは、マナベースの観点はもちろんだが《硫黄の渦》の方が欲しい場面が多かったからだ。

過ちはすぐに認めていくスタンス


そしてこの表は、現在のリストにある程度固定される前と固定された後での各マッチごとの対戦結果だ。他人の戦績などあてにはならないだろうが、どのデッキに勝ったり負けたりしてるかの大体の雰囲気を掴んでもらいたい。


〜各カードの採用理由とカード別の評価〜

-19枚目の土地選択
18枚でも回らないことはないが、《若き紅蓮術師》の安定した運用や《真の名の宿敵》を含めサイド後から3マナ域のカードも増えるため19枚目の土地を採用するのが一般的だ。そして採用する19枚目の土地に順位をつけるなら-もちろん構築次第ではあるのだがそれも含めて-

1.《Volcanic Island》
2.各種フェッチランド
3.《Underground Sea》
4.《島》

の順だと思う。

・《Volcanic Island》

《若き紅蓮術師》+《稲妻》のように①RRを要求される場面が多く、サイドにも赤のカードが多い。除去が赤に依存していることもあり最も重要な土地だ。

・各種フェッチランド

《不毛の大地》を2発もらうとダブルシンボルのカードが唱えられなくなるが、状況に応じたマナを持ってくることができる最も無難な選択だ。

・《Underground Sea》

《湿地での被災》、《最後の望み、リリアナ》を確実に唱えたい場合に採用する。ただ、後述するが《湿地での被災》の採用には否定的なためこの土地の優先順位は高くない。

・《島》

フェッチランドと同様に《不毛の大地》2発でダブシンが唱えられず、《島》《Volcanic Island》《Underground Sea》と並ぶと3ターン目に《最後の望み、リリアナ》《硫黄の渦》を唱えられない。そして、特に致命的な状況は、ミラーやフェアデッキとの対戦において、除去がないハンドで1ターン目に《島》を置くと、ドロソで赤マナと除去の両方を探しに行かなくてはならないことだ。

...ん?

なんでお前のデッキは《島》をとってるんだって?


まぁ落ち着いてくれ。もちろんこれから説明するよ。


-《島》の採用理由-

上に述べたような欠点があり最も弱い土地のように見えるが、あえて採用に至ったのは当然訳がある。大きく3つだ。

①《不毛の大地》1枚で負けたくない

デュアラン・《不毛の大地》のハンドをキープして、相手の《不毛の大地》1枚に分からされることはよくある負けパターンの1つだ-きっとキープがぬるいとつっこまれてしまうかもしれないな-。だが、《死儀礼のシャーマン》が退場した今はマウントを取られることが少ないため、ドロソで赤マナと除去を探す猶予は十分にある。相手の土地を割って逆にハメてやれ。こっちは悠々とドロソで回答を探しに行くんだ。(《幽霊街》は勘弁してくれ!)

②《基本に帰れ》に対抗したい

《島》があれば《基本に帰れ》下でも行動することができる。付け焼き刃になってしまうこともあるが、《紅蓮破》や《目くらまし》などの回答を探すためにドロソを容易に打つことができるし、引いた土地から2マナ3マナのアクションが確実に取りやすくなる。実際に、俺は何度もこの《島》に救われてきた。

③《血染めの月》の流行

これが《島》を採用した最大の理由だ。通常、グリデルのサイドに《水流破》が積まれることはない。しかしながら、このGP直前のメタの変化により、赤単プリズンが流行、グリコンのサイドに《血染めの月》が定着したことで、《水流破》にサイドの枠を割くことになった。《水流破》をサイドに取るほどに《血染めの月》の存在を意識するなら、《島》を採用することはとても理にかなったことじゃあないかな。

どうだい?君も19枚目の土地に《島》を取りたくなってきただろう?

まぁぶっちゃけた話、《血染めの月》の大流行がなければ、きっと《Volcanic Island》を取っていたと思う。だから、19枚目の土地はメタや構築に応じて自分好みの土地を実際に探してみてほしい。

・各カードごとの評価

ここでは採用したカードについて、メインボードでコメントが必要と思われるものとサイドボードのカードについて説明をしたい。

-メインボード

・《瞬唱の魔道士》

コントロールに対して追加のクロック+アド源。《水流破》の採用、《外科的摘出》の減量に伴いスペルの水増しも兼ねている。全除去の返しに出したり、コンボをカウンターして刻む2点クロックが本当に偉いんだ。

・《呪文嵌め》

《悪意の大梟》《トーラックへの讃歌》《石鍛冶の神秘家》《相殺》《瞬唱の魔道師》《虚空の杯》《冥府の教示者》etc…的は腐るほどあるが、試した結果2枚はむしろ腐る場面が目立ったので1枚に落ち着いた。

・《思考囲い》

《コジレックの審問》との比較が気になるところだが、《苦花》を採用していないため裏目のないこちらを採用。

・《定業》

デッキの安定化のため追加のドロソ枠で、《若き紅蓮術師》を4枚採用しているのでより正当化されると思う。ここは本当に自由枠で、《若き紅蓮術師》を減らすなら除去やハンデスに変えても良いだろう。サイドボーディングに困ったら何かとサイドアウトされる。《瞬唱の魔道師》とのシナジーを考えるとインスタントである《思考掃き》の方が良いかもしれない。

-サイドボード

・《外科的摘出》2

MOでは赤黒リアニが非常に多いため、墓地対策に3枚の枠を取っているが、GPでは少ないと考え2枚に減量。リアニやドレッジ以外にはギリギリ2枚で十分だ。《沈黙の墓石》で詰んでしまうから、枠があるなら《削剥》とセットにするのを忘れるなよ。

・《悪魔の布告》2

ミラー、スニショ、Lands、BGデプスなど、今をときめく数多のデッキにサイドインできる。2枚はほぼ確定枠だ。

・《最後の望み、リリアナ》1

追加の除去としても機能する対奇跡・グリコン兵器。しかしながら、グリコンに対しては《悪意の大梟》を除去したり、《苦花》を無力化したり、出せればミラーでも強いのだが、奇跡に対しては奥義に行く前に対処されることが多く、ミラーやデスタクに対しては黒マナを割られて出ず、エルフに対しては間に合わないなど、割と散々な場面も多かった。より有効に使うにはマイナス能力を活かすために《思考掃き》で墓地に落としたクリーチャーを回収するなどの方法を考える必要がある。もはや奥義を許してくれる相手などいないのだから。

・《紅蓮破》2

対青兵器。2枚は確定。奇跡に対しては3枚目が欲しくなることもあるが、白い呪文で軸を逸らしてくるため過信は禁物だ。

・《削剥》2

除去兼ファクト対策。2枚は確定。

・《電謀》1

追加の除去・全除去枠。《湿地での被災》よりもマナ拘束が緩く、《イゼットの静電術師》よりも軽いため採用した。全除去として《瞬唱の魔道師》とのシナジーを考えると、ソーサリではあるが《猛火の斉射》の方が良かったかもしれない。

・《硫黄の渦》1

対コントロール最終兵器。用途は狭く(されづらいとは言え)対処もされるが、グリコン・奇跡に対して着地したゲームは全て取っている。ライフを削った先にこいつを着地させるのが1つのゴールとなるためプレイに一貫性が生まれるだろう。《苦花》《最後の望み、リリアナ》との大きな違いは後半に引いても強いということだ。マナ域の違いはあるものの着地から4ターン目までは《苦花》よりもライフを削ってくれる。それも確実にだ。《最後の望み、リリアナ》は序盤に着地させて奥義につなげるからプレッシャーになるのであって、後半にマナが潤沢な状態では相手に容易に対処されてしまう。奇跡戦では相手の《僧院の導師》でライフレースが逆転してしまうことはあるが、それは《苦花》《最後の望み、リリアナ》でも同じことだ。そして、グリコンに対しては《血染めの月》を貼られても出すことができる。今後もコントロールが上位にいるならこのカードは2枚に増やすつもりだ。

・《狼狽の嵐》1

コントロール、コンボに優秀なカウンター。このリストでは、コンボへのガードがやや低いため、追加の《狼狽の嵐》やハンデスが必要と思われる。

・《水流破》1

赤単プリズンの隆盛と《血染めの月》の流行のため枠を確保。置物対策としてより広範囲を見据えるなら3枚目の《呪文貫き》も検討に値するだろう。

・《真髄の針》1

各種プレインズウォーカーや《演劇の舞台》など対象は多い。あれば何かと便利な1枚なので採用。追加の《不毛の大地》のような役割を果たす。調整中にサイドから姿を消すこともあるが、サイドボーディング中にこいつがサイドにいるありがたみを感じることは多い。

・《仕組まれた爆薬》1

全除去枠その2。《湿地の被災》と異なりマナ拘束が緩く、《虚空の杯》などの置物対策も兼ねられることから採用した。

・検討はしたが採用に至らなかったカードたち

・《思考掃き》

アンコウデルバーといえば日本が誇るプロプレイヤーの1人であるユウキイチカワの代名詞とも言えるデッキだろう-《思考掃き》4《グルマグのアンコウ》4という構築は流石に《グルマグのアンコウ》好きすぎぃッ!と言わざるをえないが-。このカードは単に探査の餌となるだけでなく、相手の積み込んだカードを墓地に落としたり、相手エンド前《渦まく知識》で不要牌を積み込み→アップキープ《思考掃き》で落とすなど、テクニカルな挙動をする。フェッチランドがない状態での《渦まく知識》のプレイを許容できるし、クリーチャーを墓地に落とすことで《最後の望み、リリアナ》とシナジーもあるいぶし銀のカードだ。ただ、テクニカルであるがゆえに慣れが必要で、闇雲に打てば良いというカードではないため、安定感を重視して《定業》に枠を譲る形となった。

・《もみ消し》

カナスレと異なりこれを構えながら2ターン目に展開できるクリーチャーが《秘密を掘り下げる者》しかおらず、《もみ消し》が有効ではない赤単プリズン・エルドラージが増えることを予想したため不採用に。

・3枚目の《真の名の宿敵》

土地単に対してはこいつが引けるか引けないかで勝ち負けが決まると言っても過言ではないカードだ。青マナだけで出せるので色事故を気にせず、奇跡やグリコンに対しても有効なカードなので、もし追加するなら《最後の望み、リリアナ》や《硫黄の渦》と入れ替えることになる。

・《発展の代価》

エルドラージ、POST、土地単、グリコン、4Cレオヴォルドなどサイドインしたい相手は多いように見えるが、このカードが劇的に有効と言えるのはPOSTと4Cレオヴォルドだけだ。実際にこのカードを使って勝ったことはほとんどない-いったい何度、基本土地を並べたグリコンに悩まされ、エルドラージと引き分けするハメになったことか-。

・《猛火の斉射》

《瞬唱の魔導士》とのシナジーが強力な1マナ全体除去。ソーサリーであることがどう影響するか、実際に試すことができなかったので採用はできなかったが、次はぜひ試してみたいカードだ。

・《苦花》

奇跡やグリコンに出せばやはり強く、《暗黒の深部》デッキに対しても《マリット・レイジ》をチャンプできる利点もある。ミラーでも先手2ターン目に着地してしまえばそこから逆転することは難しい。コンボ相手に腐る点と《若き紅蓮術師》の方がクロックが早くプレッシャーをかけられるためこちらを優先したが、全体除去の返しにクロック源が残る安心感や、《マリット・レイジ》への耐性を優先するならば十分採用に値する。

もし、メインに1枚採用するならば、
out《若き紅蓮術師》1
in《苦花》1

2枚採用するならば-これはハンデス《苦花》を押し付けるプランだ-
out《若き紅蓮術師》1、《瞬唱の魔道士》1、《呪文嵌め》1、《思考囲い》1
in《苦花》2、《コジレックの審問》2

のようにするだろう。対コントロールにおいては、《若き紅蓮術師》4のリストよりも《苦花》2のリストの方がプレイ指針が立てやすいので、グリデルにまだ慣れていない状態でコントロールに勝ちたい人にはおすすめだ。

・《コジレックの審問》

《思考囲い》と違い裏目のあるこいつは相手の妨害はもとより自分のカードを通すために使う意味合いが大きい。《だまし討ち》を落とせずに泣きを見たプレイヤーは俺だけじゃないはずだ。このデッキは基本的に3マナ域で戦う、そしてこのデッキがハンデスをして通したいカードは…
そう《苦花》だ。俺の言いたいことは、もう分かるよな?

・《湿地での被災》

こいつはグリデルが採用できる中で最も強い全体除去だ。なんせ《真の名の宿敵》を除去することができるんだからな。じゃあ、なぜ採用しないのか?それはミラーにおいて黒マナは積極的に潰されることが多く、そもそも唱えることができない可能性が高いからだ。同様のことはデスタクに対しても言える。もしこいつを採用するならば4枚目の《Underground Sea》をとることだ。もっとも、GPで上位入賞したグリデルは3つともこのカードを採用しており、マナトラブルというリスクを抱えてでも採用する価値のあるカードなのかもしれない。また、《最後の望み、リリアナ》もダブシンじゃないかという意見が聞こえてきそうだが、ミラーマッチではもちろん君の言う通りだ。だが、そもそもリリアナは対コントロールを強く意識して採用しており、不毛されないコントロール戦ではミラーマッチほどBBを出すのに困ることはないから《湿地での被災》ほど唱えるのに苦労することは少ないはずだ。

・《イゼットの静電術師》

使い回すことのできる除去で、色拘束も緩く唱えやすい。ただ、ANT戦において3マナが間に合わないことがあったので、《瞬唱の魔道士》との兼ね合いもあり今回は《電謀》に枠を譲る形になった。

・《冬の宝珠》

2マナと軽く色拘束のないコントロール対策。カナスレと異なり《俊敏なマングース》のいないこのデッキでは、こいつを着地させたとしてもクロックを維持し続けることは難しく、相手の土地が起きるのをただただ見守ることが多かった。コントロールに対してサイドをとるならそれだけで勝てるカードを採用する方が現実的だろう。

・《墓掘りの檻》

3枚目の墓地対策を切ったため不採用に。《沈黙の墓石》《地の封印》があると《外科的摘出》では無力なので3枚目を取るならこちらが良い。《瞬唱の魔道士》を優先するならば3枚目の《外科的摘出》を取ろう。

・《無のロッド》

ANTに苦手意識が強いなら、《真髄の針》と入れ替える枠だ。ハンデス・カウンターも豊富だし、他に枠を割こうと挑んだGP静岡では見事にANTを踏み抜き、もちろん負けた。


さて、グリクシスデルバーの構築に関してここまで長々と書いてきたが、もう少しだけ付き合ってくれ。ここからはいよいよ、各マッチアップとのサイドボーディングとちょっとした戦略の話だ。


〜各デッキごとのサイドボーディング〜

解説をするのはGP静岡2日目進出が決まった時点での上位100デッキの分布から以下のデッキだ。

・グリクシスデルバー
・赤単プリズン
・奇跡
・スニークショウ
・オムニテル
・Lands
・BGデプス
・グリクシスコントロール
・エルドラージ・POST
・青白・トリコ石鍛冶
・URデルバー
・ANT
・スティールストンピィ
・カナスレ
・デスタク
・UB死の影
・エルフ
・マーフォーク
・青黒リアニメイト

-リクエスト追記
・4Cレオヴォルド

※少し見づらいかもしれないが、画像の見方は『←OUT/IN→』の順だ。

そして、参照するリストはもちろんこのリスト。見やすいようにもう一度貼っておくよ。


・グリクシスデルバー
先手

(後手)

盤面にクロックを残した方が勝つため、サイド後はカウンターを抜き除去を増やそう。後手で少し変えるとすれば、《目くらまし》が弱いので数枚《意志の力》か《削剥》に代えてもよいだろう。《呪文嵌め》は一見有効そうだが結構腐る、相手が《苦花》を採用していなければサイドアウトしよう。

このミラーマッチはいわゆる先手ゲーとなりやすいが、《死儀礼のシャーマン》が退場した今はマウントを取られることはないため焦らずに《目くらまし》をケアして除去を打とう。《グルマグのアンコウ》に対しては《若き紅蓮術師》と《真の名の宿敵》を、《若き紅蓮術師》に対しては《秘密を掘り下げる者》と《真の名の宿敵》というように相手のクロックに対して有効なクロックを見極めて展開することが重要だ。地上は膠着しやすいため、ネメシスと生き残ったデルバーが勝負を決めることが多い。また、2枚目の青マナが手札にないときはどんな場合でも《島》スタートして事故死を避ける方が良いと考えているが、先手の場合はもともと有利な状況を維持すれば良く猶予があるため《島》スタートでより安全に欲しいカードを探し、後手の場合は不利な状況下で除去と赤マナを探すことになり間に合わないことがあるため《Volcanic Island》を割られたら負けと割り切ったプレイをするといった考え方もあるだろう。また、サイド後に攻めるマナは黒マナを優先して攻めること。相手に《最後の望み、リリアナ》や《湿地での被災》をプレイさせないようにすることが大事だ。

・赤単プリズン

《呪文嵌め》の的は《虚空の杯》だけなので、先手なら残しても良いが腐りやすいのでサイドアウトした方が良いだろう。

メインは相手の《虚空の杯》を弾けるか次第だが、たとえ弾けなくても《グルマグのアンコウ》や《若き紅蓮術師》に相手が対処できずに勝つことは十分にある。《血染めの月》の場合も《若き紅蓮術師》と《稲妻》で勝ちを目指せ。クロックを刻める状況が作れたなら、《焦熱の合流点》と《罠の橋》にだけ注意して《意志の力》をぶち当てろ。《目くらまし》は《猿人の指導霊》で回避される可能性があるので《意志の力》が手札にある場合には出し惜しみをしないように注意しよう。

※追記-《水流破》の水増しのために《瞬唱の魔道士》を取っているので、《瞬唱の魔道士》はサイドアウトせず《不毛の大地》をサイドアウトした方が良い。

・奇跡

《目くらまし》を残すか残さないかが難しいところだ。奇跡は《目くらまし》を容易にケアしながら動いてくるため、はっきり言って無駄牌になりやすく全抜きした方が良いという意見もある。それでも、《目くらまし》がカウンターとして有効な状況もあるし、《自然に帰れ》下で《Volcanic Island》を手札に戻して《紅蓮破》を打つこともあるから、今は全抜きはしない方向に落ち着いている。もし《目くらまし》を全抜きをする場合には、相手にケアをさせることが大事だから相手にそれを悟られないようにしよう。《稲妻》は最後の一押しと《僧院の導師》に対処するためにも残しておく。《天使への願い》がないのであれば《仕組まれた爆薬》はサイドインしなくても良いかもしれない。

奇跡は非常に受けの強いデッキで、《不毛の大地》戦略が効かず、こちらの脅威に対して全ての解答を持ち合わせている。このマッチアップで最も重要で基本的なことはクロックを絶やさないということで、その都度必要なカードはあるが、意識的にドロソで常にクロックを確保してくるように。
そして、殴れる時、展開できる時にはクリーチャーを並べることを恐れずに展開することだ。展開することが望ましい状況とは相手のターンにトップ《終末》をされない(ex:相手の場に白マナがない)or弾くことができる状況だ。クリーチャーを出し惜しみして、ライフを削る機会を失えば相手に大きな猶予を与えることとなる。ナチュラル奇跡に関しては割り切りも必要で、《秘密を掘り下げる者》も《グルマグのアンコウ》も1発殴れれば御の字だ。メインでは、序盤に削ったライフを《稲妻》、《真の名の宿敵》で押し込むこと、そしてサイド後には、上記に加えてクリーチャー以外の脅威を叩きつけることが1つのゴールとなる。

そして今回のGPで得た最も大きな知見は-これはまだ検証中のところなのだが-奇跡とのマッチアップでは後手を選択するということだ。これは、先にも述べたが奇跡は受けが強く不毛戦略が効かないため、先手でも一気に殴りきることはほぼ不可能でむしろ消耗戦になりやすいからだ。君がもし先手でマリガンをしてしまったなら、そのゲームで奇跡に勝つことは非常に困難だ。先手の利が少なく、カード1枚の差が勝敗を分け、マリガンのリスク分散ができるのであれば、後手を選択することは理にかなっているように思えるだろう。
これは、あのユウキイチカワも実践していたことで、いくらグリデルを使ってきたとはいえ新環境のグリデルにはあまり慣れていないはずだ。にも関わらず、短期間で先手後手の考察までできてしまうのだから『流石プロ!!』としか言いようがない。もし身近にグリデルと奇跡で対戦できる環境にいる人がいるなら是非統計をとってみてくれ、そして本当に後手の勝率が高いなら是非『後手が板!』とつぶやいて欲しい。

ちなみにこれは俺の対奇跡の成績で、仮説とは異なり先手の方が約20%勝率が高い結果となってしまった。後手の戦い方やサイドボーディングの問題と思われるが、やはりもうちょっと検証する必要があるな。


・スニークショウ

グリデルにとって勝たねばならないマッチその1…なのだが、意外と負ける。負けパターンは2つ-
①妨害は豊富だがクロックがなく、消耗戦の末相手のマスカンの数が勝る。
②クロックはあるが妨害がなく、相手のブッパで死ぬ。
《目くらまし》や《意志の力》を構えた上で《若き紅蓮術師》を出せればよいが、そう上手くいかないこともある。基本的に相手は上記2種をケアして動いてくるので、3つ目の土地がなくターンが帰ってくれば《呪文貫き》《狼狽の嵐》が構えられる状況なら勇気を持ってフルタップし《若き紅蓮術師》をプレイしよう。『俺のハンドにはピッチカウンターがあるぞ』って顔をしてフルタップするのがコツだ。もしブッパされたなら...本当にすまないと思う。
(※ただし、相手がマリガンするなど、後がない状況ではブッパされやすいので少し気をつけよう)

サイド後は、《血染めの月》、《紅蓮地獄》《渋面の溶岩使い》などの除去、《防御の光綱》《秘技の職工》に注意。《削剥》は前述したうちの3つに対処できるためサイドインするが《防御の光綱》がなさそうなら《稲妻》に戻そう。《神聖の力線》はどうしようもないから気にしなくていい。《すべてを護るもの、母聖樹》のために、序盤に相手の土地を縛る目的以外では《不毛の大地》はとっておこう。

・オムニテル

スニークショウと異なるのは《外科的摘出》をサイドインすることだ。《実物提示教育》への依存度が高いために、《直観》の解決直後もしくは《実物提示教育》の1発目を弾いた直後に打てば勝利は目前だ。

・Lands

非常に不利な相手だが勝ち目がないわけじゃない。

①《真の名の宿敵》で完走する。
②《グルマグのアンコウ》に対する《イス卿の迷路》を割る。
③《若き紅蓮術師》対《イス卿の迷路》や、《グルマグのアンコウ》対《名前の長い土地》のようなちぐはぐな盤面になる。

勝つ時はだいたいこの3つで①が最も現実的だ。1ターン目《踏査》《マナ結合》は迷わず《意志の力》を切ろう。ANTに次いで3枚目の《外科的摘出》が欲しくなるマッチで、サイド後は何としても《壌土からの生命》に《外科的摘出》を当てよう。でなければこちらの《不毛の大地》は無力化されてしまうし、こちらの土地は枯らされてしまう。《真髄の針》の指定先は盤面次第ではあるが《イス卿の迷路》か《演劇の舞台》かはいつも悩ましいところだ。《不屈の追跡者》ビートと《窒息》には要注意。

・BGデプス

ハンデスによる妨害がありコンボ手段も多く早いため、Lands同様に厳しい戦いを強いられる。《闇の腹心》などのために除去を残さざるを得ないためサイドボーディングも難しく未だにサイドボードの指針が定まっていない。《暗黒の深部》に《外科的摘出》を当てられれば良いが、相手も《外科的摘出》で対抗してくる。また、フェッチランドが起きている状態で《悪魔の布告》を打つと《ドルイドの東屋》が飛んできてかわされることがあるから気をつけろ。

・グリクシスコントロール

《瞬唱の魔道士》《コラガンの命令》エンジンが始動するとゲームが大きく傾くため、相手の5マナ到達がゲームのエンドポイントとなる。そうなる前にゲームを決めるかライフを詰めておく必要があるため《悪意の大梟》には憎しみを込めて迷わず《意志の力》や除去を打ってクロックを刻もう。《若き紅蓮術師》でトークンをばら撒くか《グルマグのアンコウ》や《真の名の宿敵》で殴りきるのが目標だ。《毒の濁流》はメインでは採用されても1枚なので並べることを恐れずに攻める方が良い。サイド後は殴りきることはもちろんだが、相手が対処しづらい置物を叩きつけて勝つことを意識しよう。《意志の力》は《紅蓮破》で簡単に対処されるので抜いてしまおう。

・エルドラージ

メインは《虚空の杯》を弾けるかどうかが勝負。《不毛の大地》を打つのはなるべくクロックを置いてからが望ましいので、次のターンに《難題の予見者》や《現実を砕くもの》を弾くことができる手札ならクロックを優先し、そうでないなら土地を割ろう。また、《猿人の指導霊》の空気を感じたら《目くらまし》に甘えるのではなく、厳しく《意志の力》唱えよう。相手のデッキに《猿人の指導霊》があるのか否かは、《厳かなモノリス》の有無である程度判別できる-モノリスがあればゴリラは1枚以下だ-。

・エルドラージPOST

グリデルにとって勝たねばならないマッチその2。《秘密を掘り下げる者》を出して土地を割りながら殴れば勝つはずなのだが、これも意外と負ける。《裏切り者の都》が不採用のため1T目《虚空の杯》の確率は低いが、マナが伸びやすく《目くらまし》が腐ることが多い。《不毛の大地》を連打しても、マナファクトがあり順当にマナが伸びやすく《微光地》で延命されビッグアクションが間に合ってしまうことが主な負けパターンだ。《真髄の針》を先置きするなら《歩行バリスタ》を指定してクロックを除去されないようにしよう。

・石鍛冶デッキ
-青白

-トリコ

青白の場合は奇跡と同様に《不毛の大地》を減らし、トリコの場合はマナ基盤を責められることは少ないので《島》を抜く。青白の方が不毛戦略が効かず《基本に帰れ》などのエンドカードが強いから、トリコよりも厄介な相手になる。《意志の力》は《石鍛冶の神秘家》と等価交換なので数枚は残してもよい(トリコでは相手の《紅蓮破》を意識して抜いてしまっているが)。

《意志の力》の打ち所はアーティファクトと《真の名の宿敵》と《石鍛冶の神秘家》だ。もし《思考囲い》がハンドにあり、《石鍛冶の神秘家》の有無が分からずアーティファクトに対処できないハンドなら、アド損をしてでもサーチさせてからハンデスした方が良い結果につながることが多い。《真の名の宿敵》で殴りあっている場面にうっかり《梅澤の十手》が着地してライフレースがぶっ壊れてしまうのは、よくある負けパターンのひとつだ。《梅澤の十手》や《殴打頭蓋》がなければ後半に逆転される可能性はぐっと低くなる。


・URデルバー

このマッチの鍵は《グルマグのアンコウ》だ。序盤は積極的に守りのためにカードを使いできるだけ早くアンコウを探して叩きつけたい。《若き紅蓮術師》も使い捨てる。《損魂魔道士》は最も弱いクリーチャーだが、アンコウの着地前に必ず除去すべきだ。サイド後は《蒸気の絡みつき》に注意。《不毛の大地》は、《発展の代価》に合わせて自分の土地に打てるようにアクティブにしなければいけない状況かどうかを判断しよう。

・ANT

グリデルは一般的にはコンボが苦手とするクロックパーミションでありANTもこちらをキツイと思ってはいるが、グリデルもANTをキツイと思っている。クロックがそんなに早いわけではないので《グルマグのアンコウ》《若き紅蓮術師》が無双しない限り、最終ターンまでにコンボを決められてしまうことがよくあるからだ。
そしてこのリストでは「《ザンティッドの大群》対策だよ!」と言い訳しながら、《稲妻》を残すほどにこのリストではサイドが足りていない。《沈黙の墓石》を出されたなら《削剥》と《稲妻》入れ替えよう。《電謀》と《仕組まれた爆薬》は《巣穴からの総出》対策でなるべくデッキ内に隠しておくように。ANTを意識して追加のサイドを取るなら、各種ハンデス・カウンター、《墓掘りの檻》、《無のロッド》が候補に上がる。

・スティールストンピィ

スティールストンピィとは一度しかマッチしたことがないから、適切なアドバイスができなくて申し訳ない。《アメジストのとげ》《磁石のゴーレム》まで入っており他のチャリスデッキに漏れず苦戦を強いられるだろう。《思考囲い》や《悪魔の布告》のインアウトが悩ましいところだ。

・カナスレ
先手

後手

《タルモゴイフ》のないリストであれば《呪文は嵌め》は抜く。後手の場合は、《もみ消し》死を回避するために《意志の力》を数枚残しておこう。

基本的には《グルマグのアンコウ》と《若き紅蓮術師》が強く有利に戦いを進めることができるが、負けパターンは
①《もみ消し》が刺さりハメ殺される。
②《わめき騒ぐマンドリル》がタフ1の壁を超えてくる。
③あまりないが5/6の《タルモゴイフ》が出てくる。
の3つだろう。《もみ消し》を構えてそうな場合は、フェッチや不毛は起動せずにランドセットゴーするのがベターだ。

・デスタク
先手

後手

先手後手で《意志の力》と《目くらまし》を入れ替える。《グルマグのアンコウ》は地上で容易に止められてしまうので減らそう。

横並びするデッキは基本的に不利でデスタクはその筆頭だ。1T《霊気の薬瓶》には迷わず《意志の力》を切ろう。基本的には序盤は除去コンのように振る舞い、《若き紅蓮術師》で面で攻めるか、《秘密を掘り下げるもの》と《真の名の宿敵》で点で攻めるのかという戦い方になる。《ルーンの母》は基本的に即除去なのだが、相手の脅威に対して除去の枚数が足りないので無視して本体を殴りに行く方が良い盤面なのか、早めにゲームプランを組み立てれるようになればうまく戦えるようになるだろう。

・UB死の影

このマッチで大事なことは2つ。
①序盤にクリーチャーを展開しても殴らない。
②《若き紅蓮術師》で地上を膠着させる。

相手はライフを減らして4/4以上の《死の影》を作るところからゲームが始まるため、その手伝いに付き合ってやる必要はない。基本的にはグリデルが有利だと思うが、実はジレンマの生じる難しいマッチアップだ。相手はこちらを一方的に攻めることができるが、こちらは攻めていいのかどうかの判断をしなければならないからだ。こちらが攻めることができるのは地上の確たるブロッカー-《若き紅蓮術師》/《真の名の宿敵》-を用意するか、相手の場も手札にも脅威がないことを確認してからだ。《致命的な一押し》をとっていないこのリストでは巨大な《死の影》に一瞬で殴りきられてしまう。《若き紅蓮術師》を守りきれれば《死の影》《グルマグのアンコウ》を恐れることはなく、膠着した盤面で《秘密を掘り下げるもの》《真の名の宿敵》《通りの悪霊》がライフレースをすることになる。ただ、もたもたしていると《毒の濁流》や《湿地での被災》が飛んできて一方的に盤面が崩壊してしまうから、素早く攻めに転じよう。また、最序盤の《通りの悪霊》+《再活性》は最後まで殴りきられる恐れがあるため注意が必要だ。

・エルフ

グリデルは横並びをするデッキに弱い。そして、エルフはその最たるもので、俺はこのデッキを最も苦手としている。

除去コンに徹しその間に《秘密を掘り下げるもの》《若き紅蓮術師》で攻めることになる。相手のクリーチャー1体ずつにはそこまで価値がないが地道に除去の対象を選んで潰していくしかない。《ワイアウッドの共生虫》《遺産のドルイド》《クィリーオン・レインジャー》はしっかりと除去しよう。《真髄の針》はクソ虫にぶっ刺してやれ。相手のマナが潤沢になるので《緑の太陽の頂点》《垣間見る自然》《自然の秩序》などのマスカンを《意志の力》だけで防ぐにはどうしても無理がある。相手のコンボがチェインしないことを祈りつつ、《窒息》で悶絶させられてもめげずに素早く殴れるよう、一緒に頑張って行こうじゃないか。

・マーフォーク

グリデルは横並びするデッキが(ry...。
島渡りでコンバットを崩壊させなんなら《虚空の杯》まで貼ってくる、フェアデッキの名を騙ったチャリスデッキだ。1ターン目《虚空の杯》はされないので《意志の力》は全抜きして基本的には除去コンのように戦う。必ず除去が多いハンドをキープしよう。難しい相手だがドロソがないため引きムラも大きく、息切れしたところを殴りきるんだ。《悪魔の布告》はこの手のデッキに対して優秀な除去とは言えないが、サイドインしても良いかもしれない。

・青黒リアニメイト

赤黒リアニメイトが主流だったが、エルドラージ・《暗黒の深部》デッキ・スニショの台頭で、速度は落ちるもののそれらに有利で安定感の勝る青黒リアニメイトが再び上位に来ることになったと思われる。基本的なサイドボーディングは上記のようになるが、《沈黙の墓石》がなければ《削剥》は抜こう。グリセルブランド以外なら、リアニメイトされたとしても諦めずに戦えばなんとかなることもある。赤黒リアニメイトの場合は《紅蓮破》と《水流破》を入れ替えよう。


・4Cレオヴォルド

4色ではあるものの《不毛の大地》1枚程度ではあまり事故らず、後半にカードパワーの高さで巻き返してくる。《もみ消し》型のデルバーであれば非常に有利のつくマッチとなるが、そうでない場合には五分五分の相性だ。そして《タルモゴイフ》が取られたタイプやClashed型と呼ばれる《罰する火》エンジンを搭載したタイプになると明確に不利な相手となる。サイドに《発展の代価》が欲しくなるマッチで、追加の《真の名の宿敵》も検討に値するだろう。
基本的にはグリコンに準ずる戦い方になるが、サイド後に注意すべき点は置物によるイージーウィンは狙えないということ-BGカラーは《突然の衰微》《暗殺者の戦利品》で置物に容易に対処してくるためだ-。そのため、《最後の望み、リリアナ》は積極的にマイナス能力を起動していこう。全除去は《毒の濁流》《湿地での被災》が取られても1〜2枚程度なので、恐れずに肉を連打して展開する方が勝ちにつながることが多い。(全除去は弾ければ勝ちなので《意志の力》を数枚残しても良いかもしれない。)

そして、赤か緑か?どちらのマナを優先的に潰すかは状況にもよるだろうが、俺は赤マナを優先的に潰すようにしている。理由は2つあって-
①緑マナは使い捨てられる。
②相手に単発のアクションを強要したい。
《突然の衰微》《トレストの使者、レオヴォルド》は非常に脅威だ、だからこそ4C側はこれらのために緑マナを温存して基本的に使い捨てる。『時すでに遅し』ってやつになりがちなんだ。そして、緑のスペルは大ぶりなため単発のアクションになりやすく、動きが非常にもっさりとする。除去コン全般に対して言えることだが、2アクション取らせずにテンポよく攻めることが最も勝利につながると思う。


さぁ、長かったこの記事もやっと終わりに近づいてきた。あともう少しだ。


〜おわりに〜

長々と書いてしまったが、このnoteを書くことができたのはTwitterやマジックオンラインを通じて知り合うことのできた友人たちのおかげで、彼らのアドバイスがここに活きている。この場を借りて感謝の気持ちを伝えたい。そして何より、ここまで読んでくれて本当にありがとう。ただ、今回は少し長すぎたから次は前編後編に分けて書いた方が良いかもしれないね。このnoteが少しでも君のレガシーライフを実りあるものにしてくれれば嬉しく思うよ。
また、今回は触れなかったカードや他のマッチアップについて知りたかったり、他に何か気になることやアドバイスがあれば是非このnoteやツイッターにコメントをしてくれ。ちゃんと応えられる自信があるわけではないが、頑張ってみるつもりだ!

あぁ、何てことだ。レガシーを始めてからずっと楽しみにしていたGP静岡があっという間に終わってしまった。パーティーの後というものはいつも寂しい思いになるが-本当はパーティーなんてしたことはないからよく分からないけどな-今年のレガシーはまだ終わらない。エターナルパーティーとラストサンがまだ残っているからね。GP静岡ではたくさんの出会いがあって本当に楽しかった。また、みんなに会えることを楽しみにしているよ。

それじゃあ、またな。

モルテン・ノソノスキー

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