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特別支援学校で勤務して、思うこと。

 先日、note記事のコメントで質問をいただいたので、記事としてお返事したいと思います。あくまでも「私の場合」ですので、参考程度に見ていただけたらと思います。

(1)勤務時間や休日出勤について

 8:30~17:00が勤務時間です。朝は作業学習の準備などの朝仕事があることが多いため、8:00には学校に着くように出勤しています。ちなみに、その時点で、高等部の職員は9割は来ています。皆さんもっと早く来ているということになります。私の勤務先はスクールバスでの登下校をしている生徒もいるため、スクールバス発車時刻の6:45には学校が開いていますので、それ以後でしたら出勤は可能なのです。

 生徒の登校は9:00、下校は14:50です。部活動がある日は15:50です。16:00には校内に生徒がいなくなりますので、そこから教室の消毒や翌日の授業の準備、記録簿の作成をして、あっという間に17:00、退勤時間となります。私は娘の習いごとやデイサービス利用日に合わせて、週に3日は17:00に退勤しています。それ以外の日は、積み残した仕事(だいたい、行事に向けての準備や教材作成が多いです)を18:00ぐらいまでやって、退勤します。他の職員も、19:30には学校が閉まりますので、それまでには退勤していることと思います。

 休日に出てきている職員はほとんどいないと思われます。なぜなら、学校が開かないからです。学校の鍵をもっている職員が誰なのか、私は知りません。もちろん管理職は持っていると思いますが(笑)。

 残業時間は、朝30分、夕方は0~60分以内になるようにしています。そうすると週の残業時間が5時間以内におさまりますので、月の残業時間も20時間以内になっています。(ちなみに隣の席のスタッフは、月40時間を超えないように気をつけていると言っていました)

 と言ってもですね、私は早く帰ってくる分、どうしても仕事が追いつかないことがあります。特に授業準備です。教材作成は帰宅後(または翌日の朝)に自宅でやっていることが多いです。休日に作り込んでいることもよくあります。(教材作成は半分趣味なので、私としてはそれでOKなのです)


(2)特別支援学校教諭としての「良い点」

 私は前職(今年の3月まで)が中学校教員でしたので、どうしても比較をしてしまうことが多いです。その点はご了承いただく前提で、話を進めていきます。

 私の勤務先の先生方は、比較的のんびりしているような気がします。時間にルーズとかそういう意味ではありません。もちろん生徒個々の「目標」というのを決めて指導・支援をしていますが、何と言うか、「いつまでに教科書のここまでを教えなければならない!」「クラス全体の何割に、評価基準Aを目指してほしい!」みたいな目標ではないので、授業もゆったりしています。一人一人にあった教材を作れることも魅力です。しっかり生徒のできることを伸ばしていると思います。先生方がのんびりしているので、生徒ものんびりしています(笑)。中学生の頃はキレやすく、学校からの抜けだしや対教師暴力があった生徒も、なんだかのんびりしていて、穏やかになっています。そういう「生徒も教師もゆったりしている感じ(追われていない感じ)」が良い点だと思います。

 また、何をするにも「チームプレー」で行けるところも特別支援学校の良さだと思います。1クラス2~4名の職員で見ていますから、同じ方向性で指導することが大切です。アプローチのしかたは違っても、同じ方向を向いて指導しなければ、子どもも困惑しますし、指導もぶれてしまいます。だから、私はスタッフとは週1でミーティングをしていて(一応学年主任なので、スタッフ間の風通しをよくすることには気を配っているつもりです)、次週の予定や、行事の打ち合わせをした後に、「生徒のことで何か気になることあった?」と雑談を少しするようにしています。生徒の情報共有という意味でもありますし、会話の中で、スタッフの行動特性や「何を大切にして生徒を見ているのか」が見えてきます。時にはスタッフから「こんな言葉かけをしたのですが、合っていたのか心配で・・・」という話も出てきます。ちょっとしたことでも話しやすい環境があってこそ「チームプレー」が生きてきますし、何かハプニングがあった時にも阿吽の呼吸で動けるようになってきますから。

 ただこの「チームプレー」は、チームワークのよさがあればプラスに働きますが、チームワークがよくないと、チームでいることそのものが負担になり、ストレスになることも・・・。だから、人によっては「良い点」とは思えない場合もあるのかもしれません。(中学校勤務の頃は、スタッフと時間を合わせることそのものが難しく、意思疎通が十分でないまま生徒の指導をしている、というのもよく見受けられました。特別支援学校では、時間を合わせる云々というよりも、意思疎通の必要性を十分に感じていないスタッフ同士だと、なんとなくぎくしゃくしたまま・・・なんていうこともありそうです)

 最後に挙げる「良い点」は、生徒の純粋さです(笑)。言葉のある生徒、ない生徒、いろいろですが、総じて、純粋だと思います。まあ、噛みつかれたり、引っかかれたり、髪を引っこ抜かれたり、突撃されたり、いろいろありますが、誰も悪気はないですし、何がいけないのか伝えたらわかってくれます。生身の、飾らない、打算的でないコミュニケーションができるのはとても楽しいと思います。

 

 私の場合、中学校教員を23年やって、ありがたいことにそのうちの17年は学級担任ができましたし、さらに進路指導主事、研究主任、特別支援教育コーディネーターなどの経験をした上で、今の特別支援学校での勤務があります。中学校勤務時代も毎日楽しかったです(今になれば「あの頃は何だったんだ?」みたいなこともあります、特にスタッフ間の軋轢・・・苦笑)が、どう考えても、今が一番楽しいです。中学校での経験は存分に活かせていますし(特に学級活動、進路、個に応じた学習指導、スタッフミーティングは中学校での蓄積がかなり役に立っています)、やっぱり、どう考えても、今が一番楽しいし、きっと明日は今日より楽しいと思います!毎日いろいろなことが起きますが、今のスタッフとなら乗り越えて行けると思えます。そういう、信頼できるスタッフと出会えたのもよかったことかもしれません。


 以上、参考にしていただけましたら、幸いです。

 また、質問があればコメントくださいね!

特別支援教育に興味を持つ教員です。先生方だけでなく、いろいろな職業の方とお話して視野を広げたいし、夢を叶えたいです。いただいたサポートは、学習支援ボランティアをしている任意団体「みちしるべ」の活動費に使わせていただきます。