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パンチ娘の大切な人に会う
【その15】
三宮の改札で娘と青年と別れ大阪へ帰るパンチ。改札で振り返ると、ほっとした表情で顔をも合わせる青年と娘を微笑ましく思い新快速に乗る。
「あのビフカツ味落ちたな…ちょっと昼からビールを飲んだから寝るわ」
そう言って目を閉じた。
ビフカツの味は何一つ変わっていなかった。
パンチも十分わかっていた。
大阪まであと十分で着く。
これでいいのだ
完
#パンチ娘の大切な人に会う #やまわ
パンチ娘の大切な人に会う
【その14】
「リナさんとお付き合いさせて頂いてます。4月から東京の私の家で住んでいただくことになり、ご挨拶を…」
緊張からか動きが固い。
「ま、どうぞおかけください」
余裕の表情で手土産を受けとり着席を促すパンチ。
見ず知らずの土地で2年ほど一人暮らしをしていた娘。これから同居人ができ安心だとパンチは感謝を伝えた。
「もちろん、一緒に住むので将来のことも考えております」
誠実な青年にパンチは
パンチ娘の大切な人に会う
【その13】
本日のメインエベント〜
『北大の虎』パンチvs爽やか青年
ゴングが鳴った。
赤コーナー挑戦者
爽やか青年ビフカツを一口。
青（色吐息）コーナー パンチ
まずはビールで喉を潤す。
レフェリー嫁がブレイクに口を開きかけると
「余計なことしゃべんなや」
赤コーナーセコンド娘より視線のプレッシャーを浴びる。
娘は子どもの頃ひどい癖毛だった。
中学の頃から縮毛矯正をしてサラサラストレート
パンチ娘の大切な人に会う
【その12】
「ここはビフカツが美味いんです」
パンチはメニューを見ながら青年に話す。
「では、僕もビフカツにします」
受け答えも不快な思いを与えない青年だ。
料理が運ばれるまで気まずい沈黙が訪れる。
嫁は礼儀正しい青年を前にすると、大抵聞き出すのがスポーツ歴だ。
…礼儀正しい＝体育会というかなり偏見でもあるが…
「〇〇さんは何か運動をされていたのですか？」
「はい、キックボクシングを…」
ボ
パンチ娘の大切な人に会う
【その11】
会食のメニューを広げるパンチ。
かしこまる青年に｢お酒はいけますか？｣と声をかける。
青年は緊張しながら
｢はい、大丈夫です｣と答えた。
パンチは瓶ビールを頼む。
｢グラスはおいくつに？｣という店の方の問に
｢2つでお願いします｣
グラスはパンチと青年の前に置かれた。
青年は素早くパンチのグラスにビールを注ぐ。
･･･なんとかの盃とは東映のヤクザ映画以来だな･･･と、思いつつパン
パンチ娘の大切な人に会う
【その10】
「はじめまして、〇〇と申します。」
ついに姿を現した。
パンチはこれまで娘の妄想話に付き合ってきたと思っていたが現実に挨拶をされると言葉が出なかった。
隣で満面の笑顔を見せる娘。
娘のこんな笑顔を見たのは、じいさんの葬式以来か。
パンチはできればこのまま喪中に入りたい気持ちになった。
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パンチ娘の大切な人に会う
【その8】
娘の大切な人に会うレストランに神戸の仕事場から向かったパンチ。ちょうどいい時間だが大物は遅れて登場が礼儀だろう…店の前でひと呼吸おく。
相手の方も挨拶は一回の方がいいだろう、大阪からの電車が遅れているという家人の到着を待ち一緒に入ろう。
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パンチ娘の大切な人に会う
【その7】
いよいよ娘の大切な人に会う日だ。
パンチは一年に一回しか締めないネクタイを締め、扉を閉め、鍵を閉め、使命を果たす場所へ向かう。
締めるという字と諦めるという字は似ているな…そんなことを思いながらセカンドバックを持つ脇を締めた。 #パンチ娘の大切な人に会う #やまわきえりこの一語一絵
パンチ娘の大切な人に会う
【その6】
いよいよ、その日は決まった。
パンチの仕事の都合にあわせ神戸のレストランを彼の名前で予約を取ったと娘からLINE。
そのレストランは娘が子どもの頃パンチがお気に入りでよく連れて行ったところだ。
わざわざ東京から来てくれる見知らぬ青年にわずかばかり好感を持った。
いや、まだ油断は禁物だ。
好感は交換せねば…
交換といえば
2月20日までオゾン発生機 #loop お買い上げの方交換用フ
パンチ娘の大切な人に会う
【その5】
来たる「大切な人に会う日」に向け娘と打ち合わせをするパンチ。
会食での会話はお父さんがしてと懇願する娘。
お母さんは隣でニコニコ笑ってたらいいと、バブル期の女子アナのアシスタントのポジションを指定した。
さて、何を話せばいいのだろう…
ニセアナアシスタントに設問事項を考えさせる。
「お住まいは？」「何してる人ですか？」「二人が出会ったきっかけは？」「どんなところが好きですか？」
『
パンチ娘の大切な人に会う
【その5】
さて、娘の大切な人に会う日にどんな服を着ていこう･･･悩むパンチ。
ワードロープの乏しさに溜息をつく。
唯一の｢ちゃんとした服｣は礼服くらいか･･･
礼服･･･ネクタイを黒にしたら喪服やな･･･今の気持ちは喪服に近いかもしれない。
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パンチ娘の大切な人に会う
【その4】
さぁ、娘の彼氏に会う日が近づいてきた。ところで、…会食場所の会計はいったいどっちがもつのだろう…
これはやっぱり彼氏の方だろう。
俺もそうだった。
そんな話を行きつけの店の大将にしたところ
「何言うてますねん！一緒に住むだけの挨拶でっしゃろ？まだこっち側でっせ、1円も出させたらあきまへんで！」
…大将すごい剣幕で言うなぁ。たしかに、まだ結婚の挨拶ではない。
「それにしても、わし先生
パンチ娘の大切な人に会う
【その3】
どんな面構えか俺が確かめておこう、娘に写真を見せてもらうパンチ。
…ん、悪い印象を持つ顔ではないなぁ。だが、人生の深みを感じない顔だ。
男はパンチパーマ、もしくはポマードで髪をオールバックだろ。もしかして、チャラい奴かもしれない。 #パンチ娘の大切な人に会う #パンチシリーズseason2 #男は黙ってパンチパーマ
パンチ娘の大切な人に会う
【その2】
慌ててはいけない。まずは正確な情報を集めることだ。その彼氏とやらのことを聞こう。対策はそれからだ。
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