見出し画像

ミソスープをすすりながら感じる小平駅前アメリカン。〈IN THE BOX_小平市美園町〉

2023年6月にオープンした小平駅前のカフェ『IN THE BOX 』で感じた、懐かしさとやさしい味噌汁の話。

「トーストにも味噌汁が付いてくるらしいんだよ」

新しく小平駅前にできたカフェが気になると、のしてんメンバーで話をしていた。
味噌汁推しのカフェと聞いて、最初想像したのは純和風で食堂のような喫茶スペース。
今度の打ち合わせはそこでと、(は)とさっそく行ってみることにした。

階段をのぼりかけたところで、想像していた空間とは別の世界が待ち受けていた。
アメリカンなテイスト。それも、アンティークっぽさがかわいらしく、センスある雰囲気を醸し出している。

頭の中で味噌汁とアメリカンが融合しないまま、扉を開けるとさらに期待は裏切られる。もちろん良い意味で。
カウンターに飾られた人形や雑貨、壁に並ぶレコード、ぶらさがる照明たちもおしゃれ。
アンティーク調の棚にはファイヤーキングのマグが並び、アメリカン雑貨が好きな人にはたまらない雰囲気だ。

先に入って待っていてくれた(は)が、ひょいと手を挙げる。
席に着くなり
「なかなか良いですね」
と店内をぐるりと見渡しながら、お店の感想で持ちきりになる。

昼ごはんを食べ損ねていたので、カレーを注文した。名物のシュウマイは売り切れだったのでまたの機会に。
先に運ばれてきたアイスコーヒーでクールダウン。

「お待たせしました〜」
と目の前に運ばれてきたお盆。出た。もちろんカレーにも味噌汁。
「やっぱり付いていましたね」
と2人で味噌汁を目視確認。
和風のお椀ではなく、かわいいマグに入っているので、この空間でも違和感なし。
細かく刻まれたキャベツやきのこが程よい歯応えになっていて食べやすい。
汁もまろやかで、ホッとするやさしい温度とお味。
チキンカレーはよく煮込まれていてすいすい食べられる。

我々が座ったのはテーブル席だったが、窓際のカウンター席もいい感じ。
ここから眺める小平駅もまた良し。信号機と同じ目線になって、しばし駅前のうつろいを眺めた。

「このアメリカンな店内、どことなく懐かしい感じですね」
「福生の横田基地付近のお店を思い出すなぁ」
「本当だ!16号沿いの雰囲気」
西多摩エリアで育った我々の共通言語『16号』。
横田基地のすぐそばを走る国道16号線。その道路沿いは、アメリカンな古着屋やポップでおしゃれな飲食店などが立ち並び、ちょっとしたお出かけスポットなのだ。
西多摩のヤングたちは、免許とりたてで16号へ出かけて、デートやショッピングを楽しんでいたのだ。(イオンモールができる前、少なくとも平成ヤングはそうだった)

会計時に店主さんにコソッと話しかける。
16号沿いの雰囲気を感じますの(は)の言葉に、影響受けていますとの答え。
やっぱり!
聞けば店主も多摩エリアに長く住んでいらっしゃる。『16号』がすぐ通じた親近感がうれしいのは西多摩っ子あるある。
なぜ味噌汁なんですかには「好きなんです」とシンプルに。
出汁がしっかり感じられて、野菜が食べられる味噌汁がセットにあるとうれしいという店主さんの気持ちが込められたアメリカンとの融合。

「また来ます!」
と店を後にして、お気に入りのカフェが増えたうれしさにニヤついていた。

…その数時間後。忘れ物をしたことに気付き、慌ててお店に連絡をする。
明日取りに行きますとお伝えして、“また来ます”をすぐに実行することになった。
今年最速の有言実行。

翌日のおやつ時に再訪し、せっかく来たのでまったりとコーヒーとあんバタートーストをいただくことにした。
(甘いトーストには味噌汁は付きません。ピザトースト、ツナトーストの食事系には味噌汁とサラダが付いています)

香ばしい幸せなにおいと共に運ばれてきたのは、あんことホイップが別添えになっているタイプのあんバター。
バターがしみこんだトーストに、一口ずつあんことホイップの配分を変えながら、ベストバランスをさぐって楽しんだ。
サクッ、ジュワッ。はぐもぐ。コーヒーをススス。ふーっ、幸せ。

おもちゃ箱のような遊び心のある空間に、シンプルの中に丁寧が伝わるドリンクとフード。
こだわりを感じつつ、ペースを乱されない心地良さ。やわらかい接客も安心感。

シュウマイと冷奴と瓶ビールのちょい飲みセットも心惹かれる。バドワイザー片手に、夜の駅前を眺めるのも良い。
青春時代に浸れるノスタルジックな場所が小平にできてうれしい(お)なのでした。

(お)

【IN THE BOX】
東京都小平市美園町1丁目15−8 2階


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?