おめでたい大脳

君もよく知ってのとおり
世の中には厭な奴もいる
なんでそんななんだ、と
叫んでやりたい奴もいる
そういう奴も生きている
そして君も、生きている

共通点は生きていること
まだ死んではいないこと

生きている間に、たぶん
人は人を生かす事を学ぶ
生きて、生かす事をする
厭な奴もまたそれをする
しなければならないのだ

厭な奴がもし厭な自分に
気づいて深く思い当たる
鋭く瞬間的に思い当たる
そうした時には自殺する
恥を抱えられなくなって
即座に、逃避衝動を取る

厭な奴が厭な奴のままで
終わってしまうとなると
そいつも、浮かばれない

厭な奴が存在できるのは
厭な奴でない奴のおかげ
温情、助け、無償の愛情
それを与えることにより
さらにそれらを、増やす
増えることは充実なのだ

与えられた厭な奴がもし
与えられた事に気づけば
命を救われたことになる
君は知っているだろうか
厭な奴が生きているのは
君と、そいつのためだと

人が生きることは、結局
それだけで、意義を産む

宗教的意義の話じゃない
いま、この瞬間に、君が
厭な奴の影響下には無く
君が奴を生かしていると
納得するための理由づけ

詭弁だとしてもいいのさ
厭な奴ってのは相対的で
それは君の方かも知れず
そうではないかも知れず

言ってみりゃ気持ちよく
君が生きるための、論理
人間以外の動物には無い
不純な脳みその、挽回さ

所詮、ヒトもおめでたい
おめでたい故のこのnote

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